ちょっと思い出しただけ
ずっと待ってた映画を観た。
ちょっと思い出しただけ。
とてもとても良かった。
忘れたくないから、感じたことを書いていく(内容に触れています)。
出会いに向かっていくというストーリーの構成が素晴らしかったと思う。別れから出会い、そして今。
別れに繋がる場面を観ているとき、自分ばっかりは自分なんだよ、好きなのに自分から手を離しちゃダメなんだよって言いたかった。あの日の自分を見ているようで。
でもそれは過ぎたから、離れて見てるから言えること。そういうのも全部思い出にして生きてきたし、生きていくんだな。
終わってしまったことを知っていて見る二人の時間は、とても切なかったけれど、それ以上に愛しかった。私にもあったんだ。あんな時間が。うまくいかなかったけれど、楽しいことも嬉しいこともこのままずっと一緒に居たいと願ったことも、愛しい時間だったんだ。恥ずかしさやとてつもなく大きな後悔や悲しみや苦しみにかき消されそうになってしまうけど、そのことを忘れたくないな。愛しさでくるんで大事にしまって、時々思い出すのもいいな。そんな風に思えた。
誕生日に、キッチンから戻ってきたらドアノブにプレゼントがかかっていて、「これなにー!」って驚く私に、「サンタさんかな」って嘘をついて笑っていたこと。ソラニンごっこしてはしゃいだこと。付き合った日に一緒に歌った深夜高速。10年経っても私の中に残っていた思い出。照生と葉を見ながら、すごく思い出していた。映画の中にあの日の私たちみたいなことしてる二人がいたよ、あの頃はありがとうどうか元気でいてね。
そして、会話がとてもよかった。説教くささは全然ないのに、考えが広がっていく。じんわり染みる。人っていいな、と思う。
どの場面も、どの登場人物も、偶然だけどきっと必然でとにかくぜんぶ良かったなあ(うまく言葉にできないー)。
あの別れがあって、手を離してしまった(離される前に離した)ことを悔やんだ日々があって、出会いがあって、新たに掴んだ手を繋いだまま歩いてきた日々がある。そして命より大切な存在がいる。いつかは終わってしまう今を生きてる。終わると分かっていて見る二人の時間があんなに愛しかったように、未来から見た私たちの今はきっととても愛しくて尊いものだ。
だから、いろいろあるけど生きていこう。
夜明けの空みたいな映画だったな。
言葉にするときれいごとみたいになってしまうけど、でも本当にそんな風に思ったのです。
尾崎さん、こんなに良い曲を作ってくれてありがとう。松居さん、こんなに素敵な映画をとってくれてありがとう。池松くんも沙莉ちゃんもクリープハイプも映画に関わっている全ての方々にありがとう。
ナイトオンザプラネット、本当に本当に良い曲。映画館で聴けてよかった。
公開中にもう一度観に行きたいな。