クラブ・スーサイド 財膳絵馬くん感想(ネタバレ)
お久しぶりです。感想3人目です。
個人的に一番共感できたのは絵馬くんでした。
・無様
うわーお…。この、希望から絶望に落ちていく過程が最高に厭らしい(褒め言葉)な。自分の好きなことに特化しているって逆に言えば「その事しかできない」ってことだもんね。宇宙いち最高な人たちの間にいる自分は、なんて醜い、本当に”人間”なんだと思うよね。嫌な感情に蓋をできる人のそばにいると、感情が駄々漏れな自分のなんて愚かしいことか。そんな絵馬くんが光を見つけた”自殺”という行為すら駄目になってしまったことが最期で分かって、尊敬する人たちの前で最期を迎えて。きっと足を滑らせた時の絵馬くんの思いには「死にたくない」ということもあったのかな。今まで触れた話は割と孤独な最期か林檎ちゃんが見届ける、だったけど今回は両親か…。他の人達に比べれば”良い最期”ではあるけど、絵馬くんにとってはそうではないんだよね。彼は消えたいのだから。立派な人たちに囲まれるってすごいプレッシャーなんだよね。「自分はこの人たちに何も返すことができないのに、なんで側にいてくれるんだろう」と疑心暗鬼になるよね。陰キャだからなんとなく共感できてしまう。自分語りが多くなってしまった、反省。
・夜闇
そうか、そうか、彼は消えてしまったのか。今までの話が希望に溢れていたからか、消えてしまうのが切ない。でも彼の決意は変えられない。共感もできてしまうから悲しい。夜闇に紛れて彼はどこへ行くのだろう。読者にイメージさせてくれる描写は好きなんだが、はっきり書いて欲しい気持ちもあってやりづらい。心が二つに分離しそうだ。最期にプレゼントを残していくのは”恩返し”もあるだろうけど、私にはどうしても「覚えていて欲しい」という深層心理の表れに感じてしまう。林檎ちゃんにも渡したから、余計にそう思ってしまう。絶対絵馬くんはそうじゃないと思うけど、恩返しに自分の得意なものを贈るって絶対覚えていて欲しいじゃん…。両親の脳裏にこびりつくやつじゃん…。でも「生きているかもしれない」と、たった一粒の希望を遺してくれるのは絵馬くんらしい配慮だと思った。そしてそれこそが彼の望む最期なのだと、”無様”を見た後だからか余計に思った。
”無様”では自分を悲観して最期を迎えるけれど、このルートでは自信を持って消えていく。一見真逆の行動だけど、絵馬くんにとっては最高の最期なんだね。
また感想2もあげていこうと思います。
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