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『ぱふぱふ』の魅力 (ドラゴンクエスト モンスターバトルロード S-06R)

こんにちは。
カードコレクターをしているポングと申します。
僕は遊戯王コレクターやポケカコレクターのような形ではなく、シリーズ問わずに気に入った特定のカードを何枚も収集するタイプのコレクターをしています。
今回は僕を最近では一番沼らせているカードである『ぱふぱふ』を解説したいと思います。


カードの概要

今回紹介する『ぱふぱふ』は2007年~2010年にアーケードゲームとして稼働していた『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード』(以下、モンバト)のカードです。
1プレイごとに排出されるカードを集め、カードに描かれたコードをスキャンしてモンスターを呼び出して戦うゲームでした。
『ぱふぱふ』はバトルのサポートを行うスペシャルカードの1枚であり、相手全体をマヒさせる効果を持っていました。これが超強力であり、ガチ勢必須級のカードでした。
イラストは3パターンあり、今回紹介するのはロトスペシャル版のS-06Rです。

ぱふぱふ(S-06R)

カードの魅力

ここからこのカードが僕を沼らせた魅力について解説していきます。

①イラスト

S-06Rのイラストを担当したのは鳥山明先生です。
トレカは多くイラストを用意しないといけないこともあり、CGで作るか原作に似せて別の方が描くことが多いです。モンバトも例にもれず基本的にはCGのカードが主体でした。
しかし、モンバトの第7章・第8章にははっきりと『鳥山明先生かきおろし』と銘打ったロトスペシャルカードが合計16枚出ました。今回紹介の『ぱふぱふ』はそのロトスペシャルの1枚です。
ドラクエで鳥山先生がトレカ用に描いたのはこの16枚だけかもしれません。実はロトスペシャルには鳥山先生がモンバト用に描いたイラストをカードにしたものもありますが、『ぱふぱふ』は正真正銘カード用イラストです。
そして肝心のイラストですが、もう僕にとって最高のイラストです。
僕がドラクエで一番好きなキャラであるゼシカであり、そのゼシカが自ら胸を強調している鳥山イラストはモンバト以外でもこれしかないはずです。原作者が描いた本物のゼシカイラストで一番エロい!
このイラストの人気のためかはわかりませんが、ドラクエ外伝のヒーローズではこれがゼシカの勝利ポーズになりました。
余談ですがこの行為をぱふぱふと名付けたのは鳥山先生だと思いますが、漫画・ゲームの枠を超えて今でも使われていますね。どこでとは言わないですが…。

②美品の希少性

カードの価値には希少性が関わってきます。僕に限らずだと思いますが、希少なカードってそれだけで魅力を感じますよね。
このカードはというと1の第7章でしか排出されず、排出率は1/800でした。
モンバトは第7章稼働時点で1億枚販売とアナウンスがあったので各章均等に発行されていたとすると
1億 ÷ 7 ÷ 800 ≒ 17857
ということで約18,000枚が存在していたということになります。
これだけ聞くとなかなか多いのですが、このカードは美品となるとかなり希少になります。カードに傷がつく要素が多すぎるためです。
以下に傷がつきやすい点を記載します。

  1. カード補充時
    筐体に店員さんがカードを開封して補充する必要があります。カード補充時にはカードをほぐすようマニュアルに記載があり、カード同士をすりあわせたりします。この結果、カードの側面や表面に摩耗傷ができることがあります。

  2. カード排出時
    カードは筐体の固い部分で仕訳けられ、1枚ずつ排出されます。この結果、排出時点で側面に白かけが発生することがあります。特に裏面角部分に発生することが多いようです。マニュアルには補充時にカードの向きを逆にすると傷やめくれが起きるという警告文があり、排出時に負荷がかかることがわかります。

  3. ゲームプレイ時
    『ぱふぱふ』は最強のスペシャルカードであり、排出率も最も低いので入手したら使うという人が多かったです。そして、このゲームは使用するとなるとカードをスキャンしなければなりません。使用した時点で大体の場合は傷がついてしまいます。また、プレイヤー層も大半が子供でありコレクターが当時ほとんどいなかったこともプレイに使われやすかった要素といえます。

これらの関門を潜り抜けたものが現在でも美品として残っているわけです。これが想像以上に難しく、トレカ基準での美品にはほとんど出会えません。
未開封品は非売品であり転売禁止だったためアーケード以外のトレカのように個人がボックスで買ったものがそのまま押し入れに残っていたという事例もなく、後から美品が出てくることも稀です。
さらに言えばカードショップで売られていることがほとんどないので実際に目で見ずにフリマで買うしかなく、フリマの出品者には時折適当に美品と言う方がいるので購入してから状態確認をするしかないというのも難易度を上げています。

③刻印

このカードには裏面右下に刻印(地域によっては紋章や形状から炎やゴリラとも)と呼ばれるマークが入っていることがありました。
これが何なのか現在まで不明のままですが、ゲームに使用されるものではなかったため印刷ミスと考えられます。
そしてなんと、これはロトスペシャルの『ぱふぱふ』でしか確認されていません。
通常排出で一番人気のあるカードが唯一持っている特徴というのが僕のコレクター欲を大きく駆り立てました。
当時から刻印のあるもののほうが、そして刻印が大きいほうが価値があるとされており、刻印のあるなしが1/2と言われていたことが昨今のフリマなどで排出率1/1600とされている根拠と思われます。実際に公式アナウンスがあったわけじゃないので1/2だったのかは不明ですが、現存の販売情報を見ても妥当と思っています。
しかし、刻印のサイズ違いについてはどこでも細かく言及されておらず、思い思いに「小」「大」「特大」などと書かれているだけだと思います。今回は僕が実際のところをお見せしようと思います。

サイズ1
サイズ2
サイズ3
サイズ4
サイズ5

※ここの間にもサイズがあるはずなのですが手元のカードで確認できず。サイズ6としておきます。

サイズ7
サイズ8
サイズ9
サイズ10
サイズ11
サイズ12

どうでしょう。この記事にたどり着いたということは『ぱふぱふ』に興味がある方だと思うのですが、刻印のパターンがこれほどあることをご存じでしたか?(ドヤ)
僕が目視で区別ついてないだけでもっと細かいかもしれません。スリーブ上からで画質が悪いのはお許しください。
なお、サイズごとの出現率に違いはないと思っています。
稼働時~10年前はヤフオクなどでサイズ11~12が特大として売られていたんですが、昨今サイズ7~9を特大として売っている方が増えたのも情報が少ないからだと思っています。
そして、美品でこれらのサイズをコンプしようとすると途端に難しくなるんですよね。
『ぱふぱふ』が18,000枚、そのうち刻印ありが9,000枚とすると刻印サイズごとの枚数は750枚くらいになります。そして750枚しかないカードのほとんどがプレイヤーに使われて傷つきという現実…。厳しいものです。
一時期は旧裏のポケカのホロ収集にもハマっていたんですが、あちらはパターンがほぼ無限にあるので全部収集しようがない分、気に入るのが手に入ったら満足できました。
『ぱふぱふ』の刻印はパターンが多いけどもしかしたら美品でコンプできるかもしれないというのが僕に刺さりまして、沼ってしまいました。集め始めて10年経過しましたがいまだに収集が終わりません。
表面の違いでもなく、美麗に見えるわけですらないのに刻印のないものは集める価値がないと思ってしまうほどです。(個人の感想です)

カードの鑑定(グレーディング)

美品の収集をしていると自分以外にもカードの状態を評価してほしいという欲に駆られます。カード鑑定会社のグレーディングはそういう欲を満たしてくれるのですが、モンバトは長らくグレーディングの対象外でした。
しかし2024年についにARSとPSAがモンバトの対応を開始しました。
ここから先は鑑定機関の比較をしますが、かなり個人的な見解になるので興味のある方だけ読んでください。

個人的な見解として、『ぱふぱふ』を出すならARS一択です。

ARS

  • グレーディング
    『ぱふぱふ』においてはPSAより厳しく見られます。おそらく他のモンバトのカードもそうだと思うのですが、自身で出した実績がないので言及しません。
    ARSにはセンタリング(カードの印刷位置)が評価項目にない分、傷に対しては評価が厳しめです。
    上に書いたようにモンバトは表面にも側面にもカード入手時点で傷がつくことが多いのがARSで高評価を得ることを難しくしていると思います。
    そして評価がしっかりしていると思います。
    僕は1枚だけ10+の評価を得た『ぱふぱふ』を持っているのですが、入手元は10年前に知り合いのゲーセン経営の方から譲ってもらった処分予定の未開封の箱です。筐体を通していないからこそ完璧な状態だったといえます。それ以外は筐体から出た素人目には全く傷がないカードをいくつか出しましたが、10+は取得できませんでした。ARSにはその違いも見れているのだと思います。
    現在の流通量から考えても10+は相当希少であり、10+かつ特定のサイズの刻印は被りがない一点ものになるかもしれません。
    ちなみに僕の10+は刻印ありですがサイズ1です。10+ホルダーの方々、ここを見ていたら刻印有無とサイズを教えていただけたら嬉しいです。
    記事を書いた12/4時点ではARSのハイグレード取得率は下記です。
    ARS10以上: 44.8% (12/29)
    ARS10+: 10.3% (3/29)
    ※グレーディングが記載されたままケースインさせない限りカウントされないので実際の取得率はこれよりも低いです。

  • ケース
    個人的には他社製より重厚で高級感があり好みです。
    下にキャプションがあると美術品のように見えるのも好みです。
    重要な点として日本語キャプションを選択できます。
    ケースを気に入りすぎて最近だと10点に届かないものはグレード表記なしでケースインさせてもらってたりします。

1枚だけとれた10+

PSA

  • グレーディング
    はっきり言って緩いです。
    PSAはシリーズによってはセンタリング評価が厳しいものもあるのですが、『ぱふぱふ』はあまり厳しく取られないです。よってほとんど傷有無での評価になります。
    僕はもともとケースの好みでARSに先に出していたのですが、最初はミニマムグレード(MG)を設定してARSで10をとれなかった場合にはケースに入れずに返却してもらっていました。
    それが3枚たまり、もう1回ARSにそのまま出したら10にならないかな?と思い提出したもののやはり3枚がMGとして返却されてがっかりしました。そしてふと、これをPSAに出したらどうなるのか?と思い提出したところ…
    3/3でPSA10を獲得しました。
    しかも、内1枚はPSAに出すときの梱包で誤ってわずかに角を傷つけたものなんです。ARSだと8かそれ以下になると思います。
    これが満点評価となると、『ぱふぱふ』においてはARS10>PSA10と考えざるを得なかったです。
    もちろん鑑定士によるとは思いますが、この体験をしてしまった以上PSA10に価値を感じなくなってしまいました。
    記事を書いた12/4時点ではPSAのハイグレード取得率は下記です。
    PSA9以上: 90% (18/20)
    PSA10: 70% (14/20)

  • ケース
    あまりPSAのケースが好みじゃないのですよね…。海外ならBGSの方が好みです。そしてなにより、英語キャプションしか選択できません。
    PSAの最大のメリットは海外での知名度を生かしてリセールが効くことだと思っています。海外へのリセール狙いならキャプションは英語の方がいいとは思います。
    でもモンバトが今後海外で人気が出ると残念ながら思えないんですよね。海外で稼働があったわけではないし、原作のドラゴンクエストも海外ではポケモンのような知名度はないです。そもそもリセールの商材として不向きかもしれません。
    そして、海外で売買される見込みがないなら日本人での売買が今後も中心になると思うのですが、日本の作品を日本人で売買するのに何でキャプションは英語?って考えてしまうんです。
    多分、僕みたいなのがリセールの相手になると思うんですが僕はPSA鑑定品を買うつもりはないです。

ARS10に届かなかった3枚(表)
ARS10に届かなかった3枚(裏)
1枚目(表)
1枚目(裏)
2枚目(表)
2枚目(裏:センタリング難あり)
3枚目(表)
3枚目(裏:右上に白かけあり)

まとめ

もしARS10+を取得可能な可能性があるほどの美品を持っているならARSに出した方がいいと思います。仮に10止まりだったとしても、PSA10よりは価値があると思っています。
せっかくの美品を白かけがあるようなものと同グレードにしてほしくないと思いませんか?PSA10は僕が白かけありで取れてしまいました。ARSで肉眼でわかる白かけがあるものが10を取れたことはありません。
どちらが主流になっていくかはわかりませんが、僕は今後もARSで集めます。未鑑定の美品の残弾はARSに出します。

以上、『ぱふぱふ』のご紹介でした。
気が向いたら他の集めているカードについても紹介しようと思います。


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