見出し画像

【中小企業の採用マニュアル】⑩インターンシップの設計(後半)

「採用って、どこから手をつければいいか分からない…」に応える「中小企業の採用マニュアルnote」へようこそ!

 今回はいよいよシリーズ第10回「インターンシップの設計(後半)」です。前回に続いてインターンシップの設計についてお届けします。


 「インターンシップはこうやって設計する」というものなんですが、具体的なインターンシップのメニューの作り方としては、学生が知りたがっていること、あるいは経験したがっていることを満たしてあげるというのが、基本的なスタンスです。

1.学生がインターンシップに求めていること3選

 過去にいろんな企業が学生に聞いたインターンシップに求めることのアンケートというものを集計し、その中で「結局何なのか」というポイントを3つに絞り込みました。

①先輩社員の話を聞きたい
自分の未来を体現している先輩の姿を知りたい。これは学生が明確に求めています。

②職業体験をしたい
 その会社の業務を実際に体験してみたい。

③会社の雰囲気を知りたい
 仕事内容とか会社の業種業界とか人数とかスペック情報だけではなく、会社の雰囲気という実際に行かないと分からない、または人と話さないと分からないようなものです。

 上記3つが学生がインターンシップに求めていることの集約だと、私たちはアンケート調査の結果を出しました。

 これらの願望を叶えるように設計してあげれば、ある程度インターンシップはうまくいくのではないかなというふうに考えています。

 リモートでもリアルでも、どちらのインターンシップでも同じで、基本的にはこの3つが普遍的な願望、インターンシップに求められることではないでしょうか。

2.3つの願望を叶えるインターンシップメニュー

 3つの願望叶えるためには、先輩社員の話を誰の話から聞かせてあげるといいだろうか、あのA先輩かな、B先輩かな、誰の話を聞かせてあげるとうちの会社の魅力が伝わるかなというのが1つ。

 次に、職業体験をさせてあげるためには、自社の中にあるどの仕事をどのように経験させてあげるといいだろうかということを考えます。会社には、営業もあれば製造もある、総務もあれば採用や人事などもあります。

 やはりメインで採用している職種がいいと思いますが、それらの職種の仕事内容をどのように学生たちに経験させてあげるといいかを考えるのが2つめです。

 3つめは、会社の雰囲気を知りたいという学生さんの願望に対して、どのシーンを見せてあげると学生たちに会社の雰囲気を感じてもらえるだろうか。

 例えば、お昼休憩の時間がいいだろうか、月初の会議、毎週頭の会議なんていうのがいいでしょうか。

 あるいは、何かその企画書を練り上げるような企画会議みたいなところがいいでしょうか、お客様に訪問しているところがいいでしょうか。

 会社の雰囲気を伝えるためにはどのシーンを見せてあげると、私たちの会社の雰囲気が学生さんたちにうまく伝わるでしょうか。

 こういった3つの願望をベースにしながら、どのようなインターンシップにすればいいかと考えるのが設計方法です。

3.インターンシップでできる工夫5選

前回、例えばこんなことができますよというのを5つほどお伝えしました。

① 映像で職場や工場の中を見学する
② クイズやディスカッションで業界理解してもらう
③ 社員との対話で会社の雰囲気を感じてもらう
④ ロールプレイングやリモート面談の同席
➄ 社長や経営者との対話で企業の熱量を伝える

4.学生と繋がり続ける

 中でも、インターンシップを実施した後、どうやってその学生たちと繋がって、その後エントリー、入社というところまで考えてもらうことができるのかというのは、これも多くの企業の共通している課題ではないかと思います。インターンシップから直結して採用を受けてくれるというパターンも世の中では多々あります。

 一方、最近では「インターンシップの早期化」というキーワードがあり、大学1年生や2年生からインターンに参加するという学生さんも非常に増えてきています。

 就活生だけインターンに参加できますという企業がある一方で、「1年生のうちからうちウェルカムですよ」という企業もいて、どちらかというと後者の企業の方が結局学生たちから人気を集めているというのが、私たちが見てきた多くの企業の傾向です。

 ですので、1年生や2年生のうちからインターンに参加した学生さんたちと、その後どうやって繋がり続け、後に就職活動の時に自社のことを採用のエントリー候補として考えてもらえるよう繋がり続けるということを考えていくのが、採用担当者の一つの仕事と言えるでしょう。

5.学生の温度感を上げる工夫

 重要なのは、学生の関心の温度感を引き上げる工夫をすることです。インターンシップに参加した時の温度感というのはどうしても徐々に下がり、繋がりがどんどん希薄になっていくというのは、人の性です。これを引き上げるのが、採用担当者が学生と繋がり続けるためのポイントです。

 例えば、食事会やイベントにご招待して学生さんたちとの近況報告会を行っている企業もあります。あるいは、SNSを通じて学生さんとのコミュニティを作り、そこで繋がりを温めているような企業もあります。あるいは、「おかわりインターン」と言って、1年生の時に参加した学生が2年生や3年生になった時、「今回はちょっと違うメニューのインターンを用意したのでいかがですか?」と声を掛ける企業もあります。

6.インターンシップはあくまで入口

 学生と繋がり続けるためのさまざまな手段がありますので、ぜひ思考錯誤してみていただければと思います。

 ポイントは、インターンシップというのはあくまでも企業にとっては採用の入口に過ぎないということです。

インターン時点では、学生たちはまだ本社に惚れ切っていない。あなたの会社だけを志望するというようなナンバーワン企業にはなっていないというふうに捉えておく方がいいと思います。

 あくまで入口に過ぎませんので、その後の選考過程や説明会、1次、2次、3次などの選考過程を通じて、どうやって学生を魅了し、どうやって相思相愛になっていくのかということが重要です。

 過去の「中小企業の採用マニュアル」では、「3つの魅了」というコンテンツをお届けしていますので、よかったらそちらも合わせてご覧ください。

 インターンシップは、3つの願望に寄り添った設計でいきましょう。そして、いろんな知恵を出し合いながら、他社の事例も参考にしながら、インターンシップメニューをどんどん改善改良していきましょう!

What's next?

次回は、「採用全体のPDCAを回そう」というテーマでお届けします。どうぞお楽しみに!


■中小企業でも成果を出せる採用を! 「採用ランチェスター戦略セミナー」


■YouTube「中小企業の採用マニュアル」はコチラ!


「中小企業の採用マニュアル」を最後までご覧いただきありがとうございます!株式会社カウテレビジョン髙橋の助手・牛島が執筆しています。
 皆さんからのコメントやスキが大好物。いただけるとそれはmow飛び上がって喜びます🐄

いいなと思ったら応援しよう!