ブータンのお話

ブータン在住の柔道オリンピックチームのコーチをされている 歌代勇祐(うたしろゆうすけ)さんがゲストでした。お話をシェアしますね。

【幸せな国】
・外国人が来ても幸せを感じるとは限らない
・幸せを感じる基準が低い
・家族や親戚の繋がりが強くみんなで助けあう
・仕事をしなくても誰かが助けてくれる
・未来への不安があまりない
・なんとかなるので「もうだめ」と思うことがない。
・このままやっていけると思っている
・一人頑張って働いてもみんなで分けるのでお金持ちにはなりにくい構造
・日本人でもずっと住み続けたい人もいる

【自然】
・自然を切り崩さないようにしているので、谷あいに町がある
・山を崩せず、トンネルも惚れないので、道路は山をよけながら作る。高速道路もない。電車もない。
・国土は九州程度の広さですが、端から端まで車で一週間もかかる
・資源はあるが上記の理由で採掘出来ない

【生活】
・サムソンのスマホが普及していて型落ちが流通している
・SNSも普及していて、tiktok が人気
・アイフォンを持っているのはお金持ち
・キャッシュレスが進んでいる
・主要の3銀行がそれぞれアプリを出していて連携もしている
・殺生を禁じられているので川で魚も採れない
・肉や魚はインドやタイから輸入しているので新鮮ではない
・サーモンは肉の15倍する
・湖で採れたナマズのようなヌメッとした魚が売られている
・野菜やお米は安いが肉は高い
・殺生が禁じられているのでお花屋さんもなく、お寺にお花を持っていく習慣もない
・車の運転中シートベルトはしていない
・崖道が多く転落事故があるのでシートベルトをしていたら飛び降りることが出来ないから
・社会問題は若者の失業率
・ウクライナ問題はそれほど取り上げられていない。
・今はチベット仏教の新年なのでそちらが大きな話題となっている
・犯罪は少なく、身近で聞いたことがない
・普段は民族衣装をみんな着ている
・仕事でも民族衣装が普段着
・お寺に参拝するときは民族衣装が正装

【ブータン人】
・給料が入ってもパッと使う
・お金持ちになりたい欲がそれほどない
・お金持ちになりたい人はオーストラリアに出稼ぎに行って、ブータンに帰ってアパート建てたりする
・基本、無邪気。40代でもサッカーで遊んでいる
・夜遅くまでお酒を飲んだりしない
・外国の情報は入るが別世界として捉えられている。あまりに違うので、比べたりはあまりしない
・K-POPは人気。化粧などには憧れている
・外国に行くのはお金持ちだけ
・行くとしてもインド。バスにすし詰めになってお寺にお参りして帰ってくるくらい

【王族】
・国王を100%信用している
・何かあったときには国王が助けてくれると信じている
・実際にコロナで主要産業の観光業が大打撃を受けた時、国王が補助金を配って助けた
・王族が多く、オリンピック協会の会長は国王の弟がなっていたり、各組織のトップには王族が就いている

【学校】
・算数や理科は英語で授業
・英語が堪能。ただブータンの訛りがある。日本人よりは話せる。
・年配の方には苦手な人もいる
・私立学校が多い
・公立学校のレベルはまちまち
・年齢で学年は分けられていない。
・国の指導要領がないので先生によってバラバラ
・熱心な先生もいれば、いい加減な先生もいる
・大学入試よりも学年が上がる試験のほうが重要
・大学に行っても就職が有利になるわけではない。大卒に見合う受け入れ先が少ない。
・エリートはインドに行く
・国に帰って来る人もいれば、海外のほうが給料が良いのでそのままいる人も多い

【柔道】
・歌代さんは小学校から大学まで柔道をされ、JICA(海外青年協力隊)で柔道コーチとしてブータンに勤務
・ブータンで柔道が普及されて10年
・東京オリンピックで60kg級にブータン人がワイルドカード(推薦枠、甲子園の21世紀枠みたいな)で出場
・コーチとして帯同
・通常は1ヶ月以上前に日本入りして慣れてから本番に望むのですが、コロナなのでギリギリで日本に入った
・そもそもブータンにはお金がないので国際大会に頻繁に出られないので、オリンピックに必要なポイントが稼げない事情もある
・柔道は2チームある(歌代さんとブータン人のコーチの2チーム)
・ブータン人は細身で下半身が強い人が多い
・山岳地帯なので高低差を上り下りするので自然と強くなる
・柔道の素質はある

【スポーツ】
・伝統スポーツの弓道が盛んなのでアーチェリーが人気で国技
・推薦ではなく実力で東京オリンピックに参加した
・スポーツの評価が低いので学校を卒業したらスポーツは辞めるものという意識がある
・スポーツに教育的価値があまりないとされている
・サッカーやバスケットボールが人気でよくまちなかでやっている
・格闘技はずっとテコンドーが人気で、警察や軍隊でも採用されている
・オリンピックは規模が大きすぎて現実的ではないので、南アジア大会での実績が評価される
・南アジアとはインド文化圏(インド・パキスタン・ネパール・バングラデシュ・モルディブ・ブータン)
・ライバルはネパール
・クリケットも人気

【日本】
・日本企業は進出していない
・それどころか世界のブランド店やチェーン店もない
・マックやKFCもないので個人レストランだけ
・ユニクロは大人気。日本に帰る度に頼まれる
・ユニクロの偽物は少ないのも人気の理由
・日本人はJICAか日本語学校の教師くらい
・コロナ前は土木会社の関係者がいた
・韓国も同じ状況。KOICAという協力隊がいる。
・日本はお金持ちのイメージ
・アニメが人気。鬼滅の刃など。
・テレビでは放送していないので、ユーチューブなどで見ている
・ネットフリックスもある

【中国・インド】
・中国人は見たことがない
・中国との国境は閉ざされている
・7,000メートル級の山々が連なっているので
・中国からの直行便もない
・ネパール人やインド人が多数住んでいる
・母国語のゾンカ語とネパール語は似ている
・インド人は大学で教えていたりする
・建設の作業員などはほとんどインド人
・インドと中国の間の国だがインドの影響が強い

【結婚】
・すぐ結婚し、すぐ離婚する人が多い
・子供もたくさんいる
・何度も結婚している人や親が違う子供も珍しくない
・家族親戚みんなで暮らしているので、みんなで子どもを育てる
・いとこが一緒に育つのも普通
・初婚は21歳
・23歳のときには「なぜ結婚しないのか?」とみんなから聞かれた
・狭いコミュニティなのでデートとかしたらすぐに見つかる

【食べ物】
・お米とおかず文化
・唐辛子を多様するのでとにかく辛い。ひたすら辛い。
・辛くないと味がないと感じる
・うまみがある辛さではない。ただただ辛く、唐辛子の味がする
・料理は全部、唐辛子で赤い
・子供も普通に食べる

【観光】
・日本からはタイかインド経由がおすすめ
・外国人の観光は1日250ドルかかる
・ただし宿泊・3食・交通・ガイド全て込み
・高いのでバックパッカーはほとんど来ない
・ツアー会社は沢山あって大きな産業

【気になるところ】
・柔道で言えば、「今で幸せ」なので、争わない、闘争心がない
・お金がないので滅多に海外の大会には出られない
・他の国なら勝ち抜いて出ようと頑張るが、ブータンの選手は「前回出たから、今回はどうぞ」と譲ってしまう
・子供っぽいところがる
・自分がなく、自立していない印象がある
・ただ女性は強い

【学ばること】
・日本とブータンは環境が違いすぎるので参考にはならない
・日本人がブータンに来たからといって幸せになれるとは限らないし、ブータン人が日本に来たら同じ
・日本は何をするにもお金がかかるので、必然的に頑張らないといけない
・上を目指そうとか、お金持ちになりたいという意欲が人を進化させていく
・ブータンは狭い山岳国家なので、今ある環境で生きていく文化

【漫画】
・歌代さんが描かれている漫画が面白いと参加者から話題に
・柔道がメインで、時間があるときに描いているそうです



聞いてみないと分からないことがたくさんあるなぁ。。って改めて学べました。どんなに素晴らしい国でも問題を抱えているし、一概に日本に当てはめたり、取り入れられないこともあるんですね。みんなで助け合うので、未来への不安がないってやっぱりいいなって思います。日本人は常に不安にさらされているので、、、

1日250ドルはかかりますが、是非とも行きたい国です。無邪気なブータン人と交流してみたいです。歌代さん、本当に有難う御座いました。本当に魅力的な国です!! いつか行きます(^_-) お会いしたいです!!


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