
ポータブルカセットプレーヤー、修理の記録
去年の6月頃に骨董品のポータブルカセットプレーヤーを買って、古い物だけど動くかなと思ったら動いた。カセットを入れて、どこかにしまい込まれていた有線イヤフォンをイヤフォンジャックに挿し、乾電池を入れて再生ボタンを押す。イヤフォンから流れてきたのは、小学生以来に聞くカセットの懐かしいぼんやりした音だった。
それ以降、いくつかカセットウォークマンを買って動かしてみた。最初の一個は動いたけど、それ以降に買ったものはほとんど動かなかった。いずれも30年ぐらい前の物で、動かなくても不思議ではない。ただ中にはゴムベルトを交換するだけで復活するものがいくつかあった。
中国製ノーブランド品
中国製ノーブランド品はかなり簡易的な作りで、音は良くないけどだいたい簡単に直ることが多い。プラスチックの外装はネジの場所もわかりやすく、簡単に開けられた。ゴムベルトの加水分解が進んでいた物は、交換するだけで動いた。ゴムベルトはAliExpressで買える幅1mmの物で問題なかった。
ゴムベルトを交換して、軸やローラーが動いてもカセットが再生されないことがある。カセットを入れる部分の奥にある、カセットを押し上げる金具を広げて緩めると動くことがあった。
SONY TCS-100
再生専用のプレーヤーではなく、録音ができるコーダーと呼ばれるもの。ゴムベルトを交換することで動くには動いたが、幅1mmの太いベルトだとどこかに当たっているようで、音がきれいに再生されなかった。AliExpressには幅1mm程度のものしかなく、細いゴムベルトが売っていない。国内で販売されているTECHSPACEというお店の幅0.5mm、もしくは0.6mmゴムベルトを買って交換することで、音が波打つことなくきれいに再生された。
SONY TCM-48
同じくコーダー。ゴムベルト2本タイプ。交換に苦労するも、結局うまく動作せず。原因不明でいじっていたら何かの部品が取れ、全く動かなくなってリタイア。
SONY SPORTS WM-75
防水のスポーツタイプ。めちゃくちゃ苦労したのに全然直せなかった。とにかく導線が取れまくるため、はんだ付け必須。ゴムベルトを交換し、YouTube動画を見ながらアイドラーのゴムを交換し、軸とローラーまで動くようになった。カセットを入れて再生を押すと、再生リバースを繰り返す。これが何をどうしても直らなかった。お手上げ。外装を戻すときは、各種スイッチの向きや電池ケースの蓋に注意。
aiwa HS-JS380
こちらは録音・再生・ラジオ付き。ゴムベルトを交換した。こちらも1mmのベルトでは音が揺れるため、0.5mmから0.6mmのゴムベルトを使用。ネジを外してプラスチックの外装を開けるとき、プラスチックのパーツが割れそうになる。また、戻すときにもいろんなプラスチックの部品が干渉する。スイッチの位置に気をつけて外装をはめないと、何度もやり直しになる。
Panasonic SHOCK WAVE RQ-SW20
再生・ラジオプレーヤー。低音強調モードがある。電池ケースの金具が錆びてボロボロになっていた。クリップを曲げて代用品を作り、はんだで繋いだ。
ゴムベルトの交換。幅1mmのもので代用できる。交換する際に基板と繋がっている導線が邪魔で、はんだ付けができる人は一度はんだを取ってしまったほうが交換しやすい。はんだ付けに抵抗がある人は、ゴムベルトを隙間から通してなんとか交換できないこともない。
ゴムベルトを交換して、駆動部分は動くようになったが、音が出なかった。イヤフォンジャックのケーブルは断線しておらず、ラジオの周波数を変えるボタンの電子音は鳴る。ただ音楽が聞こえない。どこをどうしていいのかわからずギブアップ。
また同じ型の別の個体で、音は鳴るがスピードが遅いものがあった。基板のSPEED ADJと書いてある抵抗を回すことで調整できた。
こちらもプラスチックの外装をつけたり外したりするときに割れそうになる。電池ケースの蓋の軸が割れ、瞬間接着剤で固定した。外装をはめるときは、蓋を固定するツマミの向きに注意。
Panasonic SHOCK WAVE RQ-SW70
ショックウェーブシリーズ。ゴムベルト2本タイプ。こちらは外装の樹脂の白化が激しく、クレのポリメイトや車用の未塗装樹脂復活剤を試してみたが、あまり効果がなかった。もしかするともっと高いやつを使えば色艶が復活するかもしれない。
その他、知ったこと
電池の残量が少ないと、モーターの動作が不安定になることがある。満タンの電池ではうまく動くこともあるため、動作確認は満タンの電池で行ったほうがいい。
カセットウォークマンの王様的なSONYの初代ウォークマン、TPS-L2 にはまだ手が出ていない。故障しているものでだいたい2万円以上の値がついており、稼働品は4万を越えるにもかかわらず次から次へと取引されている。初期ロット3万台は特に高騰しているようだ。
いいなと思ったら応援しよう!
