愛 was born.
この世に僕が生まれたとき、僕は心の底から嬉しくて、泣いていたんだ。
だって、そうだろう。
お腹の中でたくさんの愛を感じた。
そしてその愛は僕がお腹の中にいる前から始まっていたんだ。
世界でいろいろな愛がいろいろな愛を生んで、その一つ一つの愛が、合わさって、分かれて、またくっついて、重なり合って、それが形になったのが僕だ。
愛の塊だ。
この充電しきった愛を、これからは僕は放出していくんだ。
僕をやさしく抱きかかえてくれた助産師さんにも、
定期検診をしてくれるお医者さんにも、
「また、少し大きくなりましたね。」と言ってくれる看護師さんにも、
「何歳ですか~?かわいいわねー」とあやしてくれる近所の定食屋のおばさんにも、
右の人にも、
左の人にも、
そして、君にも。
僕は、愛を放出していくんだ。
泣いていたのはね、
愛に包まれてこの世に生まれたことを嬉しがっていたからなんだよ。
あれから僕は、たくさんの人に愛を注いだよ。
うまくいかなくてさ、
傷ついてさ、
もう嫌になることもあったけど、
それでも歩き続けた。
歩き続けた先に、君がいたんだ。
ずっと、ずっと、会いたかった。
やっと君に会えた。
みんなには申し訳ないけど、僕は残りの半分の愛を全部君に注ぎたいんだ。
だって、僕が贈る愛を、君が1番喜んでくれたから。
君からもらった愛が、この世にあるほかの何よりも嬉しかったから。
こんなに強く感じる愛はね、そう、この世に生まれたときに感じたあの愛以来なんだ。
それはつまり、君をずっと探していたということ。
探して、探して、
いろいろな愛を贈って、もらって、
合わさって、分かれて、
やっとたどり着いたんだ。
1番、愛をそそぎたいところに。
だからお願い、これからも僕のそばにいてください。
君の笑顔も、泣き顔も、怒り顔も、寝顔も、大好きなんだ。
あなたを、愛しています。
この世に僕が生まれたとき、僕は心の底から嬉しくて、泣いていたんだ。
君を愛せることが嬉しくて、泣いていたんだ。