「富士葵さんの「くじら」を聞いて思ったことのメモ
富士葵さんの「くじら」を聞いて思ったことのメモ
レビューを書くぞ!という気持ちで書くと「上手いこと言ってやろう」と思って自分の本心とは離れたことを書きそうなんで、あえて他人に読ませるという事を意識せずに書いています。
そのため非常に読みづらいです。そしてこれはレビューではないです。感じた事のメモです。
なんか今の気持ちを書き留めておきたくて箇条書きでメモをとりました。数年後、数ヶ月後に自分で読んで楽しもうと思います。
・色々なリズムや音が絡み合う様が水流のように感じた。
様々なものが無秩序にたゆたう海中で、大きなものが動いたときに起こる水流、うねり。それに巻き込まれることで起こったり起こらなかったりする秩序。奥から耳のそばを通り過ぎていく色んな音。
聞いている自分もどんどん大きなうねりに巻き込まれていく。そんな印象がある。
・全体的にリズムの組み合わせがめちゃめちゃ良い。頭直接マッサージされてるみたい。ものすごいグルーヴ感。
そんな中で聞こえる葵さんの歌は大きくリズムをとっていて、メロディの隙間もたっぷりで最高。そんでその隙間に入り込んでくる色んな音が本当に気持ちいい。
・今までは「歌唱」にピントを合わせて、とにかくそれを際立たせた曲が多かった印象だったけど、今回はもっと全体のうねりで聞かせてきてる感じ。
主役は葵さんの歌ではあるんだけど、他の音と葵さんの音が対等で、それが気持ちいい。
・サビの入りとか、歌いだしのタイミングも絶妙で、しかも多分葵さんが狙ってやってる感じがして、すごい。
リズム感と喉のコントロールが異次元の巧みさだと思う。
やっぱりポップスってその辺の「間」にエモさが詰まっているよなあ。
・ギターとベース音のポリメトリック的(言葉が正しいかは知りません)なフレーズが気持ち良すぎる。こういうフレーズは色んなリズム、メロディと組み合わさると気持ちいいんだよなー。
階段を一段飛ばしで降りていくような気持ち良さがある。力強さと不安定さの間を繊細にバランスをとって前に進んでいくスリル!!
・全体的にメロディ楽器というか打楽器以外の音が少なくてコレも最高。葵さんの歌の説得力が際立ってると思う。
・イントロで左耳から(右耳からも)聞こえる、イヤホンを爪かなんかでコツコツ叩いてるみたいな音、これ最高ですね。
・全体的な音作りからマシューハーバートとかコーネリアスとかみたいなある種のフェチを感じる。もはやASMRだよ。
・アウトロの、すこーーしずつ、ほんの少しだけリズムが曖昧になっていく感じも良い。コレは歌詞に引っ張られてるけど、でっけえシャボン玉が少しずつ遠くに飛んでいく様と重なってとても良い。
・それにしても立体感がすごいなあ。リバーブとかコンプレッサーとか駆使したらこんな感じになるのかなあ。MIXの知識がないからわかんねー
・葵さんの声を効果音的に使っている場面が多くて良い。メインメロディの裏で歌ってるリフレインも最高。左右にパンされたハモリの声も。葵さんの声のもつ気持ち良さが遺憾無く発揮されてると思う。
「葵さんの声の持つ色んな音域の美味しい部分を強調させました!」みたいな音作りと歌い方で、これも本当に気持ちいい。
・葵さんの歌声ってよく「透明感がある」って表現されてるけど、それって無色透明って感じじゃなくて、たとえば琉球グラスとかシャンパンの泡とか、橋の裏に反射する水面の光とかそういうイメージよね。少なくとも私はそんな感じ。
もっと概念的(?)な透明感ですよね。「透明」と「透明感」ってちがうよね。なんか「清潔」と「清潔感」が違うみたいな話に似ているね。
・全てのメロディ、音の数が少なくて良いなあ。残響で聴かせる感じ。葵さんの歌のバランス感覚もすごい。
・最近イエスの「Close to the Edge」をよく聞いているけど、あれガチャガチャやってんのに雑然としてなくていいんだよな。各パートの押し引きが絶妙なんすよね。
音の種類は多いけど、同時に鳴る音の数は少ない、みたいなさ。「くじら」もそんな感じ。
そんで、それぞれの音の位置関係が立体的でとてもいいですね。音が広いのよ。縦にも横にも奥にも。そういうの、マジで気持ちいいですよね。歌メロだけじゃなくて全ての音ででっかい一つのメロディを作ってる感じ。
現時点では以上!!まだまだ色んな気持ちになれそうだし、まだまだ発見がありそうでワクワクする!!!とってもいい曲!!!