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北アルプスへの道⑤ 2日目・・常念岳〜横通岳〜大天井岳

2021.9.19〜22
一の沢登山口〜常念岳〜大天井岳〜東鎌尾根〜槍ヶ岳〜上高地
Total 42km +3400

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◆ダイジェスト・・・ダイジェスト:台風、地震ニモマケズ
◆1日目・・・ 1日目:一の沢登山口〜常念岳+前常念岳(途中まで)

朝焼け、雲海、モルゲンロート…絶景の大盤振る舞い!

2日目。眠れないまま、時計を見ると3時半…もう、寝るのは諦めよう。顔を洗い、薄暗い廊下でチャチャッと化粧をする。福岡に比べて東のこの地は日の出が早い。「そろそろかしらん…」ヘッデンの灯りを頼りに、常念乗越の広場に出た。

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「なんだこりゃ〜!!!」昨日の槍ヶ岳ドーンよろしく、絵に描いたような雲海と朝焼けに照らされた常念岳の稜線がドーン。なんですか、この景観は!!! KちゃんのテンションはすでにMax、基本ぼーっとしているNくんですら目が開いている。「陽が上がってきた!」「そっちに立って! 」そうこうしていると「後ろ見て!」。振り向いた先には、ピンク色に染まった穂高山脈がドーン。「これが噂のモルゲンロート!」。坊ガツルでなんとなく見たことはあったけれど、まるで別物ではないか! 上記の文章でもお分かりの通り、早朝5時30時にして!!!!!!!!!の連続。地震があったことも、全く眠れなかったことも、この景色で全て帳消しできるくらい絶景の大盤振る舞い。テンションというか、もはや血圧が上がりすぎて、一日の半分のエネルギーを使い果たした気分だった。

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詰め込みすぎない…これもまたヨシ

朝食を済ませ、山小屋を後にする。本来であれば、この日は蝶ヶ岳ヒュッテ→大天井岳の予定だったが、連休中日で予約が取れなかったため、ギュギュっとルート短縮。常念岳→横通岳→大天井岳の約3時間30分の山行だ。どんなにゆっくり進んでも、昼までには到着する。
よって、楽勝…なはずだったが、そうは問屋が卸さない。「キツい。疲れた」「息も苦しい」止まっては上り、止まっては上り。そうこうしていると、東側から雲がモクモクとあがってきた。晴天と白雲がせめぎあう隙間を、まるで鬼ごっこでもするかのように私たちも進む。とはいえ、刻一刻と変わる景観を前にシャッターが止まらない。普段なら「奇跡の一枚」として崇められるであろう写真が、まさかの「奇跡の100枚」越え…。撮ったり、休んだり、気になる方々に話しかけたり、キツいながらも“これぞ模範的な山歩き”を満喫しながら稜線を辿った。

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2875m、天井(天上)の楽園がそこにあった!

ひー、やっとついた……。大天井岳の麓、本日の山小屋『大天荘』に到着。「ガスる前に頂上登るよ!」Nくんに促され(しぶしぶ)大天井岳(おてんしょうだけ・2,922m)を目指す。はい、10分で到着。だだだっと下山し、楽しみにしていた昼食の時間。見よ、このクオリティを!

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3種ある中から、私はインディアンカレー(グリーン・1500円)をチョイス。いつも食べているロ○タイのなんちゃってと違い、ちゃんと辛くて甘くて本格的なもの。サフランライスもパラパラだし、ナンもふわふわ。キンキンに冷えたビール(600円)とともに、おつかれさーん。ちなみにこの地は、標高2875m地点。なんと幸せなことか。窓の外を眺めるとガスが立ちこめ、先ほどの穏やかな景色は嘘のよう。山の天気は変わりやすい。本当に。

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息抜き、ガス抜き、適度に余白のある行程で

「これからどうする〜?」私とKちゃんは、しっかり根っこがはえてしまった。2日間の牛歩山行にしびれをきらし、エネルギーを持て余したNくんは「ちょっと、燕岳まで走ってきます!」。短パンとTシャツ、水も持たぬまま、真っ白なモヤの中に消えていった。私たちは昼寝をしたり、散歩をしたり、エネルギーを回復&温存できて結果として良かったと思う。

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ひたすら前進(縦走)するのもいいが、体力(走力)が異なるパーティーの場合、遅い/速いどちらにもストレスが溜まる。中継点を設けることで調整ができるのはもちろん、デポして身軽になるので行動範囲はグンと広がる。他人同士がずっと一緒に行動をするって、思った以上にしんどいもの。山に限らず、旅の計画のポイントとしても心に止めておきたい。後の平和につながるから。

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「夕飯の時間です」…まだ4時30分。ほとんど動いていない私とKちゃん、そして急いで燕岳ピストン(燕岳名物・イルカ岩を撮影)してきたNくんは「まだ、胃が受け付けないっす」。でも、これを見よ!

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街の定食屋をはるかにこえるか料理を!  品数も十分だし、鮮度もいいし、味ももちろん間違いなし。名物の芋煮サイコー。何かの本で読んだ「全国行きたい山小屋ランキング2位」の理由がわかった。だよね。だよ。これはすごいよ。

夕食後、健全な食堂は一転し、雰囲気満点のBarへと変わる。ランプが灯り、ジャズが流れ、ここは天神のBarね?  何度も言うが、ここは標高2875m地点。ワイン(400円良心価格)を傾けつつ、感動を振り返る…。ムーディーな気分に浸りたかったけれど、満腹と疲労で「もう、無理っす」。
二段ベッドタイプの部屋(個室)で、3人川の字になって寝る。「におう?」「いびきかいたらごめん」もはや、ムードもなんもあったもんじゃない。

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安全第一。最後は、天命に任せよう

山小屋の居心地が良く気も紛れていたが、なお余震は続いていた。山小屋のスタッフや登山客に「槍までの登山道の様子はどうでしたか?」と聞くも、広域すぎて調査も難航したようで、夕方ぐらいまではっきりした情報は得られなかった。LINEやインスタなどで「地震大丈夫?」「無理しちゃいかん」など、たくさんのコメントをいただき、随分と心配をおかけしたと思う。3人顔をつきあわせ「ほんとに、明日どうするよ?」。話し合いの結果、翌朝の段階で、1_余震が続く 2_被害状況が拡大 3_ガス含め雨など悪天候…の場合、四の五の文句を言わず別ルート(燕岳ルート)で即下山と決めた。こうなったら、天命に任せるしかない。「明日、槍ヶ岳に行けますように」祈りと共に、目を閉じた。でも、眠れなかったけれど…。


そんなこんなで、たいして動かなかった2日目が終了。


3日目に続く


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<2日目のまとめ・雑感>
・ゆるめの行程にして、各人で調整できるようにしよう
・常念→横通岳は地味にきつい
・横通岳→大天井岳も地味にきつい(東大天井岳はスルー)
・今なら、大天荘(燕山荘グループ)100周年記念で非売品のバンダナがもらえる(激カワ!)
・他グッズもしゃれとー
・表銀座コースとの合流点で、比較的利用しやすい山小屋




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