経営者ごっこ
この国だけじゃないのかもしれないけれど、現地の人が集まると結構な確率でビジネスの話になる。
ビジネスというとかっこいいけど、もっと雑な商売という感じ。
例えば日本製のハンディファンなんか持っていると、「それめっちゃいいやんこっちで○ドルで売ったら利益出るやん。輸入してくれん?」とか
日本人というだけで、「日本にこのコーヒー輸出したいんやけど一緒に組んでやろうや!」
みたいなめちゃくちゃ軽いノリ。
冗談なのかな?と思うけど、こっちがその気になればそのまま始まりそうな勢いで話が進む。
これが意外と嫌ではなくて、むしろ面白いなと思う。
日本の友達と「いつかカフェとか経営したいよな〜」と話すことはあってもあくまでも空想であって、
大前提としてどこかに起業とか自営業なんて…という気持ちがある。
少なくとも雇われの身しか経験したことない私は本気で自分で仕事をするなんて考えたことがないし、安全地帯から出る気もないまま、宝くじ当たればいいなくらいの気持ちで話していることが多かったと思う。
グレーゾーンの労働が蔓延るこの国では、終身雇用制度なんてごく一部で、泥臭く仕事やチャンスを掴んでいかないといけない。
そういった背景もあってか、老若男女問わず何かチャンスがあるならやってみようか、という気持ちを持った人がとても多いなと感じる。
ちょっとネガティブな言い方をすると向こう見ずとも言える。
そんな環境下にいると自分でも何かやってみようかな…という気持ちになってくるから不思議。
そんなこんなで、最近は人気のカフェやら話題のスポットに行って、勝手に経営者目線で色んなことをチェックするのにハマっている。
ここはサービスがいいけど食事が微妙だな、この立地だったら学生と周辺住民が主な客層だな、とか。
いや誰?という感じやけど、これが何だか面白い。
一丁前に中〜大企業の経営者くらいの目線で考えているので、利益をどうやって社会に還元するのかまで考えて、その課題の多さに頭を悩ませるところまでがワンセット。
立ったことのない目線で街を見ると違う風に見えてくる。
この感覚はきっと色んなところで応用できるぞ、とワクワクしている。