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オンライン授業に挟まれた 生徒たちの様子

昨年01月26日から

学習支援で得た知見を基に色々書き始めて48回目です。
一年経過して
オンライン授業という
未知の環境に置かれた生徒たちの変容は驚くほどでした。

今回は学習支援の場から見た
最近の生徒の様相を取り上げてゆこうと思います。

①まず 他者との間合いを取れなくなってきました。

学習支援では 
開催日になってみないと 生徒数が判らない事がしばしばで
そのため 毎回担当する生徒が変化しがちです。
ある程度学習会の回数を重ねると
慣れが出てくるものですが
それでも
支援者に対し どこかで障壁をつくってしまう生徒が多数います。

生徒の間でも同様な状況があり
同じ学校の生徒どうしであっても 打ち解けづらい様子です。
また入退室地に観察していると 個々に移動するのがよく見られます。

つまり
他者にどう接すればいいのかわからない生徒が増えているということです。

②国語の学習では
長文読解に困難を抱える生徒が増えてきており
文の区切りが見つからず
文節が理解できないので 論旨の展開が判りません。
文脈が捉えられず 意味の抽出に苦労したりするのは しばしば。

そのため数学の文章問題を不得手にしている生徒が増えています。

③大半の生徒は学校から家に帰ってから
外出を禁じらているため室内でゲームをしているようで
ニュースに触れる機会がありません。
あったとしてもTV画面であり
音としての言語が行き交うだけで                                                                                                                     文字文化の持つ積極的な事実の深堀りには出会わないようです。

④数学と言えば 抽象的な問題に苦手にする生徒が増えています。
また 幾何では平面も立体も 形態が想起できづらい生徒が多くいます。

途中式の意味が解らず
殆どの生徒は自己流の計算をしたり 暗算で済ませてしまいます。

数学で大切にしている原理・原則を飛ばすので
論理的帰結への展開が理解できていません。

⑤理科は実験授業が少なくなってしまい
単純な物理現象でも
見える化できなないままの教科書知識が精いっぱいなので
応用が効きづらいようです。

これは化学や生物でも同様の状況です。

⑥社会では歴史・地理・公民といった内容について
項目③に示したような実社会への向き合い方が主になってきているため
教科書の文字面を理解しようとしても
実感が伴わない「記憶」作業になり
学習に困難を持つ生徒が増えています。

起因→変化→結果という一連の流れは理解外です。

⑦外国語はもっと悲惨です。
教科書に書かれている文章を黙読しているだけなので
音読できませんし
文章の意味をくみ取れません。

更に 文法と語意が中心の教育からは
生きた会話の醸造は 
望むべくもない生徒が多くいます。
なので 面接のある英語検定では定型化した会話しかできません。

⑧主要五教科以外でも
実際に手を動かしたり体を動かす機会が減ってしまっているため
理解出来ないことが増えてきています。

⑨タブレットを使用したオンライン教育にもメリットはあります。
生徒が学習上の問題点や疑問点を 自主的に検索でき
はやりの言葉で言えば「アクティブラーニング」が実現できそうです。

しかし タブレット端末そのものの操作を含め
メディアリテラシ―の知識を得ないままでは
膨大なインターネット情報に飲み込まれてしまう怖さがあります。

現状では 予備知識が得られずに否応なくオンライン化が進行しており
少し冷静になって
オンラインならではの教育手法を探し出す必要がありそうです。


⑩学習支援の現場では
参加している支援者がそれぞれの立場で試行を繰り返しています。
ただ つきつめると 個々の生徒の状況によって対応策が異なるため
各論は出るが総論化しずらい というのが現況のようです。

生徒の学習に関連している方や保護者の皆さんへ

現在一番苦労しているのは生徒本人です。
無理やり始まってしまった今の学習環境は
誰にも質問できず 相談も出来ません。

現況で取りあえずできることは
文章を読むことだと思っています。
日本語の的確な刺激なら 割と手軽に実現できそうです。

ご意見・ご批判・ご提案等をお聞かせください。

02 FEB.2022.ARAI