子育て体験記-初めての5泊6日子供と離れて学会参加-その2

あけましておめでとうございます。

 子育て体験記パート②です。子育て体験記では、6歳の娘を育てるワーママが初めて子どもと離れて5泊6日の学会へ参加した際のリアルな体験をお届けしております。学会や研究に興味のある方や仕事と育児を両立されている方に、少しでも共感や参考となりましたら嬉しいです。前回は、学会参加を決断するまでを書かせていただきましたが、今回は学会出発当日の朝から学会参加初日の様子をお届けいたします。

出発の日、いよいよ旅立ち

 ついに出発の日がやってきました。朝起きた瞬間から「ついにこの日が来てしまった」と、心の中は不安と期待でいっぱいでした。「本当に行けるのかな?」「子どもは大丈夫かな?」と何度も主人と自分に問いかけながら家を出る準備をしました。荷物を車に積み込み、駅まで送ってもらうと、“むぅっ”と無言で悲しみをこらえる表情の子どもに胸が“きゅっ”となりながら別れを告げ、車を見送りました。
 空港までの道のりは、「これから5日間も会えないのか」「1人でやっていけるだろうか」と不安が再び押し寄せ思わず主人に「大丈夫かな?」と連絡していました。「大丈夫だよ!」と背中を押してくれる主人の返事に、「この出張には私にも子どもにもきっと意味がある」と言い聞かせながら好きな音楽を聴いて気持ちを落ち着かせました。空港に着くと、平日の朝とは思えないほどの人の多さに圧倒されました。久しぶりの飛行機ということもあり、搭乗手続きや保安検査の流れに戸惑い焦る場面もありましたが、なんとか無事に搭乗口へ到着し、“第1のミッション完了!”という気持ちでした。
 いよいよ飛行機に搭乗し、離陸の瞬間は「これからどんな学会になるかな」「誰に会えるかな」と期待と緊張が入り混じった感覚でした。機内では、学会のプログラムを確認しつつも、普段なかなか見られない好きな映画を見ながら“自分だけの時間”に少しだけほっとしました。飛行機を降りて、手荷物受取所で荷物を待っていると友人を発見!、同じ飛行機に乗っていたようで一気に安心感に包まれました。これから旧友との再会や新しい出会いなど色々な出来事が待っていると思うと胸が躍りました。

目的の場所に到着、いざ学会場へ

 学会へ向かう電車の中には、学会へ参加すると思われる方々が見られ「ついに来たんだ…!」という気持ちがじわじわと湧いてきました。国際学会ということもあり、外国の方も多く見られ、聞き取れない英語に戸惑いながらも今日から始まる5日間に胸が高まりながら学会場へ向かいました。
 会場に到着すると、ロビーにあふれる人に圧倒されながらも知り合いを見つけ、一緒に参加者手続きを済ませて“第2のミッション完了”!手続きの後は指導した学生の発表会場に向かい、発表を見守りつつ学生の成長に感動…。その後は、スマホの翻訳機能を駆使しながら英語の講演を聴いたりポスターを見たりと新しい学びにワクワクしつつ旧友との再会に懐かしい時間を過ごしました。 

ホテルからのテレビ電話

 初日の学会が終わりホテルに戻ったとき、子どもの顔が見たくなり、約束していたテレビ電話をしました。画面越しに映った子どもの笑顔にホッとしましたが、すぐに子どもは涙を浮かべ主人に抱きつきながら顔を隠してしまいました。「ママとねんねしたい」と涙を流す子どもを見て、胸が締め付けられるような思いになりました。「すぐに帰ってくるからね」と声をかけ通話を閉じ、主人からは「顔を見ると寂しくなっちゃうみたい。」と連絡を受け、約束していたテレビ電話は保留になりました。ホテルのベッドに腰を下ろし、子どもの顔を思い出しながら、子どもに寂しい思いをさせてしまっているという負い目を抱かずにはいられませんでした。それでも、挑戦しよう!と決めた自分と家族の決断を大切に、この子どもと離れているこの時間を少しでも有意義な時間にしよう、と自分を励ましました。 

 こうして私は、不安と緊張と寂しさを抱えたまま参加した学会でしたが楽しもうという思いで初日の学会を乗り切ることができました。家族と離れる後ろめたさや寂しさは簡単に消えるものではありません。この寂しさを抱えながらも学会参加中は充実した日々を過ごそうと思いました。
 家族の元を離れる寂しさや不安、子どもの様子に共感いただける方もいらっしゃるのではないでしょうか。次回は、最終回です。学会参加中の様子と学会参加後に家族と再会した際の様子をお届けします。

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