渡米準備編 - 中小企業L1ビザ取得への道 2024年上期時点のリアル!
ちょっと時を遡り、就労者で渡米するケースでは多いであろう「L1就労ビザ」取得までの道のりと2024年のリアルを記載できる範囲でご紹介してみたいと思います。大手が持っているブランケットL1ビザと違ってハードルって高いんですね。
我が家のNY帯同までの葛藤についてご興味のある方は、下記をどうぞ。
我が家のケース:そもそもなぜ海外赴任?
まず前提ですが、我が家は夫の職業柄 ニューヨーク州にたびたび出張をしていました。もう少し記載すると、「化学系エンジニア」かつ「アメリカに本社がある研究部門」で勤務しています。
普段は日本の支社からリモート勤務していますが、あくまでも「モノ」をコネコネして開発・製造する「ものありきの世界」のため、日米を行き来していました。
「日本に施設作れば?」という話なんですが、かなり専門分野なので投資対効果が合わないのでしょうね。だったら現地のメンバーを動かして必要時に渡航させる方が経済的に都合が良かったのでしょう。ということで元々頻繁に行き来していました。
それでも日本人メンバーで海外赴任者はおらず、皆出張ベースです。
ただ、コロナ禍を経て、現地の研究所(兼ファクトリー)の管理体制もままならず。日本の大手企業で管理職経験もあり比較的若い夫に白羽の矢がたち「きみ、家族と一緒に海外来ちゃなYO!」「まずは単身でさ!」と2024年初めより急に渡米が視野に入ってきました。
前提として、夫の会社は「本社はアメリカ、賃金支払い等の都合上 日本の子会社勤務」となっています。勤務歴は5年余りです。
単身赴任時代からビザ取得までの道のり
そしてビザ取得計画が本格始動。
妻の私としては「まじか?!」でした。娘 1歳少し。中2年息子は高校受験が見えてきた。私は半年前に転職もしたばかり。フルタイムワーカーでワンオペ。帯同の可能性あり。
海外赴任あるとしても、数年後だねーとか話してたやん!!って総ツッコミ。
その後のスケジュールは下記の通り。
1月:夫の海外出張のペースが増える(ホテル滞在から会社借家に変更)
2月:ビザ取得の話がちらほら出てくる
3月:会社主導のもと、Lビザ申請準備開始 w/米国 弁護士
4月:必要情報の提供 夫 to 米国 本社 担当者&弁護士
5月:L-1B申請 却下! → 再申請
並行して、Eビザ + L-1A エントリー
6月末:L-1B 書類審査 通過 🎉
7月:DS-160 申請書類 作成→弁護士レビュー →大使館面接予約
8月中〜下旬:大使館面接予定
面接後、ビザ発給
書類審査が通っているので大丈夫(なはず)ですが、まだ気が抜けません。
そしてLビザは通過率は低いと初めて知りました。
L1ビザの通過率は実は低い?!
私は商社や外資系企業の知人も少なくない数いるので「L1ビザは申請したら通るでしょ、だって会社がスポンサーしてるんだもの」と思って「申請却下」なんて微塵も考えておらず。青天の霹靂とはまさにこのことでした。
わぁあああ、当初の予定だったら「5月に通過、6月面接、8月までに移住して中学生息子の新学期(9月)に合わせて渡米」のスケジュールだったのにぃぃと思う次第。
でも色々と調べてみると、「ビザの中で一番通過率が低い」という説もあるそうで。
シンデル外国法事務弁護士事務所 のブログによると、下記の通り記載があります。引用させていただきます。
ブログには、最新のビザ申請の状況や今後の見込みも記載があるので参考になります。
L1ブランケットと中小企業L1新規取得の壁
これが高かったですよね。。
私が知っている海外赴任歴のある知人達は、大手企業の傘下でL1ブランケットの枠を持っていたんだなと今になってわかりました。。「君、海外赴任だよ」で社内稟議が通れば、まず間違いなく赴任できる。
これがブランケットを持っていない一介の中小企業が 新規Lビザ取得となるとここまでハードルが高いのか!!!と身に染みて感じました。
いくら企業がスポンサーになっていると言っても、米国としては自国民の利益を守る必要がある。そのため、争点は「本当に日本人の君がアメリカに非永住者として長期滞在する必要があるのか」がメインです。
一度却下になった際には、上記の争点を補足できる資料や記述を加えて再申請し、ようやく回答が来ました。いずれも申請から1ヶ月弱でした。
結構ヤキモチします。。
日本の弁護士に個人で相談できる?
そう、却下されてからヤキモチしていた夫は「日本人が渡米するのであれば、日本人弁護士の方がポイントを押さえているのでは?」とも考えました。
夫の会社は本国にあり、法人契約している米国の弁護士が対応しているので観点が米国寄りでアジア人(日本人)の移住は企業にとってレアケース。
だったら日本の弁護士の方にアドバイスを求めた方が良いのでは?と思ってコンタクトとってみたそうです。。が。
まぁ、企業案件に口出しできず。どの弁護士事務所からも前向きな言葉はなしでした。そりゃそうっちゃそうですが、この時期のソワソワはすごいありましたね。家族総出でソワソワ、息子は内心ラッキー!みたいな感じ。
そして結果が知らされる
そして6月下旬。社内で尽力していただいていたアドミンスタッフの方からの唐突な連絡。
実はこの時点で「一回落ちてるし、98%ダメじゃない?来年になると政権変わるだろうしますますハードル高いし」と夫も私も在日の決意をしていました。それがまさかの通過。まじか。
通過してからは本人作業が多い
通っちゃったよ。
それも「THE アメリカン企業」なので「家族置いて長期で単身赴任なんてありえないよね!家族同伴当たり前でしょ!」がカルチャーの基盤にあるのが欧米諸国。
そう、1週間の出張でも家族同伴でホテルに住まい、仕事時間以外はバカンスのように過ごす。それが当たり前の国。
今更家族同伴しない選択肢も、ない。ない?!!
ぱ、パスポート!!
私と子供はコロナ禍でパスポートの期限が切れているため、急遽取得。
パスポートの写真の撮り方(子供編)は下記をどうぞ。
着物で撮るパスポートのコツもそのうち公開予定。着物沼の方々はフォローしてお待ちください。
そして、米国大使館面接(!)のために、DS-160という申請フォームから基本情報や職歴を入力して、面接予約をする必要があります。
またこれがWindows PC/IE縛り、とか古き日本国制度のようで癖ありなのでまた別途記事書けたらいいなと思います。
申請者本人(夫)は厳密に確認されるので、ドラフトを作成してから、弁護士チェックを入れて何度かアップデートを加えました。
「申請時と予約時の入力内容の齟齬がないか」という点と
「日本人の私ではないとダメな理由」を盛り盛りかく。
この2点が留意点だった様子。
家族分はあくまで「同伴者」なのでさらっと入力ですが、
大人(妻)の分は簡単な職歴を英語で入力したり、両親の生年月日が必要なので前もって準備しておくと良いかもしれません。
大人も子供も必要なのが、過去5年間の渡航履歴。特に米国への入出国履歴です。
過去のパスポートが手元にあり、2020年以前であれば査証スタンプが押されているので遡りやすいですが、コロナ禍後は物理的なスタンプが押されていないケースがあるのであらかじめ書き出しておくとスムーズです。
そして大使館予約だ!
DS-160は家族分申請が必要ですが、我が家の場合は夫の基本情報を引き継いで作成した方がスムーズだったので、必要情報を夫に渡して入力してもらいました。そして控えが指定したメールアドレス宛に送付されます。
大人こども関係なく、1申請につき1メール送付。添付されているPDFは大使館面接の際に持っていかなければならないので基本印刷するのが無難です。
(画面表示でもいいとは記載されていますが念のためです)
2024年7月21日時点では、8月お盆明けのあたりから大使館予約(東京)が指定可能なようでした。結構リードタイムありますね。
さてさて、ようやく進みましたが大使館面接が終わらないと承認されたと言えない!けど、NY州の北の方は寒いためベストシーズンに合わせるとなると早く転居することに越したことはないという夫の強い希望により、
ビザ発給が確定していないのに、家探し(in US/夫担当)、引越し見積・準備(in JP/妻担当)という矛盾を生じながら急ピッチで進めることになります🫠🫠🫠
私なんてまだ親にも知らせてません。会う時間あるのだろうか。
<今後のタイムライン>
7月下旬 :大使館予約 ← NOW
夫:出張 兼 居住地探し in アメリカ
私:引越し準備、家の賃貸契約、子供達のフォロー in 日本
8月中〜下旬:大使館面接
9月:ビザ発行(スムーズに行けば・・)
9月下旬〜10月:家族一斉に渡航
現実的か?と聞かれると、超ハードすぎます。
でもこのスピードでやろうと思ってプロジェクト化できちゃうのが我が家の夫婦間なんですよね。。ということを前提にダメ元スタート。本音やだ。
さて、本当にこのスピード感で進むのか。
そしてビザ申請中なのにESTAで渡米しちゃった夫はまぁ、空港にて色々とあったようです。
今後ぼちぼちと記載していきますので、「いいね!」「フォロー」で応援していただけると元気出ます・・
とりあえず1歳のワンオペ土日対応が仕事より辛いです。。
《息子編》
《帯同妻編》