長い言い訳
大雪|熊蟄穴
令和6年12月15日
2ヶ月前ごろから仕事が忙しくなり、それから街路樹が色づいて、銀杏が黄色くなってしまっても、気の休まらない日々を過ごしていた。暴飲したら暴食するのと同じように、仕事が忙しくなると生活も落ち着きをなくしてしまう。平生を装ってゆっくり本を読もうとしても、目線はページの上を滑り、気づいたら仕事のことで頭がいっぱいになっている。仕事自体は特段ストレスではないものの、仕事が日常のふとした隙間にまで入り込もうとすることに対しては、非常に強いストレスを感じる。
毎年のように、今年ももうすぐ終わる。年末が近づいてきたので2024年の振り返りを始めた。今年は能登の大震災で幕を開け、なんとなく鬱々としながらも、会社で毎月酒の会を主催するたびに、少額ながら石川県酒造組合連合会へと寄付を続けた。今年の後半に差し掛かってから、仕事は日を追って忙しさを増し、日記を書く日も少なくなった。読書量も減った。新しいことを学びたいと思うほどの余裕がなかった後半だった。コヨムも何度かスキップをした。
それでも、これだけ仕事した!と思えるのは久々で、これはこれで悪い気もしていない。フリーランスになってからは、仕事にどっぷり浸かることがほとんどなかった。今年は時間を使った分、学びも多かったし、やれることが広がった気もしている。ただ、来年も同じように仕事をしたいわけではない。学生時代のきつかった野球部の練習と同じで、「これはこれでよかった。でも、またやりたいとは思わない」
今年はコヨムが復活してから、ちゃんと一周する初めての年だった。いくつかの候を書けなかったのは悔やまれる。まだ2024年は半月残っている。冬至がやってくるまでに、振り返りを終わらせなければ、僕は2024年に取り残されてしまう。
-T.N.
熊蟄穴
クマアナニコモル
大雪・次候
コヨミをちゃんと学ぼうと思って、『和華』第43号「特集:暦と暮らす。」を買ったことを忘れていた。これによると、古代の中国では「仲冬虎始交(仲冬で虎が繁殖期に入る)」が大雪のシンボルだったとか。来年はちゃんと本を読む。心を取り戻す。
参考文献
なし
カバー写真:
2024年12月8日 高知旅行、仁淀川にかかる名越屋沈下橋。手すりのない橋から見下ろす透き通った川の水に吸い込まれそうになった
コヨムは、暦で読むニュースレターです。
七十二候に合わせて、時候のレターを配信します。
長い言い訳
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