遊びボランティアから見た 子どもたちの変化
昨年01月26日から
学習支援で得た知見を基に色々書き始めて50回目です。
二回に渡り 小中学生の 主に学習面からみた様相を書きましたが
少し視点を変え 学級閉鎖やオンライン授業といった
過去に例を見ないような状況の中で
子どもたちは どのような行動を示しているのか
それはなぜなのかを考察してみようと思います。
①遊びボランティアでは
室内で思いっきり大声で お互いを呼びあったり
鬼ごっこが頻発しています。
ご家庭内で 同様な声を出せば「うるさい!」と言われるような
高くて大きな声が響いていますし
数人集まれば 追いかけ廻すごっこ遊びが始まります。
今週は「鬼滅の刃」が終わったせいか
折り紙でクナイを作り 紙の短刀と投げ合いをして走り回っていました。
静かに何かを作る事は ほとんど見かけなくなりました。
このような行動は
他の場所では できない事をこの場で解消している代替えのようです。
思いっきり声を出したり 体を動かす機会が減ってきた結果
相当なストレス感を感じている子どもが多いようです。
②ある男の子は段ボールと小割木材で机を作りましたが
机を平面と脚でできていると 理解しているため
各々の接合や部材の強度という点までは考えが及ばず
ガムテープだらけの机ができていました。
人に意見を聞くことなしに 事を進めてしまうのは
相互コミュニケーションが成立しづらい
またはそうした状況に慣れていないという
子どもたちが置かれた社会関係の反映のような気がしています。
③遊びボランティアでは 子どもたちが運営の手助けをしたり
自分の作ったものを他の子どもに譲る際に
評価のため この場で使える「お金」のようなものを渡しています。
ところが これを「お金」と同じと理解してしまい
「儲けること」が遊びの結果だと理解している子供が増えてきました。
自分に対し直接の利害には強く反応し
思いやりや協調性が希薄なようです。
④学校から言われている事や
宿題以外に興味を見せることが減ってきています。
「言われたことをやる」という受動的学習態度に向かってしまっています。
最近の学習で言われるアクティブラーニングは
自分で疑問点や問題点を見つけ
自己学習を通して解決方法を探し出す。
言い換えれば
自律的な学びを深める
といった方向を目指しているようですが
それとは かけ離れた面が見え隠れしています。
こうしてみると
オンライン教育により
教師や学校内で友達との直接的な関わりの機会が減ってしまったため
情操的な意識の醸造への配慮が大きな問題点としてあげられそうです。
将来に向けた教育のGIGA構想とかICT教育の進展を考えてみると
教育を情報の伝達と認知や数値としての理解度だけで判断してはいけない
生身の人間を取り扱う場で大切にすべきことが 見えてきそうです。
生徒の学習に関連している方や保護者の皆さんへ
以上 見てきたように
子どもたちを囲む環境の変化は否応なしに始まってしまいました。
無理やり始まってしまったデジタル化の中で
子どもたちは
誰にも質問できず 相談も出来ないのです。
少なくとも
子どもたちがそうした状況に置かれているのを理解し
柔らかな受け止めと
各人の状況に対応した方法で
知識の受け渡しを目指してゆくことが必要ではないか
と思うのです。
16 FEB.2022.ARAI