エリート社員の皆さんへ
エリート社員の皆さんに是非お伝えしたいことがあるのです。
私が若い頃身近で起きた悲しい出来事をご紹介しながら、お話ししたいと思います。
最高学府を優秀な成績で卒業し、中央官庁にキャリアとして入省した青年がいました。
それまでこれといった挫折経験がなく、順風満帆の人生を歩んできました。しかし、ある日仕事で大きな失敗をして上司から厳しい叱責を受けたのです。
「お前は何てバカなのだ」と言われ、「そうか、俺はバカだったのか」と思い詰め、自ら命を絶ってしまったのです。
この話を聞いたとき、私はにわかに信じられませんでした。たった一回の失敗でなぜ命を絶たなければならないのだろうか? 不思議でなりませんでした。
今改めて、「失敗」というものがどういうものか考えてみたいと思います。
発明王と言われたエジソンは、フィラメントの実験で2000回の失敗を繰り返したと言われています。
また、医学者の野口英世は実験の天才と言われていますが、彼ですら一つの成果を出すために数限りない失敗を繰り返したそうです。
こうした失敗をどう捉えるかによって、その後の人生が変わるのです。
彼らはこれを失敗ではなく「体験」と受け取ったのです。
世に天才と言われた先人たちも若い時には多くの失敗を経験したようですが、彼らもおそらくこれを体験として受け止め、これを踏まえて次のステップに進んで行ったのでしょう。
私たちは人生における様々な場面で多くの失敗をします。それは私たちが人間だから、そして人間は失敗する生き物だからです。
さて、前置きが長くなりましたが、今日は挫折経験のあまりないエリート社員の皆さんにひと言申し上げたいのです。
職場において、与えられた課題を完璧に行い上司や同僚から賞賛を得たい、与えられたノルマを達成して会社から高い評価を得たい、役員や社長になって出世をしたい、このように願うのはごく自然な思いであって健全な考え方です。
しかし、これがいずれの場合も「・・・ねばならない」という硬直した絶対的な考え方になると、これは極めて危険で不合理な考え方と言えます。
なぜなら、そもそも人間は失敗する生き物であり、この考え方には失敗したとき他にとるべき選択肢がないからです。
冒頭の事例で青年が命を絶ったのは、人生における彼の選択肢には成功しかなかったからです。失敗は許されなかったのです。
成功を目指すことは人間として自然なことであり、大いに結構なことですが、物事はうまくいかない場合もあり、それが人生なのだということを忘れないようにしたいものです。
よろしければ、メールカウンセリングで詳しくお伝えします。
→ https://www.ningen-kankei.jp/
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回も、お時間のある時に読んでいただけたら幸いです。