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たとえ苦痛でも、内省の時間を取るべき理由 ーハーバード・ビジネス・レビュー記事よりー

こんにちは。紀藤です。
さて皆様、突然ですが、「内省」はお好きでしょうか?

何をいきなり、、、と思われそうですが、実は「内省」は、多くのメリットがあることがこれまでの研究でも知られています。
たとえば、内省により、経験を教訓にするきっかけになりますし、内省をすることで、気持ちを整理することもできます。

ストレングス・ファインダーのパフォーマンスにつながる「強み」でも『内省(intellection)』という思考・感情・行動のパターンが定義されているように、上手に使えば、ポジティブに機能する概念、それが「内省」と言えそうです。

▽▽▽

・・・しかしながら、この「内省」。誰もができるかというと、そういうわけでもないようです。

曰く、「一番大変なのは、内省しないリーダーだ」などとありました。
しかし、リーダーも愚かではないので、”内省が大事”ということは、聞いたことがある人も少なくないはず。でも、内省をしないのはなぜか?

今日はそんな内省をテーマにについて、ハーバード・ビジネス・レビュー2024年3月号の記事からの気づきを、お伝えできればと思います。

それでは、早速まいりましょう!


内省は「メリット」がある

冒頭にお伝えした通り、内省はメリットがあります。

じっくり考えることで、立ち止まる機会となる。
そして、経験したこと/観察したことを整理し、分類できる。
それが学習経験となり、成長にもつながります。

デイビット・コルブの『経験学習』は有名ですが、こちらも「経験」→「省察(内省)」→「概念化」→「実験」と内省が中心に入っています。

またハーバード・ビジネス・レビューの記事では、こんな事も書かれていました。以下、引用いたします。

・複数のコールセンターを対象に行なった調査によると、1日の終わりに15分間、その日に得た教訓を振り返る作業を続けた従業員のグループは、それをしなかったグループに比べて10日後のパフォーマンスが23%高かったという。
・通勤者を対象とした英国のある調査でも同様の結果が出ている。その調査では、通勤時間を利用してその日の事を考え、計画を立てるよう指示された通勤者のグループは、そうでないグループより幸福感と生産性が高く、疲弊感が少ないことが明らかになった。

※引用:ジェニファー・ポーター『たとえ苦痛でも、内省の時間を取るべき理由』.ハーバード・ビジネス・レビュー.2024年3月号, P96

なるほど・・・。パフォーマンスも高まるし、幸福感や生産性も高い。
これはいいコトずくめじゃないか!と思いそうですが、そうも簡単にはいかないようです。

内省は「苦痛」である?!

内省には、気持ちがすっきりする「快楽となる内省」があります。
一方、「苦痛となる内省」もあります。

そして、この「苦痛となる内省」が厄介なのです。
たとえば、私は内省を、「ランニング」をしながら行うのですが、時折「今日はあんまりうまくいかなかったな・・・」とネガティブな気持ちが湧き上がることがあります。そうなると、足取りが急に重くなるのです。

疲れたときに、自然と頭に浮かぶのは、”うまくいかなかったこと”。
そうして、自分の中でうまくいかなかった経験を思い浮かべて、凹む。
1kmあたり4分台で走ってランニングペースが、反省モードになると急に足が重くなり、トボトボ歩いてしまったりするのです。

記事にはこうありました。私達は”自分の良いところが頭に浮かぶとすぐさま否定し、悪いところを思い出して嫌な気持ちになる(HRB,2024年3月号P97)”事が多い、とのこと。なるほど、超納得です。

また「内省」そのものに対して、意味がないと抵抗感を覚える場合もあります。成果を求められる今、「とにかく動いていなければいけない」(内省している間は何も動かしていない、「内省は投資にならない」(動いてアクションしてこそ価値がある)などの思想も影響しているようす。

「内省」にメリットがあるとはいえ、それだけでやろう!ともならないのが内省の難しさのようですね。

「内省」を始めやすくするコツ

では、そんな内省のメリット・デメリットを鑑みて、どうすれば「内省」という行為を実施できるのでしょうか?

以下、内省を始めやすくする6つのポイントが紹介されていました。
本記事を引用させていただきつつ、まとめてみたいと思います。

<内省を始めやすくするコツ>
1)自分に問いかけたい重要な質問を考える
 以下の問いについて、質問だけは考え回答はしない
 ・私は何から逃げようとしているのか
 ・同僚たちの目標達成を、私はどのように助けているか
 ・直近の会議で最も良い行動を取るにはどうすればよかったか など
2)自分の好みの合う内省のやり方を選ぶ
 好きな方法を選ぶ。たとえば、座ったままor歩きながら、自転車に乗りながらor立ったまま、一人でやるorパートナーと一緒にやる、書くor話すなど
3)内省の時間をスケジュール組込む
 スケジュール内に内省の時間を設け、続けるように努力を払う
4)小さなことから始める
 1時間の内省の時間は長すぎると感じたら、とりあえず10分やる
5)とにかくやってみる
 頭に浮かんだ考えをすべて好きになる必要はない。とにかく頭を働かせ、浮かんできた考えを考察する。
6)手伝ってくれる人を探す
 やる気、時間、経験、スキルのいずれかが不足している。
 そのため、同僚・セラピスト・コーチなどに手伝ってもらう

P97-98

まとめと感想

ハーバード・ビジネス・レビューでも「内省」という行為の価値が、扱われていたことに純粋に嬉しくなりました。

また同時に、「内省」は得意な人と、そうではない人がいて、それは考え方や価値観なども反映されているという構造も理解できたことも勉強になりました。

ただ、自分を知る上でも、「内省」は特に求められていることだと思うので、多くの人が身近に感じられるようにできるとよいだろうとも感じた次第です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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