勝手決算:AOI TYOホールディングス/制作会社業界2位のコロナ影響は如何に。
16年だか17年だかにAOIとTYOの合併が報じられました。(CM制作業界2位と3位がくっついた)その時、業界はそれなりに盛り上がったわけですが、その後どういう決算状況なのか。今回は直近の決算資料をベースに確認していこうと思います。
入りからクソおしゃれで驚きました笑
これは決算資料だよね?という背景設定です。
株主や関係者に対し、デザインで応えようとする姿勢は非常に好感が持てます。
ハイライトがこちらです。20Q1はコロナ影響も出始めているのか減収減益です。ただ3月中旬以降撮影に規制がかかってきた印象なので、本当の影響はここからかもしれません。今回の決算ではイベントにおける映像制作(イベントそのものがなくなった)や制作遅延による影響と記載があります。
Q1でこの状況なので、Q2以降の決算は相当厳しいものになることは確実です。
セグメント別の売上構成でも圧倒的に動画事業が基盤なようで、コロナにおける撮影遅延、制作影響は業績に多大なる影響を与えそうです。(広告関連事業に関してもイベントや販促関連の制作なので、そもそものイベント、CP延期があると受注自体もなくなる可能性が高いです)
AOI TYOの決算を初めてみたのですが、面白いのはこのスライドです。受注先である大手広告会社2社の状況が記載されています。この状況を見ると電通Gよりも博報堂系の仕事の方が多いことがわかります。政治要因なのかもしれませんが、広告会社の事業規模を考えるとなかなか面白いです。
案件種別もあり、TV関連が50%超で、デジタルコンテンツは30%といったところです。受注先の電通や博報堂のIRを見てもわかる通り明確な「デジタルシフト」は待ったなしです。デジタルコンテンツをAOIのようなクオリティの制作会社を使ってまで制作するのかというコストとクオリティの問題は今後出てくるかなと思います。
今回どこの決算にもキャッシュ状況に関しても記載があり、現状は流動比率も資金調達の状況も問題なさそうです。逆にいうと、株主側では資金の確保を心配するのでは?というほどの業績へのインパクトが今回あったということでもあります。
Q2以降の見通しに関しては、「未定」となっており、見通しはたっておりません。業界2位の制作会社が上記状況ですので、広告会社のいわゆる「制作案件」(メディア案件以外)に関して、今年は業績の見通しは相当厳しい状況が予想されます。
乱立したクリエイティブエージェンシーに関しても事業を制作から、PRやブランディング、ビジョニングなどより上流への転換が予想されます。
最後までありがとうございました。