雑貨と、珈琲と。
唐突に嫁から「店を始めたら?」という提案をもらえたことで初めて何をしたいのか考えた。
資本金の大小で勝負しづらくて、敦賀にないお店。そして大前提が、自分の好きなモノ。
自分が好きじゃなければ売れることは絶対無い。思い入れの大きさで売れるかどうかが決まる。そんな気持ちで考えた。
家具屋や本屋もアタマに浮かんだのだけれど、資金が足りない。特に家具屋は私の好きなモノだけを配置したらお金がいくらあっても足りなくなってしまうし年間で幾つ売れるんだ?ていう高額商品ばかりになってしまう。
元々が高校生からの家具好き。当時はミッドセンチュリー全盛期でイームズやパントンに憧れた。幾つかは買いそろえたけれど、売るほどのスペースも自信も持てなかった。
家具は大きい場所で多くの商品を持っていた方が圧倒的に強い。考え始めてすぐに頓挫した。
で、本屋。
前々職がフリーペーパーの広告営業、元来の雑誌好き。立ち読みやサブスクリプションサービスの利用を含めれば月間に50冊ほどの雑誌を読む。ジャンル問わず雑食で雑誌を読み漁る。
ただ、これもスペースの問題にぶち当たる。新刊本を扱う書店は家具屋と同じく、圧倒的にスペースと資金力がものを言う(と思っている)。
資金力が乏しいという理由で比較対象から外れるのはイヤだ。違う尺度で小さくても勝負できるモノ。
で、思い出したのが雑貨店。
インテリア好きでそのまま雑貨も好きなので、雑貨店ならどうだろう?福井市には私の好きな雑貨店がいくつもあって、それぞれが個性的なで、しかもそこまで大規模なお店ではないスペースで人々の暮らしにそれぞれの華やかさを添えていた。
幸い、雑誌好きなので雑貨の情報は人よりは入りやすい。規模感も問題ないし何より安売り競争に巻き込まれなくて済む。
これは大きかった。小規模店が大規模店と同じように値下げ競争をすればほぼ確実に負ける。負けないためには値段を下げず、きちんと利益をいただく。それをしっかりと体現できる、そして私が本当に大好きなジャンルを仕事にできる。
こうして私は雑貨屋になることを決めた。