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モノづくりを通じて、やさしさでつながる社会を創る(後編):役員就任インタビュー 

2024年7月1日、これまでPdM(プロダクトマネージャー)として活躍してきた能勢が、執行役員(CPO/最高製品責任者、CHRO/最高人事責任者)に就任しました。
プロダクト開発の経験が豊富な能勢が経営メンバーに加わることで、今後のcotreeはどう変わっていくのでしょうか。

後編では、CPOとしてサービスと向き合うための考え方や、cotreeの組織作りの展望について語ります。

<前編はこちら

これからのcotreeを、そっと見守り気軽に頼ってもらえるサービスに

――メンタルヘルスを扱うサービスのプロダクトの責任者として、配慮や工夫をしていることがあれば教えてください。

cotreeに集まってくださるユーザーの皆様のどなたも傷つけないことを強く意識しています
時にはシステムとしての分かりやすさとユーザーの皆様への配慮が両立しないこともありますが、機能としての便利さや、ましてや収益性だけを優先するのではなく、「使う方がどう感じるか」をメンバーと一緒に考えてサイト上の文言やデザインを決めています。この配慮の重要性は、他業界のサービスと大きく違うところだと思います。

長く利用してくださっているユーザーの皆様への配慮はもちろん、今後は新しくcotreeのサイトを訪れて下さった方々にとっても、使いやすいサービスを目指していきます。
例えば、今cotreeでご用意しているカウンセリング時間は一律45分/回ですが、時間や料金の種類を豊富に用意して気軽に受けられるようにしたり、こころの不調だけでなくキャリア相談やコーチングなど包括的に相談できるような仕組みを用意したり…などを考えています。

常にcotreeが皆様の側にいて、風邪を引いたと思ったら近所の病院に行ったり、月に一度ダメージが溜まった髪を綺麗にしてもらいに美容院に行くように、自分のことを大事にケアする際に気軽に使ってもらえるような存在になれたら理想ですね。

――能勢さんはcotreeの新規事業も担当していますよね。キャリア女性向けの「taoi」や認知行動療法など、それぞれへの想いを教えてください。

まず私はcotreeの新規事業で、心健やかに生きていたい、より生きやすく、自分のありたい生き方を実現し続けられるサービスをカウンセリングに限らない形で社会へ提供することにトライしています。

その中で働く女性のキャリアと生き方を考える「taoi」は、cotreeの社員自身が感じている課題を元に作った等身大のブランドです。20代後半〜30代中盤でキャリアとライフイベントの過渡期にある私たちですが、女性活躍が叫ばれる現代は、文化や仕組みもまさに変化の渦中にあります。
その結果、当事者である女性たちは様々な葛藤を抱えている方がとても多いのではないでしょうか。
結婚・出産・子育て・仕事…年齢が近い友人と置かれている状況が全く異なり、それぞれが孤独に苦しんでいることに気付き、現代の働く女性たちに対して、こころの専門家としてメンタルヘルスケアに取り組むcotreeができることがあるのでは?というアイディアが出発点でした。

もう一方の認知行動療法は、これまでも一部のcotreeのカウンセリングでも行われていましたが、カウンセラーからの提案や自主的に希望されたクライアントへの提供に留まっていました。
認知行動療法ではストレスとの向き合い方がわかるだけでなく、正しく悩むことができるようになることで、感情に翻弄されず、自分を自己管理しやすくなります。
これはよりよく生きるためにどのような方にとっても必要な知識ではないかと強く感じたため、1年ほど前から認知行動療法をワークショップで学べるオンライングループワークショップから販売を開始しました。

さらにもっとたくさんの人に届けたいと考え、2024年秋には、今までワークショップで提供してきた内容をぎゅっと詰め込んだ企業向けの研修の提供に向けて鋭意準備をしています!
どのような方のどのような悩みにも活用できるように、実践的なワークを盛り込んだ満足度の高い内容になっていますので、ぜひ提供開始を楽しみにしていただければと思います。

今後も新規事業部では従来のサービスや文化にとらわれず、よりよく生きるサポートができるサービスをあらゆる形で模索し、挑戦し続けていきますので、ぜひご期待ください!

――サービスの今後の展望を教えてください。

もっと広く、よりよく生きたい人を応援できるサービスにしたいです。
そのために、こころへの向き合い方を見直す前向きな方法の習得をcotreeがサポートしたいと考えています。

人って不思議なもので、体の怪我をした時であれば、すぐに立ち止まってどこがどう傷ついているのか、何が原因なのか、まだ動けそうかなど、自分の状態をしっかり確認して受け止めて必要な応急処置や治療を行いますが、こころの不調は感じても立ち止まらず、自分や環境のせいにして状態をしっかり確認したり向き合うこともなく頑張り続けてしまう。その結果、悪化してからやっと気づくということが多くあります。

こころは目に見えないからこそ、定期的にメンテナンスする習慣や向き合う機会を身近なサービスとして提供することで、メンタルヘルスケアをもっと気軽で健やかなものにしていきたいですね。

経営メンバーとして、自分も会社も健やかに成長させたい

――執行役員に就任した今、ご自身のキャリアに対する考えに変化はありましたか?

執行役員のオファーを受けてからは、「覚悟が決まった」という感覚があります。
今cotreeは、サービスも組織も次に進まなければならない段階になったと感じています。サービスとしては、長い時間をかけたリプレイスプロジェクトがようやく完了し土台が整ったので、これからはより良い価値を届けるための挑戦的な開発ができるようになりました。
この段階でプロダクト開発側の執行役員として会社をリードできることは、とても良いタイミングだと思っています。

そして市場に対してサービスが次の段階を乗り越えるためには、組織としても次の段階に進まねばならないと考えています。
そんなタイミングでCPOとしてだけでなくCHROとしてもオファーをいただいたので、しっかり責務を担うことでやり遂げる覚悟を持ち、オファーをお受けしました。
マネジメント業務での経験は自分の成長のターニングポイントとして私の中で一番大事にしている点です。cotreeに入社以来、重点を置いてきましたが、これを機に改めて組織開発に力を入れていきたいと感じています。

――マネジメント業務での経験がご自身の成長のターニングポイントになったとのことですが、具体的にどのような経験だったのでしょうか?

新卒で入社した会社で初めてチームリーダーになった当初、私は「一人でなんでも仕事をこなしたい」と考えていました。完全にプレイヤータイプでしたね。仕事がとても楽しかったこともあり、自ら仕事を抱えて深夜まで残業をすることもありました。

そんな生活を続けたある日、体力に限界がきて倒れてしまい、入院せざるをえなくなってしまいました。その時に病院のベットの上で必死にメンバーに指示を送っている自分にふと無力感を覚えました。「私はチームや会社、社会に何も貢献できてない」と感じてしまったのです。

それまでは「一人でなんでも仕事をこなすこと」を正義として考えていたけれど、それによって自分がいないと回らないチームを作ってしまったことにやっと気付いたんです。やるべきことは、私がいなくても私以上のパフォーマンスを出せるチームを作ることなんだとそれ以来考えるようになりました。

その経験以降は、自分がいなくても自走できるチーム作りに徹底的に取り組んできました。
属人化しないように小さな業務でもマニュアル化し、目的や目標を共有してチームメンバーの自立的な成長をサポートするようになると、メンバーやチームの成長がとても嬉しく感じるようになり、仕事のスタイルが変わっていきました。

cotreeでもその変化の喜びを原動力にしてプロダクトチームを牽引してきましたが、今後は会社全体が成長に向かえるよう組織開発をし、リードしていきたいと思います。

――経営メンバーとして感じる、cotreeの組織の強みと課題を教えてください。

cotreeの組織としての強みは、みんながメンタルヘルスケアに真剣に取り組み、「メンタルヘルスのインフラを創造する」という同じゴールを見ていることです。
自走できるチームの条件は、メンバーが同じゴールに共感し向かっている状態だと思います。共感は強制できないので、これは大きな強みと言えるでしょう。

対して組織の課題は、ゴールに共感しているからこそ客観視しづらく、社会や新しく訪れたユーザーの立場を見据えたビジネス視点を持ちづらいことだと思います。これは組織として意識して変えていく必要があると感じています。

――今後はcotreeをどのような会社にしていきたいですか?

働き方についてもさらに工夫していきたいと考えています。
コロナ禍以降、cotreeの社員はフルリモートで勤務していますが、もっと会話量を増やしアグレッシブなアイディアや行動に繋げていきたいですね。
リプレイスプロジェクトが完了した今、cotreeにはアグレッシブな挑戦が必要で、求められていると感じています。

最後に。cotreeでは新しい仲間も募集していますので、メンタルケアやヘルスケアに対して関心をお持ちでアグレッシブに挑戦していきたい方はぜひご連絡ください!

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