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言葉の海に溺れる。【徒然なる木曜日】

週半ばの今日は、木曜日。
お疲れもピークになりつつありますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

私は最近、人の話を聞きすぎて言葉に溺れそうになっております。



今日は「取材」について書きます。


「言葉に溺れる」のお話。

「人の話を聞く」は、他者の言葉が自分の中に降り積もっていくイメージがある。

人というのは基本的に、自分の話を聞いてもらいたいもの。
取材でやるの楽しいし充実しているので、全く苦痛ではない。

お話しくださる方の言葉が、自分の内面にふわりふわりと新雪のように降り積もっているイメージ。

積もったばかりの雪は、真新しくて恐ろしく繊細だ。
ほぅっと息を吹きかけるだけで溶けてしまうかもしれない。

そんな不安があるから、取材したらその日のうちにざっくりと書き起こすようにしている。

雪が降ってきた瞬間の感動を、忘れないために。
あの無垢な言葉を、必要な人に伝えるために。


ところが、誰かの愚痴となると話は変わってくる。

降り積もる雪は、みぞれに近い。
重くてずっしりと水分を含んでいる。


共感は強力な武器だ。
使い方次第でいくらでも話を引き出せる。

だけど、うっかり愚痴タイムで使ってしまうと大変なことになる。

重たい感情をめいっぱい溜め込んだ言葉が、自分の中に降り積もっていく。
どんどん、重くなる。
どんどん、沈んでいく。

息もできないほどに、言葉に溺れていく。



取材をした後、すぐに言葉を書き起こす。
けれどときどき、丸一日寝込むことがある。

知恵熱だと旦那さんは笑うけれど、真剣に言葉を受け止めるとそうなってしまうのだ。

ひたすら寝て、頭を整理する。

降り積もった雪を綺麗に選り分けて、必要な誰かに届くよう想いを込めて整える。




取材しているときのことを思い出して書きました。

相手のテンポに合わせて相槌を打ち、タイミングをみて問いをそっと渡す。
言葉を探す様子を見せたら、こちらから言葉を投げずに見守る。

取材とは、そんな繊細な活動だと思っています。
こちらが楽しんでいる様子を見せて、楽しく話題を引き出すのがプロ。
そこにどっぷり溺れず、計算して問いを重ねていく。

楽しいけれど、どこまでもLIVE。
失敗は許されない緊張感が、私にワクワクを与えてくれます。

何かの参考になれば、幸いです。




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