見出し画像

社会人の見本がない若者【キャリコンへの道#16】

昨日のこの記事の続きである。

この中で、子どもには社会との接点、仕事の姿、キャリアというものとの接点が、
親と教師しかないと書いた。

しかし、今の子どもたちには「親」も存在しないのではないか?

共働きの親が増えた結果、そして、学歴社会になった結果、
夜の10時まで塾に通う小学生が増えていると聞く。
小学校が終わったら、すぐに塾に向かって、塾でご飯を食べて、勉強をして、家に帰る。お風呂に入って、寝るまでの時間はほんの少しだ。
そうなった時、親と子どもの会話の時間はあるのだろうか?

親は疲れた様子で家に帰ってくる。
会社の文句を言いながら、自分に「早くご飯食べて」「早く風呂入って寝なさい」という。
そんな中で、親がどんな仕事をしているのか知らないまま、会話もなく、自分の部屋でTikTokを眺めて1日を終える。そういう子どもが増えていると聞く。

わたしが小学生だった頃は、TikTokは存在しなかったけれど、
YouTubeとニコ動が存在していて、そこにしか居場所がないように感じていた。
だけど、親には「そんなの見てないで」と叱られる。
居場所すらも否定される。だからこそ、より隠れてそこに棲みついてしまう。
自分の一部でもあるニコ動を否定されることで、否定的自己概念になっていく。

繋がりというものが現実にはなくて、Twitterにいるフォロワーと話すことで生きる場所を見つけていた。

でも、そこには「仕事行きたくない」「働きたくない」ばかりが溢れていて、社会人になると苦しいことばかりなんだなと思いながら、大人になりたいけれど、社会人になりたくないような気持ちになる。

生活体験や社会体験というものの喪失が、今の社会の現状であるという。
高学歴社会化によって、有名な大学に行くことが目的となってしまい、その先でどんな仕事に就くのか、そこでどのようなことを学べるのかということは二の次である。社会に出るまでのモラトリアムを獲得するために大学に進学する。
社会人になる選択を先送りする。

高学歴大学に勤めるキャリアコンサルタントすぐに辞めてしまうそうだ。
それはあまりにも自己理解ができておらず、どうすることもできない学生が多いからだろうか。
講座の中では、その上でその大学の近くでは精神科が行列になっていると聞く。

これは、勉強、テストに全部を注ぎすぎて、
自分の心、感情、思いというものに触れてこなかったからなのだろうか。
自分が何を大切にして生きていきたいか、というものをわからなくなるほど、学歴を追い求めた結果、「生きる力」がなくなってしまっている。

親が機能しなくなってしまった。
だから、学校に社会人として自立した人に育てる授業が期待されるようになった。

その結果、大学が就職のための学校になってしまっているのだろう。

わたしは、その現状に対して否定的な思いだった。
大学はあくまで学問を専門にするための場所だと思うからだ。
学問を追求して、仕事にならなくても興味を満たして、その結果技術や経験を得る。そういう場所であって欲しいと思う。

だけど、それと同時に大学を卒業してから、
もっといっぱいキャリアについて教えてくれたらよかったのに!と思うようになった。
他学科は、企業とコラボをしたり、国との企画や連携をしていた。フェスに参加したり、デザインイベントがあったり、展示会があったり。
いろんな経験、それこそインターン的な啓発的経験がたくさん行われていた。

それに対して、文芸学科は他学科とのコラボすら無くなっていた。
コロナ禍だったこともあり、丸2年間リモートで、下の学年からは新しいプログラムになって実践的なものが増えたのに対して、わたしたちの学年は全てにおいて見捨てられた感覚があった。
GPAも取ってから蹴ることにした授業も含められての計算になって、下手に興味だけで取ってしまうと点数が下がるようになってしまった。
GPAはゼミ選択などに影響があると言われていたから、下手に下げることはできなかった。だから、他の気になる授業も取るハードルが上がってしまう。

コロナさえなければ!

これは他責思考だろうか。多分他責思考だと言われる。
救われないこの感情は、全て自分の責任なんだろうか。

いいなぁ、、って思ってしまう。

そもそもの選択が間違いだったのだろうか。
わたし自身がキャリアに対する意識が低く、基礎的・汎用的能力が低く、ダメな人間だったのだろうか。

ぐるぐると考えてしまう。
わたしは動けないでいるけれど、このダメさもきっと糧になるはずだろう。

だからこそ、キャリア教育にとても興味がある。

一般職業適性検査や職業レディネステスト、職業興味検査など、いろんな自分のことを理解するための検査がある。
それらを使うにはお金がかかるけれど、そのほかにもたくさんのシートが存在している。

仕事に対する価値観発掘シートやライフキャリアアセスメント、5つの人生シートなどたくさんの自己理解ツールがある。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jade/10/2/10_204/_pdf/-char/ja

多くの場合、つきたい職業、つけると思っている職業は親の影響が大きい。
しかし、今はほとんどの職業につけるとされている。
そういうふうに国は変えていっているそうだ。

それでも影響が多いからこそ、他の選択肢を自分の中に持つことができないでいる子どもに視野を広げるきっかけを与えるキャリア教育が必要なのだ。

わたしももっと早く出会いたかった。
だからこそ、多くの人に届いて欲しいと思う。

いいなと思ったら応援しよう!