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終の棲家(引用したショートショート)は秀作だ!地域復興の問題点を浮き彫りにしてる・・・が理想じゃなく都会と地域の融合が復興の鍵を握る

これ引用なんだけど・・・よくできてる
田舎移住の問題の本質を突いている
筆者の持論も・・・本当に田舎を復興するには
「長老を追い出すこと」
と考えている

引用した作品の佳境を紹介する

「移住に失敗した例を聞いたことありますか? 
都会から田舎へ引っ越したけど、結局うまくいかずに
都会に戻った
とか、そういう話です」

「あ、はい。聞いたことはあります。
のどかに暮らしたいと思って行ってみたら、
現地の人に受け入れられずに人間関係で… 
 あ… 」

「そういうことです。これまでの移住政策は、
失敗すべくして失敗してきました。
移住をしても移住先に自由なんてなかった。
地元に人にペコペコ頭を下げてなんとか仲間に入れてもらい、
嫌われないように、妬まれないように、早くなじめるように、
都会にいる時よりも窮屈に生きていかなくちゃならなかった」

「 ・・・ 」

「だが、この町は違う。
僕達はここでは他の誰にも気遣いをせずに暮らしていける。
なにしろこの町には住んでいた人はゼロ。
老人もゼロ。
あなた達みたいな年寄りが、全員出て行ってくれたおかげでね」

「年寄り… 」

「この町では僕達は僕達の価値観で、
僕達の距離感で人と接して暮らしていっている。
お互い隣に住んでいる人の本名も知らない。
だけどそれでいいんだよ。
楽しい事だけ共有して。
もちろん深い話もするけれど、本音よりも配慮を大切にする。
そういうことって理解できます?」

筆者の持論なんだけど

今日、日本全国で展開され、そしてことごとく失敗してる
地域おこしは上記に尽きると思う
問題は地域エゴだ
この地域エゴを退治できなければ地域の復興など皆無だと確信してる

現在、全国で展開されている地域おこし(特に市町村が主導する)
地域おこし協力隊は、その長たるもの以外の何者でもない

かといって・・・引用したショートショートにデフォルメされた
都会の延長上に地域復興があり得るのでもない
これは理想じゃなくて現実の問題として
都市部と地域の融合に成功できなくては地域の衰退は
止まらない

筆者の田舎体験は8年前に始まる
仕事で呼ばれた清里の自然が気に入り
住み着いた
〜とはいえ自宅(大阪)を残しての慎重な取り組みだった

清里はダントツ日本一の移住天国で
移住者が住む別荘の数が半端じゃない日本一の規模なのだ
これは清里という田舎を東京の都会人が大規模に買い取った
ような規模になる

だから、引用したショートショートに描かれたような
住民の軋轢がない地域なのだ・・・が、でも、ゴミ捨て問題で
裁判沙汰になり新聞紙面で騒がれた事件も発生している

よくある話なのだが・・・新参者が地域先住者の意見を
聞かないので村八分の目にあいゴミ捨てが実質的に困難となり
訴訟事件に発展している
しかも、この類まれな地域でも移住者と地元民との感情的な
対立から発生した訴訟事件は何件も発生してるのだから
この問題の奥深さは計り知れない

それでも移住者の自由が
この地域ほど確保された地域は他にない
しかし、清里は高速道路で2時間も走れば首都圏なのだ
だから地政的にも住民比率的にも
半都会半田舎の理想的な地域だといえる

さらに筆者の仕事は写真家なので
デフォルメすれば日本中どこに住んでも仕事ができる
また、写真撮影が仕事なので、清里でも
仕事を通じた地元民との付き合いと同時に
移住者とも並行して付き合ったので
双方の底沼の確執も味わった

それらの知識や経験を通じて
田舎復興と田舎移住の社会問題に取り組んでいきたいと
考えているので、ご理解とご協力をお願いします

それはそうと、このショートショートの
主人公は、この後、どうなるのだろう?
このまま終わっては主人公の人生・・・真っ暗闇だ







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