震災復興とコワーキング、そして復興JELLYへ向けて
東日本大震災から1週間後の2011年3月18日、私が見た故郷山田の姿は津波に流されたというよりも津波に焼きつくされたといったような風景でした。その時におそらくは支援したい人が全国から来るだろう、ただ震災以前の実情も理解してくる人は少ないだろうし、様々な団体によって支援されると知り合いも困惑するのではないかという予想は付きました。その気持ちを抑えつつ、地域として自活できるようにより良い方向にもっていくにはどうすればいいかというときに出会ったのが、コワーキングでした。
コワーキング(coworking)とは、異なる職業、仕事を持った人が仕事場を共有する働き方です。自然体のコミュニケーションが交わされ、情報や知識や思いをシェアすることで、思いがけない出来事や成果が生まれることもあります。実際に斬新なスマホアプリや書籍の作成、新感覚のネットビジネス、社会的プロジェクトなどがコワーキングから誕生しています。
そんなコワーキングを体験してもらうパーティーでありコワーキングの原点になるのが、Jelly(コワーキング体験パーティー)です。
コワーキングの誕生はアメリカのフリープログラマーのホームパーティーからと言われています。それぞれの受け持っているプログラミングをしながら、わからないことがあったら聞き合ったり、途中でくつろいだり、自由なかたちでホームパーティーをしながら仕事をしてたら思わぬ業績を得たところから、偶然の産物でコワーキングが生まれました。
そのためJellyでは、手ぶらで参加してもいいのですが、自分の特技や趣味、仕事をやるために必要な道具(例えばPCはもちろんゲーム機なんかもDJブース一式なんかもミシンなんかもOK)はもちろん、名刺または自己紹介できる何か・プレゼン資料も準備できれば、なお盛り上がります!こうして色々な人が集まりながら、楽しくパーティーをしながら働くコワーキングが作られていきました。
そこに地域の復興を含めた場合、震災で仕事を失った・仕事が長く続かないといった方に、その人の得意分野からコワーキングを通じて長く続けられるような仕事を見つけることと、復興支援活動をしている各種団体・ボランティアとの交流を通じて似たような活動への相互協力体制を築くこと、そしてひまわりハウスをはじめ沿岸地域に点在するコワーキングスペースの利用者を増やすことを目的に、公民館や仮設団地の集会所、コワーキングスペースを中心に今後沿岸各地で開催していこうと考えております。
各地域での初回はスタートアップということで、流石に前者のアプローチでの開催から始めるのはゆくゆくこのプロジェクトの失敗につながると思い、まずは復興支援活動をしている各種団体・ボランティアとの交流を通じて似たような活動への相互協力体制を作っていくべく、相互交流会という形で開催します。そして地域住民との交流を軸に、お料理JELLYや地域づくりJELLYなど様々な形態での復興JELLYを開催していきます。