見出し画像

動かないカセットウォークマンと格闘する

カセットを聞きたいと思って、カセットウォークマンを買った。レコードは外で歩きながら聞けないけど、カセットなら外で聞ける。

※僕らの世代以前は、ポータブル音楽プレーヤーをみんなウォークマンと呼ぶ。ウォークマンはSONYの商標だけど、どこのメーカーの物もみんなウォークマンと呼んでいた。iPodが登場するまでは。

古いカセットウォークマンをいくつか買ったうち、いくつかは動かなかった。せっかく買ったものをどうにか動かせないかと思って、YouTubeで調べてみた。

おじさんが直している。この動画を参考に、自分も直してみようと思った。


分解する

PanasonicのShockwaveです
線を切らないように

外側にあるネジを探して外し、筐体を開いて分解する。ネジは小さく、すぐになくしそうになる。結局一個なくしてしまった。物がたくさんある部屋の床に落ち、探し回ったが今もまだ出てこない。

筐体を外すとき、どうやって外したらいいかわからない。説明書なんてないから、手探りで開きそうな部分を探す。プラスチックの突起で固定されていたりする部分は、変に力をかけると割れそうになる。一か所プラスチックの折れたパーツが出てきてしまった。

ベルトを交換する

動画のおじさんが言うには、カセットプレーヤーの故障はテープを回すためのゴムのベルトが加水分解して溶けて、ローラーが空回りしていることが多いそうだ。それだけが原因なら、ベルトを交換すれば直る。

僕が買ったパナソニックのショックウェーブも、開けてみるとベルトが溶けてへばりついていた。これでは動くわけがない。とりあえず溶けたベルトを取り除く。まだベタベタ付いたゴムが残っている。このままベルトを交換してもうまく回らないだろう。加水分解したゴムを除去するには、無水エタノールを使うといいらしい。とりあえず手元にある消毒用アルコールを綿棒に染み込ませ、溶けたゴムを拭き取った。

カセットウォークマンで使えるベルトは今も製造されており、Amazonや楽天で「カセット ベルト」で検索すれば出てくる。いろんなサイズのベルトの束が300円〜500円程度で売っていて、カセットウォークマンで使えるのは太さ0.7mmぐらいのやつだった。

楽天で注文したベルトが届くと、動画を参考にサイズの合う物を選び、モーターやローラーにはめていく。どのウォークマンもだいたい同じような形ではまっており、動画のとおりやればうまくいった。僕が買ったウォークマンは隙間を通してやったためかなりやりずらかった。

普通ははんだを取ってやる

ベルトをうまく装着して、電池をはめて再生ボタンを押す。ちゃんとベルトや歯車が回っている!

再生速度を調整する

ベルトを交換して動いたから、カセットを入れて音を聞いてみた。音が速い…早送りのようだ。ネットで検索したら、基板についている半固定抵抗をマイナスドライバーで調整することにより、音の速さを変えられるらしい。

斜めのくぼみにマイナスドライバーをあてがう

これがめちゃくちゃ難しい。なぜなら正解がわからないから。他のカセットプレーヤーにカセットを入れ替え、自然な音を聞いてもう一度カセットを入れ、聴き比べながら音の高さだったり速さを調整する。ある程度は勘です。

ちゃんとやる人は周波数を測って調整するそうです。

はんだ付けがいる場合がある

物によってはどうしてもはんだ付けを外して開き、もう一度閉じるという作業が必要になる場合がある。ベルトを交換するときに、あまりに隙間を通す作業だったから一回外してしまおうか迷った。とりあえずホームセンターで800円ぐらいのはんだごてセットと、100均で耐熱マットを買ってきた。

はんだごては結局まだ使っていない。はんだ付けなんて中学の技術の時間以降やっていないため、急にやれる気がしない。

元通りにはめる

ベルトが問題なく動き、音の調整も終わっていざ元通りに直そうとすると、意外と手こずる。ただはめるだけなのに、向きがわからない、順番がわからない、レバーが下がっているとうまくはまらない。どのネジだったかわからない。最後になぜかネジが一個余ってしまった。

このへんはきっと、慣れるとなんてことないんだろう。でも初めてやるときは、説明書のないプラモデルを作っている気分だ。正直かなり手こずった。

聞けるようになった!

何度も開けたり締めたりネジを外したり速さを調整したりを繰り返して、ようやくまともに聞けるようになった。落としたネジは一個出てこないままだけど、とりあえず今のところ問題なく使えている。

もう一個壊れているウォークマンもベルトを交換してみたが、音が波打っていた。これはどうやって直すのだろう。とりあえずベルトが干渉していたので、もっと細いベルトを今注文しています。

アイワのウォークマンも、構造はだいたい同じ

他に出来ること

カセットウォークマンが聞けるようになったところで、今検討中なのは有線のイヤフォンではなくワイヤレスイヤホンを使えるようにすること。イヤフォンジャックに挿すタイプのBluetoothトランスミッターを使えば、ワイヤレスイヤホンで音が聞ける。Bluetoothトランスミッターは安いのだと1,000円ぐらいからある。僕は2,500円ぐらいのを検討している。

今持っているAirPodsProはiPhoneやMacで使うとして、余っているワイヤレスイヤホンを使うか、カセットウォークマン用にワイヤレスヘッドフォンを買ってもいいかもしれない。

カセットどうでしょう

カセット市場は今も現役で存在する。カセット専門店の中目黒ワルツとかは有名だけど、レコード屋でも店によっては新譜のカセットを置いていたりする。Bandcampとかでも買える。だいたいレコードよりちょっと安い。ヤフオクとかメルカリでも中古のカセットが買える。古いミックステープとかも出品されている。

カセットウォークマンは、わざわざ壊れているものを直さなくたって新製品がある。少し前にニュースになったのが、3coinsから出たカセットウォークマン。今オンラインストアを見たら売り切れだった。

最近のカセットウォークマンはBluetoothに対応している物も多く、トランスミッターがなくても通常通りワイヤレスイヤホンが使える。

もちろん古いウォークマンを買って直したり、整備済み品を買うのもよし。昔使っていた懐かしい物や、当時買えなかった欲しかったものに今手を出すのもいい。うちでもいくつか取り扱ってます。聴き比べも可。

状態、音質、価格もまちまちです

いいなと思ったら応援しよう!

kzys.khn
サポートいただけると店舗がその分だけ充実します。明日への投資!