After story
あの頃から何回カレンダーを捲り
カレンダーが変わってきたことだろう。
チクタクと時間は流れ今日が終わる。
毎年の桜のニュースをまだ晴れた気持ちでは
みれていなかった。
ある日一件の不在着信。
留守番電話の録音を聞いてみる。
二人で久しぶりに会わないかとの連絡。
あまり久しぶりではないような感覚だ。
あの時の待ち合わせ場所で待っている。
いざ着いてみると、三人が揃わなかった
約束を思い出す。
この場所だけは時が止まっていた。
目の前にある横断歩道を遮る車の影を追っていると
なぜか見たことのある二人。すごく懐かしい。
だけれど一人は記憶の最後にある制服のままだ。
やはり三人揃うことはない。二度と。
口パクで何かを伝えているのを感じ、必死に読み取った。
『じゃあね。』きっとそう言っていた。
最後に三人で揃うことができてよかった。
そう思い、二人で沢山の場所まわった。
あの日すれ違った学校の入口、教室。
三人で帰った帰宅路、並んで座った河川敷。
沢山の思い出が蘇る。
もう引きずることはないだろう。
三人で揃うことができたから。
おわり。。