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知念実希人『ひとつむぎの手』

6年前くらいに王様のブランチで紹介されていて、ずっと気になっていた『ひとつむぎの手』
図書館で見つけて読んでみる。
知念実希人さんの本は二冊目。一冊目の『十字架のカルテ』は一気読みするくらい面白かった!!

知念さんはお医者さん。
がち医療もので、専門用語がたくさんでてくるのに、なんでこんなに読みやういんだろう?って思うくらい。
読み飛ばすこともなく、意味を理解しながら読み進めていける。不思議。


この本は、第一線で活躍する心臓外科医を目指す医者が主人公。
研修医とどう対応しようか迷いながら、
病院内でのある問題を解決するために葛藤しながら、
目の前の患者を様々なアプローチで救っていくお医者さんのお話。

一つの物語に、複数の問題が同時並行している感じが好みだったな~

あと、題名が良き!
命をつむぐ、それは概念的なものではなく、医者だからこそ物理的につむいでいく感じとか
人生をつむいでいく感じとか
次の世代につむいでいく感じとか。
一つの題名に複数の意味が込められているのも好み~~~

主人公がただお人好しなだけではなく、大きな嫉妬心を抱いているのも人間味があって、私もひとと比較しがちだからそういうのも良かったなあ。


久しぶりに本を読んで涙を流したな。
死に対する悲しさの涙(こんな単純な涙じゃない)と、感動の涙。

表紙の黄色も、好みの黄色加減。

医療ものはそんなに好みではないけど、知念さんの本はたまに挟みたくなる。



2025年2月15日
知念実希人. 2018. 『ひとつむぎの手』. 新潮社

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