意思を持って狂う。資本主義と広告業界に風穴を開けろ | The Breakthrough Company GO 三浦崇宏 × COTEN
法人COTEN CREWになってくださった企業の方々への対談連載。
今回はThe Breakthrough Company GO 代表取締役 PR/CreativeDirectorの三浦崇宏さんです。
COTENがグランプリを受賞したACC賞の審査員も務めた三浦さんは、広告業界に対する強い思いがありました。
対談のお相手は同じく法人COTEN CREWでもあるreborn株式会社のハブチンこと羽渕彰博さん。
法人COTEN CREWのコミュニティは、敬語を使わず「タメ語」で話すのが通例。その空気感をお伝えするため、記事内も「タメ語」のままお送りします。
COTENのACC受賞は何がすごかったのか
羽渕彰博(以下、ハブチン):まず時事ネタなんだけど、COTENが受賞した、ACC賞ってどういう賞なんだろう。あれって、広告業界じゃない人には、いまいちすごさがあんまり伝わっていない部分もあって。
三浦崇宏(以下、みちゅ):広告業界でいいCMとか、いいプロジェクトがあっても、誰が関わったのかわかんないっていうのが多くて。その年の代表的な素晴らしいプロジェクトをちゃんと認めて、業界内で何を目指すかを話し合おうよっていうのがACC。映画における日本アカデミー賞、テレビにおけるギャラクシー賞的存在が、広告におけるACC賞。この業界においては、最も大きい評価体系だね。
ハブチン:なるほど、業界で権威がある賞のひとつなんだね。
みちゅ:応募作品総数は2553、COTENが受賞した部門で112のプロジェクトが応募されてて、その中の最も優れたものであるということ。
ハブチン:COTENが応募したのはどんな部門?
みちゅ:今回COTENが応募したのは、ブランデッド・コミュニケーション部門。おれはその部門で審査員を務めていて。広告以外のものも含めて、企業の課題解決を図るコミュニケーションを、幅広く褒めていこうっていう姿勢でした。
ハブチン:そこでCOTENはどうやって評価されたの?企業の課題解決になってるの?
みちゅ:COTEN RADIOっていうコンテンツそのものが、株式会社COTENのプロモーションとしてものすごく機能したよねっていう評価の仕方です。
ハブチン:そういう構造ね。
みちゅ:COTENっていう会社、もともとは誰も知らない会社でしたよね。でもこの3年間にCOTEN RADIOっていうコンテンツを配信し続けたことによって、おれも含めてCOTENって会社を認知する人がめっちゃ増えた。そして、法人会員っていう人たちがたくさん集まって仲間を集めることができたし、同時にお金を集めることもできた。
ハブチン:法人COTEN CREWもそうだし、必ずしも上場目的じゃないのに調達もできてて。そうやって人がみんな動いてるっていうところが評価されたってことだね。
みちゅ:さらに言うと、それはタレントを使ったわけでもないし、すごいお金がかかるようなアセットを使ったわけでもない。
本当にローコストで会社がもともと持っているものを使って、これだけ多くの人に情報を届けた。
それによって多くの人々が動いたっていうことは、素晴らしいプロモーションなんじゃないかっていう評価ですね。
圧倒的な教養・モラルが求められる広告業界
ハブチン:今回GOが法人COTEN CREWになったのは、どういうことに期待してんだろう。
みちゅ:それで言うと、COTENに期待してることっていうのは3つくらいあるんだけど。
1つ目は、圧倒的な教養や、高いモラルを持つための要素を提供してくれること。
僕らの仕事って広告を作ることだったりとか、新しい変化や挑戦するやり方を提案する仕事なんすね。いろんな会社のテレビのCMとか経営者の発信とかに影響することができる存在なんですよ、良くも悪くも。
だから、我々この広告マーケティングに関わる人間は、圧倒的な教養、ものすごい高いモラルを持っているべきだと思ってるんですよ。
例えば、企業のアウトプットに、意図せずとも人種差別的な表現が残ってしまっていたら、大変なことになるわけで。
ハブチン:そういう何か倫理観みたいなところは常に問われていくよね。
グローバル企業であれば、なおさら。宗教とか、日本だけじゃない価値観とかも理解していく必要があるよね。
みちゅ:2つ目は、資本主義への問いかけ。今、資本主義の限界が来てる中で、どうやって乗り越えようかってことをみんなが考えてる。このタイミングで歴史のことを学ぶのは、すごく世の中に必要だと思うんですよね。
ハブチン:でもみちゅのお客さんって、一般的には資本主義ど真ん中と見られている方達だよね。そういうお客さんとやりとりしてても、ポスト資本主義的なものが、対話の中で求められたり、考えていくことがあったりするの?
みちゅ:めっちゃ考える必要があるね。今までの資本主義の考え方なら、今年1万円のものを100人の人に売ったら、来年150人に売らなきゃいけない。でもそれって人が増えてたから可能だったわけで、人が減ってるのに来年さらに多くの人に売るのは無理じゃん。
これからは、来年100人に愛されるとか、100人を幸福にするとか、質的な豊かさを新しくデザインすることが大事な気がしていて。龍ちゃんが資本主義に対して、そうじゃないあり方をずっと考えていることはおれにとってもすごい参考になる。
ハブチン:なるほどね。3つ目は?
みちゅ:3つ目はシンプルなんだけど、単純に龍ちゃんのことが好きかな。面白い人だと思う。一緒にいて楽しいよ。
意思を持った狂気
みちゅ:龍ちゃんは、役割としてあえて狂おうとしているように見える。狂っていないとこんな狂った世の中で、まっすぐ立ってらんねーよと。
ハブチン:言われてみるとそうかもしれない。COTEN社内や法人COTEN CREWの皆といるときの龍ちゃんって、ラジオには見せない一面も見えて、人として惹きつけられるなと思う。
みちゅ:意思を持って積極的に狂おうとしている人だと思っていて。すごく魅力的だなと思いますね。
ハブチン:それでいうと、みちゅも「GO三浦」っていうある種の責任とか役割をどっかのタイミングで背負ったのかなぁ。
みちゅ:GOっていう会社を作って、広告のビジネスを変えていくってことを考えたときに、ひとりの象徴がいた方がいいかなと思っていて。人間てさ、人格に感情移入するわけよ。人格が可視化されないと応援されない。
ハブチン:だからポスト資本主義、ポスト広告業界みたいな象徴としてGO三浦っていうキャラクターをブランディングしていった。
みちゅ:うん、意識的に。僕がやりたいのは、あらゆる日本のクリエイターの価値を高めたい、給料を10倍にしたいってこと。ところが、裏方でいることが美学みたいなところがあって。でも、表に顔出しても全然いいと思うし、自分がやったことに対してちゃんと正当な評価を得るべき。じゃぁ、なんで広告のクリエイターが裏方でいたいかっていうと、
ハブチン:おー、なんでなんで?
みちゅ:広告のクリエイターを雇用している大手の広告代理店からすると、クリエイターが発言力を持つと雇用するのが大変になってきて、リスクも多いから。「あんまり表に出ない方がいいんだよ」っていう美学で洗脳してたんだよね。
ハブチン:なるほどね。だから、業界の構造的にクリエイターが意見したり外に出るっていうことができづらい構造だったんだね。でもそれは逆に、みちゅが出たら叩かれるんじゃないの?
みちゅ:いやすんごい叩かれたし、今でも叩かれたりするよ。
ハブチン:そうなんだ。そこに対する自分のメンタルの持ち方とかはどうしてんの?
みちゅ:叩かれれば叩かれるほど、うれしいですね。精神が安定、気持ちが安心する。逆に叩かれないと不安になってくる。
今のビジネスを長い目で見たときに、100%おれがやってることが正しいっていう確信があるから、批判されると逆に自信につながる。だから、精神が不安定になると批判するツイートを見て落ち着くようにしてる。
ハブチン:批判されると、自信につながるってどういうメンタル?!
みちゅ:他のみんなはまだ自分のやってることの重要性に気づいてないのねと思う。その間しばらくひとり勝ちさせてもらうわって感じ。実際、結果としても出てるしね。
ハブチン:すごくおもしろかった!ありがとう!
ここまでお読みいただきありがとうございました!
この記事を書いた人:なるめろん(Twitter: @narumeron_1212)
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