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メタ認知を活かし、急成長する開発集団 | 株式会社Deto 恩田多賀雄 × COTEN

株式会社COTENの挑戦を応援してくださる、法人COTEN CREW企業の皆様をご紹介します。
COTENを通じて人文知に投資することを決めた彼ら。
日頃、どのような問題意識を持って活動されているのでしょうか。

今回は株式会社Detoの代表取締役社長、恩田多賀雄さんです。

※COTENのフラットな空気感をお伝えするため、今回のインタビューはニックネームで実施し、記事もそのままお届けします。

恩田多賀雄(おんだ たかお)
株式会社Deto代表取締役。
1959年岐阜県出身。1979年岐阜工業高等専門学校卒業後、出戸水栓(現株式会社Deto)入社。1985年2代目として代表取締役社長就任。1992年盛和塾入塾、1997年私塾「始道塾」開塾。
企業理念「あなたもよくなれ、わたしもよくなれ、みんなよくなれ」を世の中に広めていくことを事業目的とし、水回り製品の製造開発を中心に事業を展開する。

逃げることを楽しみながら遠くまで行く

COTENインタビュアー(以下、ーー):まずは事業内容をお伺いしてもいいでしょうか?

恩田多賀雄さん(以下、恩ちゃん):シャワーとかトイレとか水回りの住宅設備のOEMをやっています。OEMと言いましても、われわれは自分たちのことを「事業センスのある開発集団」と定義しています。お客さんのお話を聞いて、本当に欲しいものは何かを掴み、ご提案することでお応えしているような会社です。

ーーなるほど。

恩ちゃん:OEM事業を伸ばすために、BtoBの営業など自分たちの顧客を自分たちで作っていこうとしています。「逃げることを楽しみながら遠くまで行く」を掲げているんです。

ーー「逃げることを楽しみながら遠くまで行く」って、どういうことですか!?

恩ちゃん:これ、COTEN RADIOの番外編の中で、プロセスエコノミーの小原さんの話に出てくるんです。
Netfixさんは、最初はただのレンタルビデオ屋さんだったんです。それがライバル会社が出てきたから、ビデオを郵送するようにしたら、ライバル会社も郵送することをまねてきた。その場その場を逃げるように楽しみながら事業展開していったら、自分たちで動画を配信するところまでいっちゃったと。

ーーなるほどー。逃げた先に事業チャンスがあるってことですね。面白い。

恩ちゃん:実は、2019年と比べると売り上げがおよそ5倍になっていて。と言ってもね、急に伸びたのは最近なんですよ。

ーーえぇ、そうなんですか?なにが起きているんですか?

恩ちゃん:メタ認知。

ーーきた、メタ認知!

恩ちゃん:本当にそうなんですよ。COTEN RADIOを聞かせてもらって、非常に感謝しているんですわ。これは絶対経営者が聞くべきだと。だから法人COTEN CREWに100社、勧誘しようと思っているんです。

ーーそれは、ありがたすぎる!(笑)

恩ちゃん:私が私の時代を進める、ということをやってみたいんですね。データベースをつくってだんだん時代を進めることに、私も是非とも参加したいなと。
今までの資本主義だと、自分で5万円出したら5万円が自分にどう返ってくるかをやるんだけど。法人COTEN CREWは、5万円を投資したら5万円が世の中に返っていく。そういうやり方を近くで一緒に考えてやろうや、って言ったら「入る、入る」って言う企業の人がいるんですよ。

決めたら伸びる!

ーー面白い話題がいっぱいあるんですけど、やっぱり業績が伸びた理由がすごい気になりまして。そのストーリーをお伺いしたいです。

恩ちゃん:どこから話したらいいですかね。実業家の稲盛和夫さんがボランティアでやっていた盛和塾に30年前に入っていました。当時、売上9割の契約をしていた会社に切られて、うちは倒産するなと思って、どうしたらいいのかわからなかったんです。ちょうどその頃、盛和塾というのがあると偶然聞いてすぐに入りました。

ーー9割はすごいな。すがるように入ったわけですね。

恩ちゃん:そう。そしたら会社は潰れずに伸びたんですよ。生き延びられたんです。だんだん業績が上がってきた頃に、「君たちはね、僕から学ぶばかりじゃなくて、隣近所の人にも教えろ」と稲盛塾長に言われまして。

ーーへぇ。

恩ちゃん:それで、「あんたから習うわ」って言ってくれていた隣近所のペンキ屋のおばちゃんと、床屋のお兄ちゃんと、生徒4人で勉強会を始めました。その勉強会がなんか面白かったみたいで、3年目に30社に、10年目くらいに500社になりました。

ーーえ、ちょっと待って。500社!?

恩ちゃん:そうなんです。ボランティアでやっている私の始道塾で、上場企業も7社出ています。先ほどの「なんで急に業績が伸びたのか」っていう質問に答えると、他社を伸ばすのがすごく面白かったんですよ。

ーーほう……。

恩ちゃん:あとは、自灯明(じとうみょう)になることを2016年頃に決めました。法灯明(ほうとうみょう)として教えるだけじゃなく、「まず自分が稼いでやってみせることもせんとな」とメタ認知できた、決められたことが大事なんですよ。

ーー決めて、そんな業績伸びます!?

恩ちゃん:伸びるんですよ。決めたら、伸びるんですよ!

ーーうーん。たとえば売上目標10億円と600億円じゃ、当然視座が変わる訳ですけど、どう変わったんでしょうか。社員の人の意識も変わりましたか。

恩ちゃん:社員はそんなに変わらなくて。歴史と同じで社員の意識変容には時間がかかります。でも自分の意識の中はどんどん変わっていった。

ーー自分の意識が変わると、行動も変わりますよね。具体的にどういう行動に変わったんですか。

恩ちゃん:まさにメタ認知ですけど、自分が目指す方向に情報を集め直すようになりました。同じ情報でも情報のインプットの仕方が変わり、アウトプットの仕方も変わり、事業の組み立ても変わってくるわけです。

ーー新しく事業を作るようになったんでしょうか。

恩ちゃん:いや、事業内容は全然変わっていないんですわ。お客様に私共が提案するレベルが上がりました。先んじて投資して開発人材を3倍4倍に増やし、お客様の要望のもっと広い範囲に対応できるようになったんです。

ーー増やして成長すると決めたから。

恩ちゃん:そう。決めればいくんですよ!

ーーいやぁ。この決めればいくって話、すごい面白いですね。

メタ認知の意義とは

ーー何の情報がいま必要か、その必要の定義はどう捉えていますか?恩ちゃんの定義は、人と違うんじゃないのかと。

恩ちゃん:どこを目指すかが大事です。私が関わっているある企業の社長はね、自分の商品に全然惚れこまないんですよ。自分がやりたいことは何かっていう1点にだけ非常に意識が高い。いまはある業界にいるんですけど、市場開拓のために別の業界がいいな、そのためにどうしようか、というふうに彼は考えているんですね。

ーーなるほど。

恩ちゃん:そんな成長戦略をもつ企業様の要望に応えていくためにも、自社の体制を新しく作る必要があると考えています。

ーーそれは、かなりメタ認知が必要ですよね。業界を飛び越えてメタ認知して、必要なものを取り入れながら、開発力を上げて成長していく。そういうことをされているんですね。

恩ちゃん:はい。

ーー今後やっていきたいことは、なんでしょうか。

恩ちゃん:私が薫陶(くんとう)を受けた稲盛塾長と逸見先生、おふたりの意思を継ぎ、広める役目をしていきたい。理念をきちっとして管理体制もちゃんと作っていくと、中小企業はうまくいくんですわ。そういうことを通じて社会貢献ができたらいいなと思っているんですよね。

ーーなるほど。自分の業界や自社の視点で考えてしまう企業さんって多いと思うんですが、何がメタ認知のきっかけになるのでしょうか。

恩ちゃん:時の流れをちゃんと掴もうとすること。どういう風に時が流れていくか。人類の歴史の中で話をすると非常によくわかる。138億年前に宇宙が生まれ、人間としての時代に資本主義があって、会社というものがあって、そこで何を演じていくか。

ーーなんか流れが読めていきそうですよね。楽しみ。

恩ちゃん:そういうことですよ!楽しみよ~、これ!!

ーー面白い話をいろいろと、今日はありがとうございました!


(編集:株式会社COTEN 内山千咲/ライター:岡本綾香


ここまでお読みいただきありがとうございました!

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