進化した6次産業化「農山漁村発イノベーション」
「農山漁村発イノベーション」とは、農水省が打ち出している新しいワードです。地域資源をフル活用して、地域の雇用・所得を創出するための取り組みを意味します。
農山漁村発イノベーションの今
2022年度に生まれた「農山漁村発イノベーション対策」。
6次産業化を発展した取り組みを交付金という形などで支援して、地域の新事業や付加価値を創り出そうとしています。
その内容は以下のように大きく2つに分かれています。
交付金申請事業者は、国とダイレクトなやりとりだけでなく、ほとんどの事業の申請などには必ず「都道府県」を介して行なわれます(※2.1.2、2.2.2以外)。
この支援には「連携」がキーワードのひとつになっていますが、事業者同士だけではなく各自治体とも連携し情報共有するのがとても大切になってくるのですね。
★がついた2つの事業は、2023年5月8日から交付金申請の追加募集が開始されています。ここでは、この2点を読み解いてみたいと思います。
・ソフトを整える、A-1:農山漁村発イノベーション 推進支援事業
・ハードを整える、B-3:産業支援型
ソフトを整える「農山漁村発イノベーション推進支援事業」
ソフトを整えたい、以下のような方が使えそうです。
・地域内連携して、地域産物を加工商品開発をしたい人
・販売先を販路開拓先または直売所にしたい人
・事業開始年度から3-4年以内に、
売上高を10%以上増加させる目標を持てる人
実はこのソフト事業は、併せてハード事業(=産業支援型)や専門家派遣事業も活用できるそう。幅広いですね。
細かな決まりとしては、以下4条件が必要です。
ハードを整える「産業支援型」とは?
ハードを整えたい、以下のような方が使えそうです。
1)加工・販売施設等の整備したい人
2)再生可能エネルギー発電・蓄電・給電設備したい人
細かな決まりとしては、以下4条件が必要です。
そのほかの支援に、専門家派遣サービス
交付金で支援する以外にも、農山漁村関連で使えそうな専門家派遣サービスが3つありました。これらは農林漁業者さんだけでなく幅広い方が利用できますので、ご興味持たれた方はサイトを覗いてみてください。
▼農山漁村発イノベーション中央サポートセンター
農山漁村にある多様な資源を活用したイノベーションを起こしたい人向け。全国各地のプランナーによる支援が可能。
▼INACOME(イナカム)
農山漁村地域に新たなビジネスを生み出したい人向け。農林水産省が手掛ける起業支援プラットフォーム。
▼地産地消コーディネーター
施設給食での地産地消を取り入れるため、地場産物利用拡大や供給体制づくり等に詳しい専門家を派遣する事業。
そもそも、なぜ農山漁村のイノベーション?
なぜ農山漁村に、イノベーションが必要なのでしょうか?
一度振り返っておきたいと思います。
もともと、農林水産省が取り組む目標のひとつに以下の重要な2点があります。
1)農林水産物の付加価値を高める
2)農林漁業者の所得向上
これらを実現するために、これまで「6次産業化」を進めてきました。
そして2022年度に「6次産業化」をさらにアップデートします。6次産業化にプラスされたのは「多様性」です。
どんな多様性でしょうか?主に以下の3つが挙げられています。
農山漁村発イノベーションに取り組むことで、各地で付加価値の高い地域資源活用商品が生まれ、これにより農業だけではなく地域全体で新しい雇用と新しい所得創出を目指しています。
その支援策に手を挙げた事業者にイノベーションを期待しているのですね。
私のアクション
街のポテンシャルを発揮するためには、情報の循環が欠かせません。事業者同士はもちろん、前述したように自治体の協力を仰ぐのならば尚更です。
付加価値を伝える手法として、デザインやブランディングは重要な役割を持ちます。私は交付金申請のプロではないのでそこへのリソースをなかなか割けずにいますが、この記事のように皆様に情報をシェアすることで出会う同じ意志を持った方々とともにデザイン経営の視点で貢献できたら素敵です。
ところで、余談ですが…
「6次産業化」は以前は「農林漁業者が自ら3次まで行なうこと」だった気がしたので、とてもハードルが高いなと思っていました。
以下が最新でしょうか、今は農山漁村発イノベーションの方針のように地域と「連携」して行なう方向に変わったのかもしれません。
情報はとても大切だなと改めて思います。
情報取得に役立つのが、農林水産省のメールマガジンです。ものすごい種類のマガジンがありますが、気になったものを登録だけでもしておくといつか何かの役に立つかもしれません。よろしければリンクからどうぞ。
それではまた!
お相手は、”小さなトリコ”を大切にする
コトリコ江藤梢でした。