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SPURS judge replay(仮)#7

#7 【好ゲームの理由は36分の対応にあり!?】

match week1 TOT1-0MCI

Referee: Anthony Taylor. Assistants: Gary Beswick, Adam Nunn. Fourth official: Craig Pawson. VAR: Stuart Attwell. Assistant VAR: Constantine Hatzidakis.

皆さんこんにちは。昨シーズン始めたこのブログですがシーズン途中、多忙なってしまいなかなか更新できませんでした。楽しみにしていただいてた方はあまりいないと思いますが、今シーズンもできる試合はやっていきたいと思っておりますのでどうぞよろしくお願い致します。

21-22も無事開幕し新生ヌーノ・スパーズはホームで見事シティを破りました。見応えのある攻守の入れ替えに激しい球際の攻防と観てるファンにとっては熱くなる開幕戦でしたね。ソニーの一撃は圧巻の一言でした。

そんなビッグマッチの開幕節にアポイントされたのはEUROでも評価を上げたお馴染みアンソニー・テイラー。

個人的な感想ですがほぼパーフェクトな素晴らしいレフェリングでした。特に優れていたのは試合のインテンシティを落とさせなかった選手への注意に関するマネジメント全般。今回は試合中ロリスが呼ばれた36分のあのシーンを回想しながら好ゲームになった開幕節を振り返っていきます。

1:主審の中のキーマンもタンガンガ!?


この試合特に素晴らしかったのがタンガンガ。簡単には前を向かせずチャンスが有れば前方へ走り攻守に渡って大車輪の活躍だったと思います。新加入グリーリッシュを中心に左から組み立てる事が多かった前半のシティ。守勢に回るスパーズに対しシティが1番イラついていたのがタンガンガの存在でした。

細かいファールを繰り返し26分テイラーは軽くタンガンガへ注意を与えます。

試合のインテンシティも立ち上がりから高い中36分再びタンガンガのファールで少し試合の温度が上がります。そしてこのシーン。

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ご覧になっていた方は、なぜロリスが呼ばれた!? と驚いたかもしれません。このシーンでキャプテンのロリスにタンガンガのファールを抑えさせるよう注意が促されました。"次タンガンガがファールをすればイエロー"といったパフォーマンスをスタジアムにいる選手・スタッフ・ファンそしてテレビの前の観戦者に伝えました。恐らくあまりルールに詳しくない方も流れを見ていればタンガンガが注意されているといった分かったのではないでしょうか。

この後タンガンガはファールをすることなくカードも貰いませんでした。しかしタンガンガが注意を受けた後に守備が軽くなったかと言われると、、、

全くそんなことありませんでしたよね??むしろさらにタフなプレーを行った上でフェアであったと思います。

結果このテイラーのマネジメントは完全に成功しました。

もし36分のシーンでタンガンガにカードが出ても私はその判断を支持します。

しかしこの試合をなるべく早い時間帯にカード出さずに進めようというテイラーの信念を感じました。もしかしたらテイラー自身もこのゲームの熱さやタフさをかなり感じていたのかもしれません。

2:試合最初のファールはカードの対象?

2:25〜 この試合最初のファールが生まれます。

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ファールは間違いなくペナルティエリアの外でした。そしてテイラーも近い場所に居ました。ですがカードは無し。

個人的には競技規則第12条

反スポーツ行為に対する警告

・相手の大きなチャンスとなる攻撃を妨害

に該当すると考えます。しかしこのシーンの一連の流れを見るとシティの選手はほとんどイエローではないのか?というクエスチョンを示していませんでした(映像で見るとメンディくらい?)。選手達の判定を気にせずサッカーに集中しようというような姿勢が開始早々出ている事が分かります。

以前このブログでも取り上げた"主審の裁量"をこの試合で考えると些細なことでカードを出すことよりも選手に対しサッカーに集中してもらうコントロールを心掛けたように感じます。

そうなると36分のタンガンガへは警告ではなくキャプテンを呼んでまでパブリックに注意をした理由も頷けますね。

3:唯一のミスと難しい判断

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この試合唯一のミスは39:35のソニーのシュートがゴールキックとなったシーン。これは解説がいらないですね。本来はコーナーキックとなるべき判定でした。

続いて難しい判断となったのが40:14〜

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マフレズのシュートがスキップに当たりオフサイドポジションにいたフェラントーレスが触ろうとしたこのシーン。

ポイントは"触ろうとした"ところにあります。

サッカー競技規則第11条オフサイドより(一部抜粋)

・ 味方競技者がパスした、もしくは触れたボールをプレーする、または触れることに よってプレーを妨害する。

・明らかに相手競技者の視線をさえぎることによって、相手競技者がボールをプレー する。または、プレーする可能性を妨げる。
・ ボールに向かうことで相手競技者に挑む。
 ・自分の近くにあるボールを明らかにプレーしようと試みており、この行動が相手競技者に影響を与える。

フェラントーレスはボールを触れておらずすぐにコーナーにしようという行動に出ています。上記の競技規則の中では"相手競技者(ダイアー)の動きに影響を与えた"

が1番近いと思いますがフェラントーレスが明らかにプレーをしようとしてる風には見えませんでした。

間違いではないですがもう少しフェラントーレスの動きを見てオフサイドorノットオフサイド(コーナー)の判定をしても良かったのかと思います。


4:さいごに

この記事を作っていながら考えていたことは

・カードが少ない審判は良くてカードが多い審判は良くない審判なのか?

と改めて考えました。

決してカードで試合をコントロールすることは悪くありません。しかしカードが増える試合、カードが少ない試合にも理由があります。例えば選手に協力を求めることで抑止力に繋がると感じればこの試合のようにキャプテンに話をすることもおります。その結果選手の協力もあり試合が締まったり、または締まらなかったり、、、。

シーズンは長いのでもしカードが多いゲームがあったらそこら辺も触れていきたいなとは思ってます。

さぁ半年以上ぶりの記事作成でしたが皆さんいかがだったでしょうか。

この他にも後半ATのアリのスライディング、さらにその後のギュンドアン負傷のシーンのドハーティのチャレンジはファウルだったのか?ダビンソンのカードは貰い損?

など触れたいことは沢山ありましたが、今回は主審のマネジメントに焦点を当ててみました。

ちなみにこの記事はあくまでも1人の現役審判員である私が個人的な視点で書いているものです。

・その見解は違うよ!

・私はこう思うよ!

そういった皆さんの意見はもちろんあると思いまし、そういった考え方は大歓迎です!

改めてですがこのブログはFAやPGMOLの見解は反映してません。目的としてはこのブログを見て頂いたスパーズファン(特に)の方が選手のプレーや戦術以外の"判定の部分"で何か一緒に考えてくれたりルールって面白いなと感じて貰えたら嬉しいのでやっております。

ぜひ今後とも温かい目で観て頂けたら幸いです。


ということで今回は開幕戦を裁ききったアンソニーテイラーの見事なマネジメントを取り上げました。

今後ですが

21-22よりリーグ独自で解釈が変わったVARのオフサイドラインとPAでの接触についてやりたいなとは思っています。

(それ以外でも気になる試合があれば取り上げます)


最高のスタートを切ったヌーノスパーズ。シーズンは長いですが今後も楽しみですね。

みんなで沢山チームをサポートしていきましょう!!

come on you spurs !!


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