08 じつは読解力が基礎 #図解のつくりかた
15字でまとめると図解にしやすい
メインメッセージ(相手に最も伝わってほしいこと)は15字前後で要約できます。要約することで「本当に伝えたいことは何か」の本質がみえやすくなります。
要約時に「本当に伝えたいことは何か」を読みとるのは読解力です。図解づくりの基礎は読解力と考えています。
国語の試験で「次の文の要旨を100字で要約せよ」という出題がありますが、あれと同じです。いきなり15字以内でまとめるのが難しいときは、100字、50字、30字…と文字数を減らしていくのがコツです。これは文章の「見出し」を立てるときにも役立つスキルです。
ここでいいたいことは「15 字 で ま と め る と 図 解 に し や す い 」。ちゃんと15字でいえました!
関係性を示す「接続表現」を復習しよう
たとえば、この2つの例文のメインメッセージはどこかわかりますか?
・例1「18時になり上司はまだ働いているけれど、定時なので私は帰ります。もちろん今日やるべき業務はすべて終わっています」
・例2「定時の18時になり私は帰りますが、上司はまだ働いています。ただし私は今日やるべき業務はすべて終わっています」
例1では「定時なので私は帰ります」がメイン。例2では「定時なのに上司はまだ働いている」がメイン。似た文ですが、どこに重みがくるかは接続表現の使い方から読みとることができます。
図解はものごとの関係性を図で示します。読み誤らないよう、接続表現の知識を整理しておくとよいでしょう。
日本語の接続表現
・付加(つけくわえる)AそしてB
・選択(選ぶ) AまたはB
・換言(言い換える)AつまりB
・例示(例をあげる)AたとえばB
・対比(複数を比較検討する)A一方B
・転換(逆のことをいう) AでもB Bに重み「雨が降っても試合は続けた」
・補足(説明追加、例示示す)AただしB Aに重み
・条件(Aを仮定するとBが成り立つ)AとすればB
・譲歩条件(AがBに反してもなおBである) if AでもなおB「雨が降っても試合しよう」
・理由(Aが成り立つ、なぜならBだから) because BなぜならA
・帰結(Aが成り立つ、だからBだ) so AだからB
参考
野矢茂樹.大人のための国語ゼミ.山川出版社,2017.
図解すれば、文章も磨かれる
文章を、図解で示そうとしてはじめて「これってどういうこと?」と文章に足りていない情報があるのに気づくことがあります。もし図解できなければ、伝えたいことが書けていないということなので、より的確に説明し直さなければなりません。
言葉から図解を作る。図解から言葉で表現する。これらは双方向に働きあっています。