ダイヤモンドの黄金比
皆さんは、たった一つだけダイヤモンドを選ぶとしたら、どんな点にこだわりますか? カラー?クラリティ?それともカラットでしょうか? 今回は、私なりの基準であるカットについてご紹介したいと思います。
ダイヤモンドの原石には様々な形がある
下の2点は何の画像かお分かりになりますか?
実はどちらもダイヤモンドの原石の画像です。 上は理想的な8面体の原石、下は上に比べると一目瞭然ですが、8面体には程遠い低品質の原石です。 通常、特に上のように形の整った原石からは2個にカットして研磨します。
カットの黄金比とは?
研磨の際の目安となるカットのプロポーションは、一般的に上のような数値の幅があるのですが、私がダイヤモンドを選ぶ際は、下のようにより厳しい【黄金比】に該当するものだけを選ぶようにしています。
その基準を著しく外れてしまうと、下図の左と真ん中の石のように光があらぬ方向に漏れてしまいます。
こうして、黄金比の石もそうでない石も、下記の6段階のカットグレードのいずれかに振り分けられます。
全てのプロポーションが黄金比でないのはなぜ?
ご覧の通り、全てのダイヤモンドが黄金比ではありません。 実は、このグレードの違いは、研磨業者の腕の違いではなく、意図的なものと言えます。 では、なぜそのようなプロポーションの悪い研磨をする業者がいるのでしょうか? それは、歩留まりを高めたいからです。 黄金比のダイヤばかりを研磨しようとすればかなり歩留まりが悪くなってしまい、結果、高額になってしまいます。 そのため、こだわりがなく、ただダイヤモンドにエクセレントと言う冠だけを付けたい業者と、ひたすらこだわって黄金比率のダイヤだけを磨く両者のコストの差は、途轍もなく大きくなります。
現状では、0.3ct以上のダイヤモンドに関しては、後者のような業者は残念ながらほぼいないといって良いでしょう。 ですから、いざ黄金比のダイヤモンドを探すとなると非常に苦労をするのです。それでも、そのようなダイヤモンドを使うと、値段に見合うだけの価値のある、他とは明らかに違う綺麗なジュエリーが出来上がります。
自分が作るジュエリーには、そんなこだわりのダイヤモンドを使用していきたいと思っています。