高熱で子どもが叫ぶ? 発熱異常行動〔熱せん妄〕手順まとめ
風邪やインフルエンザ、発熱症状が一気に増えると「とくにお子さんに多く見られる」と言われる危険な症状があります。
『熱せん妄/ねつせんもう』とは?
上記に書きましたように、一般的には「お子さんに見られることが多い」とされていますがその限りではありません。
熱せん妄の対処法をわかりやすく解説
熱せん妄とは、高熱が原因で頭が混乱し、夢と現実の区別がつかなくなる症状です。
子どもが大声で叫んだり、走り回ったり、幻覚を見て怖がり逃げるためにベランダから飛び降りようとすることがあります。このようなとき、どう対応すればいいのか、簡単にまとめました。
熱せん妄を起こしているときの状態
頭は眠って夢を見ている状態だけど、体は力が抜けず起きている状態になっています。
そのため、夢の中の出来事に従って体が動いてしまうことがあります。
例:夢の中で何かから逃げようとして走り回る。
例:幻覚を見て怖がり、窓や玄関に向かう。
このような行動が、思わぬ事故につながることがあります。
どうすればいいの?
① そばで見守る
子どもが一人にならないように、常に近くで様子を見ましょう。
窓や玄関の鍵を必ず閉めて、外に出てしまうのを防ぎます。
② 体を冷やす・薬を飲ませる
冷やす場所:太ももの付け根、脇の下、首(特に首の後ろ)。
冷やす方法:
保冷剤を使う
手のひらサイズの保冷剤をタオルや布でくるみ、5~10分当てます。
冷えすぎないよう、肌の様子を確認しながら使います。
濡れタオルを使う
冷たい水で濡らして絞ったタオルを当てます。
ぬるくなったら3~5分ごとに交換します。
氷を使う
ビニール袋に氷を入れ、タオルで包んで当てます。5分くらいを目安に使います。
続ける時間:冷やすのは30分~1時間を目安にします。
処方された薬がある場合は、医師の指示通りに飲ませましょう。
③ 安心感を与える
子どもが怖がっているときは、次のように対応しましょう:
手を握る、抱きしめる、頭をなでる。
子どもの話を否定せず、「そうなんだね」「怖かったね」と受け止める。
【緊急事態】病院に行くべき症状の目安
次のような場合は、すぐに病院に連れて行きましょう:
症状が1時間以上続く。
ひきつけ(けいれん)が起きた。
意識がない、または呼びかけに反応しない。
目の様子がおかしい(焦点が合わない、目が動かないなど)。
保冷剤の重要性と準備
普段から保冷剤を冷凍庫に準備しておくと、熱せん妄だけでなく、発熱や怪我のときにも役立ちます!
おすすめサイズと用途:
首・脇の下用:手のひらサイズ(約10×15cm) → 2~4個用意。
太ももの付け根用:中くらいサイズ(約15×20cm) → 2個用意。
背中や首全体用:大きいサイズ(約20×30cm) → 1個あると便利。
代用品:冷たいペットボトルや濡れタオルでも対応可能です。
部位別の冷やし方
首や脇の下を冷やす場合
おすすめサイズ:手のひらサイズ(約10×15cm)。
理由:体にフィットしやすく、小さすぎず冷やす面積も十分。
使い方:
保冷剤をタオルや薄手の布でくるんでから当てる。
両脇に1つずつ置くとさらに効果的。
太ももの付け根(鼠径部)を冷やす場合
おすすめサイズ:中くらいのサイズ(約15×20cm)。
理由:広い面積をカバーしやすく、効果的に冷やせる。
使い方:
足の付け根にタオル越しに置く。片足ずつでも、両足に同時に置いてもOK。
冷えすぎを防ぐため、数分ごとに取り替える。
全身を少しでも冷やしたい場合
おすすめサイズ:大きめの保冷剤(約20×30cm)。
理由:首や背中、胸元など広い部分を一度に冷やせる。
使い方:
子どもを横に寝かせ、大きめの保冷剤を背中や首の下に敷く。
直接肌に触れないように、タオルや薄手の布を必ず間に挟む。
重要なポイントとまとめ
熱せん妄は一時的なものですが、適切な対応が事故や不安を防ぎます。「見守る」「冷やす」「安心させる」を意識して、お子さんが落ち着くまで寄り添いましょう!
⚠️熱せん妄は、一時的な状態ですが放置すると大きな事故や命の危険につながる可能性があります。周囲の人が注意深く見守り、早めに適切な対応を取ることが、命を守るために非常に重要です。
⚠️「熱せん妄」は一時的なものですが「脳症」の可能性も考えられます。30分~1時間程度で症状が落ち着かない場合は「脳症」の可能性も考えられますので、独自判断をならさず落ち着いて医療に繋がってください。
緊急事態! 脳症と見分けがつきにくい
子どもの高熱や異常行動が見られた場合、次のような症状があるときは迷わずすぐに病院へ連れて行きましょう。これらは重大な病気の兆候である可能性があります。
1. 症状が1時間以上続く
熱せん妄の症状(叫ぶ、暴れる、話が通じない)が1時間以上治まらない場合。
これは脳に異常が起きている可能性があります。
2. ひきつけ(けいれん)が起きた
手足をガクガクと動かす、硬直するなどのけいれん発作が見られた場合。
対応策:
すぐに救急車を呼び、落ち着いて子どもを横向きに寝かせる。
口の中に物を入れないよう注意。
3. 意識がない、または呼びかけに反応しない
子どもが目を閉じたまま、反応しない場合。
目を開けていてもぼんやりして反応が鈍い場合も要注意。
4. 目の様子がおかしい
焦点が合わない、片方の目が動かない、または目が異常に揺れる(眼振)。
視覚に関わる問題が進行している可能性があります。
緊急時の対応フロー
すぐに病院や救急に連絡:
症状を正確に伝え、指示を仰ぎます。子どもの安全を確保:
窓や危険な場所から遠ざけ、横向きで休ませます。救急車を呼ぶ場合:
症状を落ち着いて伝えるため、次の情報を用意します:子どもの年齢、体重
発熱の時間と温度
見られた症状(例:けいれん、意識喪失)
注意!独断での様子見は危険
子どもの症状が「何かおかしい」と感じたら、自己判断で放置せず、必ず医療機関に相談してください。特に初めての異常行動や高熱時のけいれんは「熱せん妄」と「脳症」などの見分けがつかない場合があります。
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