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私の英語ロールモデル

(写真は次男が小さい頃作ったドーナツです笑)

非英語圏出身者として英語でコミュニケーションする上で、見習いたいなと思う人がこれまでの人生で2、3人いました。
みなさん、非ネイティブです。

一人目は、交換留学中に出会った、イタリア人のM。
交換留学中は、6、7人ほどの友達グループで遊んでいました。
私とMのほかは、イギリス人、オーストラリア人、南アフリカ人、カナダ人など、英語圏出身者多数。(あ、カナダ人はフレンチカナディアンでした)
しかし、グループの中で、いつも会話の中心で、誰よりもたくさん話していたのはMでした。
Mは私のように、いやもしかしたら私以上に自国アクセントの強い英語を話していましたが、全く臆さない上に、Mの話はおもしろく、皆を笑いの渦に導くのが得意でした。そんなMに刺激を受け、見習いたいと思い、彼女のトークを観察すると、文法はいたってシンプル。でも、比喩の使い方がユニークでした。

例えば、「お腹がいっぱいではち切れそう」を英語で表現しようと思うと、まず

I am so full / stuffed
I am full to the brim

などが思いつくかもしれませんが、Mは

I feel like I have become an apple

とお腹だけじゃなくて体全体が膨張したように感じることをジェスチャーを加えて例えて表現して、皆の笑いを誘っていました。
これなら私にもできるかも、と思い、少しずつ、比喩を使ったコミカルな表現を会話に取り入れるようになりました。
夫と付き合いたての頃、夫が私の言い表し方がユニークですごく好き、と言ったことがありました。Mのおかげだなと思ったのを覚えています。

もう一人は、一昨年参加した機械学習 tensorflow.js の無料ワークショップの主催者、Pさん。南米スペイン語国出身の方です。Pさんは機械学習の研究所で活躍する敏腕エンジニア女性。
Pさんも独特のアクセントがありました。そしてワークショップの途中で突然
「今、私の言ったことわかった?私、時々発音がおかしくなるから、わからなかったら言ってね」
と言いました。その時の、淡々としたunapologetic な姿勢に心動かされました。彼女は、情熱があって、経験とスキルがある。それを英語で、しかもボランティアとして無料で皆と共有している。アクセントは個性の一つだし、スキルを学びたくてきている人には、大した問題じゃない。でも念の為に、問題があったら教えてね、と伝えておく。かっこいいなあ…と心底思いました。

そして、日本出身の彩子さん。
彩子さんは、1970年代に渡英された在英歴がとっても長い大先輩。私の母とほぼ同世代の方でした。カナダ出身の知人Eさんの紹介で知り合いました。ロンドン生活を経てスコットランドに引っ越したこと、そして、イギリスに帰化したことも共通点。
初対面の際、彩子さん、Eさん、私の3人で会い、Eさんが日本語を話さないため英語で会話しました。彩子さんのトークは、ユーモアたっぷりでオチがお茶目。Eさんもかなり面白い人なので、3人で笑ってばかりでした。当時、スコットランドに引っ越して間もなかった私は、彩子さんの英語おもしろトークを聞きながら
「やっぱりユーモアのセンスはスコットランド在住者にとっていちばんのサバイバルスキルだな…」
と思ったのを覚えています。イギリス国籍を取得するにあたり、彩子さんにも相談に乗ってもらったりしました。おもしろくてお茶目で、こんなシニアになりたい、と思わずにはいられないような、理想の方でした。
そんな彩子さんですが、非常に遺憾なことに、年末にお亡くなりになりました。春の日差しのような上品な笑顔が目に焼き付いています。

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