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日本の良さを海外に伝えたい | Miwa & Co. 三輪大樹 × COTEN

株式会社COTENの挑戦を応援してくださる、法人COTEN CREW企業の皆様をご紹介します。
COTENを通じて人文知に投資することを決めた彼ら。
日頃、どのような問題意識を持って活動されているのでしょうか。
今回はMiwa & Co.の三輪大樹さんです。

三輪大樹(みわ・だいき)
1977年兵庫県生まれ。Miwa&Co.株式会社代表取締役。東京都港区在住。
海外事業に携わるため大学卒業後NECに入社、2019年までに約30カ国で国際通信の基幹網である海底ケーブルシステムの設計・建設に従事。40歳を超え新たなことに挑戦するため、令和のスタートに合わせMiwa&Co.株式会社を設立、国際通信に関わるコンサルテイングを中心にビジネスを展開し、写真家としても活動中。

海外で仕事がしたくて飛び込んだ海底ケーブル事業

COTENインタビュアー(以下、ーー)もともとはNECで働いていらっしゃったんですよね。どのようなお仕事だったんですか?

三輪さん:NECには、1999年から2019年4月までいました。
海底ケーブルってご存じですか?海の中に通信用の海底ケーブルが走っているんです。ケーブルには2種類あって、ひとつは通信用、もうひとつは電力用。僕は、通信用の海底ケーブル事業でプロマネや設計をやっていました。日本周辺やアジアもですけど、日米やカリブ海、中南米、北米、アラスカの方もやっていましたね。

ーー現地のネットワーク会社からNECが委託を受けて、設計や配線支援を三輪さんがプロマネとしてやってたということですか?

三輪さん:おっしゃる通りで、現地の会社がケーブルのオーナーになって、NECがそこと契約して敷設建設をする、という感じですね。

ーー最初から海底ケーブル事業に携わっていたのですか?

三輪さん:最初は海外の電話交換機の事業でした。その事業が終了するときにたまたま海底ケーブル部門の人と仕事をする機会があって。2001年に社内異動の公募制度を利用して、海底ケーブルの部門へ異動したんです。

ーーずっと海外なんですね。そう思った原体験みたいなものはあるんですか?

三輪さん:1998年の長野オリンピックが大学3年くらいに開催されたんですけど、そこでアルバイトをしたんです。イギリスのBBC放送とか海外のテレビ局の人たちと仕事をする機会もあって。僕はケータリングのアルバイトだったんですけど、テレビクルーに混じって取材や試合を見ることもできて、いろいろな話も聞きました。
その時に知り合った人たちが「海外で仕事をするのは面白いよ」って。じゃあやってみようと思ったのがきっかけです。海外で仕事するってかっこいいな、英語は全然喋れないけど、でもやる気があれば何とかなるだろうと思って。
それで入社の時に「海外で仕事ができるなら何でもやります」って言ったんです。

40歳を超えて挑戦した起業

ーー会社設立は40歳を超えての挑戦ということだそうですが、国際通信に関わるコンサルティングっていうのは、さっきの海底ケーブルと繋がって事業ですか?

三輪さん:そうですね。今やっているのはコンサルティング会社で、海底ケーブルのデザインや工事、保守、運用などのコンサルティング業務がメインです。

ーーNECから再委託みたいな感じで?

三輪さん:僕がコンサルティングをやっているのは、どちらかというとオーナー側なんです。例えば今、海底ケーブルをよく作ってるのがGoogleとかメタ(Meta Platforms, Inc)なんですけど、そういうところから仕事をもらってやってます。
だから、どちらかというとNECをマネージメントするみたいな役割ですね。

ーー独立されたのは何かきっかけがあったのですか?

三輪さん:40歳くらいになったらキャリアについて考えたり研修をしたりといった企業は多いかと思うんですが、NECでも今後のキャリアについての研修があったんです。
海底ケーブル事業も長かったので他の海外事業についても相談してたんですけど、そうしたら研修の先生から「君は起業したらいいんじゃないか」ってアドバイスをもらったんです。同じころに違うキャリアアドバイザーの方からも「海底ケーブル以外のことを知るためにも、転職や起業を考えたらいいですよ」って言われて。
子どもたち2人も高校生ぐらいになって手も離れてきたところだったし、ちょうど令和元年だったのも節目と感じて。
いろいろなタイミングが合ったので、よしっと思い切りました。

ーー独立してみてどうでしたか?

三輪さん:最初は海外に出張したり長期で海外に住んで仕事をもらって、そうやって収入を得ていくかなと思っていたんですけど、ちょうどコロナ禍になって。
すると、海外から日本に来られなくなったGoogleやMeta (メタ)の人から代わりに仕事をしてほしいというオファーが入ってきたんです。
結局、日本にいながら仕事をいただいて軌道に乗せられる状態になりました。あと、円安も追い風になりましたね。今の契約は2019年~20年頃に締結していて、延長しています。円安でレートが変わったので、単純に収入が1.5倍になっていて。

ーーなるほど。

三輪さん:それで、せっかくだから少しでも貢献したいと思って法人COTEN CREWになりました。

ーー寄付先としてCOTENを選んだんですね。

三輪さん:COTEN RADIOで得られる情報は価値が高いなと思うんです。
普段から本とかも読んでないのに、これだけの情報をもらえるんですよ。うちの会社は国際通信なので、海外の人とコミュニケーションを取る機会がすごく多いんです。そのときに話題として使えるんですよ。歴史について雑談ができるんです。海外の人って歴史に詳しい人が多いんですよね。

ーー確かにそうですね。

三輪さん:COTEN RADIOを聞くようになってから、そういった話題も自分から話せたり事業経営をやっていく上でも有益な情報が多いし。それでぜひ法人COTEN CREWにと思いました。

ーー宗教とかもよさそうですね。

三輪さん:宗教もすごくいいですね。海外の人にはイスラム教やキリスト教の人がやはり多いんですが、COTEN RADIOのおかげでかなり理解が深まりました。国によって文化がかなり違うんだなっていうのは思いますね。

ーーCOTEN RADIOで好きなエピソードってありますか?

三輪さん:マルクスやガンジーの回は好きですね。あとはレヴィ=ストロースも良かったなあ。概念的なところが好きですね。仏教も目からウロコでしたよ。仏教は宗教だと思っていたけどCOTEN RADIOを聞いたら全然宗教っぽくなくて、どちらかというと哲学っぽいんですよね。そういうところも面白いなと思います。

海外に広がる日本の魅力と可能性

ーー海外とのつながりで日本を外から見る機会が多い三輪さんの視点から、もっとここを広げたらいいなと思うものって何かありますか?

三輪さん:ありきたりですけど、日本って食べ物の品質がいいですよね。食材も日本酒も食べ物だけではなく工芸品とかも、海外の人にも好きな人が多いんです。国際通信網がこれだけ発達してる今、海外から日本に来なくてもいろいろなものを買ってもらえるような仕組み作りって、もっとできるんじゃないかなとは思いますね。
今はインバウンドで日本に来て実物を買って帰っているんですけど、帰った後にさらに追加で買ってくれるような仕組みがあればいいなと思います。
海外の人が日本に来ると、本当に買いたいものや行きたいところがたくさんあるんです。向こうでは買えないからこの機会にあれもこれも買って帰る、とよく聞くので。
最近来日したアメリカ人はジブリのぬいぐるみやTシャツを買ったり、あとスルメですね。

ーースルメですか?!

三輪さん:スルメが本当に大好物なんだって言ってましたね。あとは日本の米もそうですね。まだまだ海外で手に入らない日本のものって多くあると思うんですよ。
今は個別のサイトで販売されているのが多くて選択肢が少ないんですね。うまく購入できる仕組みがあればいいなと、そんなことをよく考えていますね。

ーー三輪さんが今後やっていきたいことや会社としてこうしていきたいことってありますか?

三輪さん:実はあまりなくて、のんびりやっていけたらいいなって感じなんです。
うちの会社は、既に会社を引退された方に手伝ってもらったり、あとは副業で手伝ってもらってるみたいな人が多くて従業員は雇ってないんですよ。今後も、そういう体制を維持していきたいんです。基本的には、今の仕事を粛々と続けていきたいですね。

ーー業界としてこれからも伸びていきそうですよね。

三輪さん:そうですね。海底ケーブルはこれからも伸びていく事業だと思うので。ストレスフリーでやっていくのが一番いいかななんて思っています。

(編集:株式会社COTEN 内山千咲/ライター:森まゆみ


ここまでお読みいただきありがとうございました!

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