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美大とかデザイナーとか夢を諦めた話
絵を描いたり刺繍をしたり何かをデザインすること
あなたは才能があるからその道に進むべきだと何度も言われたことがある。
美大を出た人とかデザイナーに言われたことがあったから自信があったし
私の作品を見てファッションブランドやりなよとか嬉しい言葉をかけてくれる人がたくさん居たから、自分の芸術的なセンスで人の心を動かす仕事がしたいななんて思ったりした。
ずっと北欧のデザインが好きだったから、フィンランドの美大のサマースクールに参加してみた。
全然想像していたことと違う授業で、拍子抜けした。
日本の美大を出た人とかも参加していて仲良くなった。
色々話をしていて、私はこの大学の大学院に入りたいと思ってると話をしたら、彼女もそういう選択肢があるんだって知ることができたとか言いながら
彼女も私が目指している大学院を目指すといった。
もちろんバックグラウンドがある人の方がポートフォリオの作成などの面で有利である。私と彼女はサマースクールの期間に、その大学の大学院に現在在学中の複数の日本人にアポを取り授業の内容とか受験のこととか話を聞いた。
話を聞いて分かったことは、私には何のデザインのバックグラウンドがなく圧倒的劣勢。彼女や在学生はデザイン関係の学校を出ていたり仕事の経験があった。
自分がただ絵を描くことが好きとか人から褒められたからというような、非常に浅はかな理由で海外の大学院を目指しているなんて、口に出してることがあまりにも滑稽で恥知らずな行為だったことを思い知った。
フィンランドでデザインを学びたいって漠然と思ってたけど、その夢はいろいろ現地で調査した結果自らぶっ壊した。
このフィンランドの大学に通う日本人とか、サマースクールで会った日本人とか、仲良くはなれないなあという雰囲気があった。彼らも私のことをそう思っていたと思う。集まりに私だけ誘われないとか、誘ったけど断られてその後なんの音沙汰もなしな人とかいた。そんなんで日本でどうやって社会人やってんのって思った。
仲良くなった彼女は、挨拶もなしに日本に帰国してその後何も連絡を取っていない。残念だった。でも彼女は私が欲しいもの全部持ってて今後もうまくいくんだろうなって思った。彼女の心は透き通っていて自分の愚かさが際立った。圧倒的差を見せつけられて、やっぱりどこ行っても私は私でゴミカスだなって思った。
後日、デザインが好きでデザイン系の仕事に就こうとしていたが、最終的に設計に携わる仕事をしている定年退職した方と話した際、デザイン系の仕事についても結局クライアントの意に沿った物を作らないといけないし自分の創造性を発揮して仕事をすることは難しい。趣味のままで良かったと言っていた。私の想像した通りだなと思った。優しかった。
今フリーランスでフィンランドでデザイナーをしている人と話す機会があって、その人にデザイン市場について聞いてみたときは、知っているデザイナーはそれだけで食べていくことができなくて、二足の草鞋で生活してるとか今不景気で就職先を見つけるのは難しいなどという話を聞いた。
フィンランド語も話せなくて英語もビジネスレベルで話せない、デザインの学校を卒業しても何の実績もないそんな人間を誰が雇ってくれるんだよって思った。美大を出たところでフィンランドで就職できなくて日本に帰った時に、デザイナーとして雇ってもらうことも難しいよな。そしてフィンランドにいてデザイン系やってる日本人はフリーランスが多いという印象。私は所属したい、一生雇われていたい。
どうしようかな、いい年して私には何もない。何もないよ。
フィンランドの大学に行って卒業して就職したい。ここでいろんなものにときめきながら我慢しなくていいくらいに稼いで暮らしていきたい。
贅沢言わないから、努力するから、自分の人生に光が欲しい。
本当、何やってんの自分。