コロナ後遺症における胃腸症状についての一考察~胃腸管への持続感染or他部位の炎症によるリーキーガッド~
腸のアレルギーの原因であるリーキーガッドのさらに奥の原因を探る必要性
今回の記事では、コロナ後遺症における胃腸症状の根本原因が、他部位の炎症によるものなのか、持続感染によるものなのかについて、腸内細菌叢を主題化した論文を媒介にして考えてみたいと思います。
私は、コロナ後遺症になってから、人生ではじめてグルテンやカゼインのアレルギーになりました。
SNS等でも、コロナ後遺症で飲食に関するアレルギーが発生したという話をよく耳にします。
一般的に、グルテンやカゼインに対するアレルギーは、「リーキガッド」と呼ばれる腸の問題が原因であると指摘されていることが多いです。
実際私も、グルテンとカゼインの摂取をやめたことで、明確に炎症がおさまった感覚がありました。
しかし、コロナ後遺症の場合は、コロナ後遺症による胃腸以外の器官が原因になって「リーキーガッド」が引き起こされている可能性もあります。
事実コロナ後遺症関連論文において、腸の問題は、脳関門の障害や精神疾患、自己免疫疾患との関係においても論点化されています。
また最近私は、コロナ後遺症の原因の1つと言われているミクログリアをグルテンが活性化することを指摘した論文も発見しました(後日記事にします)。
その上、鼻咽頭よりも糞便のほうがウイルスレベルが高かったという報告もあることから(1)、腸の問題は、コロナ後遺症の謎を解く1つの重要なキーになっていると言えるでしょう。
この胃腸の問題はあまりに大きいため、幅広く論点整理を行い、かつ直接的な治療法にも言及した記事は、また後日執筆しようと思います。
今回の記事では、そのほんのとっかかりとして、胃腸症状の原因を解きほぐす作業を行ってみたいと思います。
この記事でわかること
免疫器官としての胃腸管の位置づけ
「腸-肺軸」と呼ばれる腸と肺の関係
リーキーガッド以外の胃腸症状の根本原因を(とりいそぎ)2つに分類して、冷静な治療選択を行うための知識を手に入れる
リーキーガッド、脳関門、精神疾患、自己免疫。
様々な疾患が絡み合うコロナ後遺症に対して、今回の記事では腸の観点から接近してみようと思います。
それでは、さっそく論文をみていきましょう。
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