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2023年は「始末良く」

この鍋をこっちに寄せて、大きいお皿は奥で、ボールは一番上にのっけて、、、ヨシ! 洗いもの置き場(なんて言うの?水切り場?)に絶妙なバランスの洗いものタワーが完成した。するとビールを取りに来た夫が一言、

「苦労して組み立てんでも、拭けばいいやん」

拭けばいいやん!!!

怒ってるほうの!!!ではない。
だよだよ!!!のほうの!!!

うわ〜、その手があった。お恥ずかしながら、私の頭の中に「拭く」という概念がなかった。実家では物心ついたときから食器乾燥機があったし、今は食洗機が鎮座している。鍋類はガスで加熱して水を飛ばしていたし、ザルなどは水切り棚に伏せていた。一人暮らし時代も水切りに置いて乾いたものを食器棚にしまったり、そのまま使ったり、二人暮らしの今もそんな感じだ。「拭く」という最もシンプルで簡単な行為が抜け落ちていたとは……。

なんて書いてみたけど、単に片付け(全般)が苦手なだけである。これに限らず、ダメな人がダメに陥るのって、だいたいこの類いのダメに引っかかっている場合が多い。初歩の初歩。ということで、

「ごめんけど、私が洗ったけん、拭いてなおし(しまって)とって」

拭くという新たな概念が備わったが、おそらく今後も拭かないだろう。〜だろうじゃなく、うん、拭かない。断言できる。すまないけれど、面倒くさいという概念が優勢。夫よ、こんな私をどうか許してほしい。

***

余談。
いろんな料理番組があるけれど、不器用は仕方ないとして(DA○GOの番組はやっと慣れてきたのか、全編通しで見られるようになった)、「始末が雑」な人がどうしても見ていられない。食器もろくに拭けないお前だけには言われたくない!のは重々承知だが、「あ〜、ボウルのソースまだ残ってるやん」「あのこぼれたの、拾って〜」「盛り付けの最後、垂れた汁拭こうやー」平野レミ御大ならまだしも(別格)、料理でご飯を食べている人であれば、もう少し気をつけてはどうだろう……とテレビの前で一人、わーこら突っ込んでいる。

多くの料理家がいらっしゃるが、今、私の中で最も輝いているのが、料理家の今井亮さんだ。3分クッキングやあさイチなどでもお見かけするし、書籍もたくさん出されている。中華ベースの簡単だけどひとひねり効いた料理がお得意で、日々の献立の参考にさせていただいているのだが、特筆すべきは「始末の良さ」だ。手際がいいのはプロなので当然にせよ、みじん切り一片も残さず、使い終えた道具も整然とし、気がつけば料理が完成している。食材を使い切るためのアレンジや副食の提案も秀逸。テキパキシャキシャキ、一挙一動のすべてに無駄がなく、まるで演舞のようだ。見ているだけでも気持ちがいい。

ということで、新年一発目の記事がこんな風になってしまった。これではあんまりな気がしてきたので、そうだ、こうしよう!

2023年の目標を決めていなかったので、

「始末良く」

にしようと思う。まずは、昼ご飯の洗い物をやれだ。


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