堀の内

云わずとしれた 落語の基本中の基本
みんな大好き 堀の内

三遊亭志う歌師匠がらくごカフェの開口一番にされた際に「簡単だけど、めちゃくちゃ難しい噺」と言われた 暫く高座にかけてこなくて、久しぶりに虫干しとのことでした
考えたこともなかった 確かに単純明確なストリー 楚々かしい人が御祖師様に願掛けに行く それだけの話 演者の力量(話力)次第で、客席を引き潮状況にさせるか、笑い転げる客だらけにできるか… 

志う歌師のこともあったけど、ある二ツ目さんが国営の某賞レースに自分の師匠の十八番であるこの噺をかけて、挑戦すると聞いていました 結果は、見事一次敗退 当たり前だわ そう思うのにはきちんと理由があります

某所での落語会で前方を務めた二ツ目さん 某師匠が演るからそれを録音して、書き起こししてこれから覚えます! 目の前で意気込み? 聞きましたけど…  無謀すぎ 師匠の十八番は君の十八番にそんな簡単にはならないよ 自分の師匠の事わかってる? 堀の内をあんなにダイナミックに演れるのは、あなたの師匠だからだよ あなた自身じゃないし、ブっちゃけ今のあなたには、到底無理だと思いますけどと擦れっ枯らしは即座に思ってしまいました そもそも6年前から全く進歩が感じられない 元役者らしい なんで言葉をもっと大切に出来ないんだろう?? 緩急ってわかりますか?? 抑揚って知ってる? 声デカイ、小さいは緩急とは言わないんだよ 上下(かみしも)  わかってないの?
あなたの師匠の引き出しの多さ、筆頭弟子ならわかるでしょ? 瞬時に何百通りにも自動変換が可能な対応能力を持っている方 The古典の型を崩さないのに、現代言葉に違和感なく変換し、独特の表現力とその世界感は、「落語なんかしらないし、興味ない」の若い世代に当たり前に受け入れられている 適応能力の数値が天文学的 その人の十八番 完コピしたところで、全く別物にしかならないよ
自分の濾過紙に何度も通して、自分の中に入れて、自分の噺にする それを1ヶ月かけず
演れる度量が自分には十分にあると??
すんげー自信家さん ってかそれができるなら、今頃役者やれてんじゃね? それか売れっ子二ツ目なんじゃない?? そもそも落語してて楽しい? 感じないんだよね 落語していて楽しいとか、落語愛、落語リスペクト がまったく ご贔屓様には大変申し訳ないけれど? 言葉を生業にしてるなら、もっと言葉を大切にしてあげなきゃ 
これは別の二ツ目さんだけど、「実は持ちネタが少ない」とシレっと笑顔で答えた ん?? それまさか自慢じゃないよね?? 別に百、千のあらゆる噺を持ってれば言い訳じゃない
持ってんのに、ほぼ蔵にしまったままで、虫干しすらしない真打もいる…  からねぇ (・・;)
演れる場所がないが理由になるのかもしれない けど、それ理由にしちゃ本来ダメでしょ
演って、演って、演り倒せるのが二ツ目の特権じゃん 真打になってしくじらないために二ツ目でいろいろ試して、探して、磨いて、増やしていかにゃ 素人が偉そうにいろいろ言って失礼いたしました <(_ _)>

これも志う歌師匠がおしゃってたんだけど、
「前座修行で炊事、洗濯、掃除をするって、義務じゃない その日どうしたら、師匠気分良く過ごしてもらえるか?を考えるのと掃除、洗濯、炊事はイコール それは、二ツ目になってからお客様対応に繋がっていく大切なこと」志う歌師の言葉には説得力と言うか
なんで?どうして?に明確かつ端的 そうなんだ!って脳が理解するより先に体内に浸透している 最近の前座さんはしないらしい
コンプラ問題なんだか、住宅事情なんだか、大人の事情なんだか詳しくは知らんけど
だからろくに挨拶すら出来ない前座が増えている 師匠の問題じゃない、イチ成人、イチ社会人としての最低限すら出来ないのだ
身内でも関係者でもないので、口も出さないし、手も出しません 

某二ツ目さん達のアノ会で、びっくりな話を笑いながらしてて… 引くよりまぢ危ねぇ〜
と思いましたとさ     おしまい