児童精神医学の“今”と“これから”
はじめに-精神医学、児童精神医学の”今”
精神医学の潮流は全体として大きく変わりつつある。統合失調症や躁うつ病といった疾患同士の関連が生物学的な知見から明らかになり、従来の精神疾患の枠組みのように「カテゴリカル」な診断(境界を定め、定義する診断)で疾病を分類することへの問題が生じており、「ディメンジョナル」な診断(症状の重症度を”無し”から”重度”という評価を記述する診断手法)へと変化することが求められている。
このような流れは児童精神医学の分野にも大きな影響をもたらしてい