k-pointとは
こんにちは、k-pointです。
自分はこのハンドルネームで4年くらいネット麻雀界隈にいますが、今日はこのk-pointの由来について書いてみようと思います。
結論とネット麻雀界隈に入る前の話
結論から言うと、k-pointは日本語だとk点 (ケーてん、ケイてん)で、麻雀の形式聴牌と固体物理学のk点をかけて作ったハンドルネームです。英語にしているのは日本語だとなんかダサいから。
※k点という用語はスキージャンプでも使われていて、そっちの方が有名な気はするけど、この名前には全然関係ないです…
自分が麻雀を始めたのは2019年の1,2月頃の大学院生時代で、当時よく行っていたバーのマスターに誘われたのがきっかけでした。そこからすぐに麻雀にハマったわけじゃなかったのですが、2020年からのコロナ禍でネット麻雀にのめり込んでから、麻雀用のTwitter (当時)アカウントも作り、界隈へ入ることとなりました。
界隈に入るにあたって大事になるのが、まずはハンドルネーム決め。 高校時代のスポーツ大会で、ふざけて作っためちゃくちゃ恥ずかしいチーム名で入賞してしまった黒歴史があるので、しっかり吟味する必要があります。
まずは取り入れたい要素をピックアップしていきます。麻雀界隈であること、ネットの繋がりであるということなどを意識した結果、下記をリストップしました。
①麻雀要素をハンドルネームに取り入れる
②麻雀以外の自分の個性も取り入れる
① 麻雀要素の部分
「麻雀界隈に入るわけだし、なにかしら麻雀要素がある名前にしたいよな」と当時は考えていました。まあちょっと考えれば、みんな麻雀やってる界隈で麻雀っぽい名前にする意味が大してないことは分かりそうなんですが、その時はなぜかけっこう拘っていて…
※当然、ネット麻雀オフ会の参加者リストを見ても、麻雀っぽい名前の人はそんなにいないという
そして厄介なことに、ただでさえ麻雀要素があるワードなんて限られているのに、「露骨なのは嫌だ」「ベタなのは嫌だ」みたいな謎のこだわりもあり… 確か両方とも他人との被りを気にしてだったとは記憶していますが。
例えばダマテンおじさんとかめっちゃ被りそうだし。
は!?
まあ被らないような名前にするという方針は間違っていなさそうだったから良いか…
しかし、そもそも麻雀っぽい名前 かつ ベタじゃないという条件を両方満たす名前自体が全く浮かんでこないという問題に直面しました。今思うと、麻雀漫画などのキャラなどを参考にハンドルネームを作っていた人もいて、確かにそういう方向性もアリだったな~、と振り返っています。ただし、当時はそういう発想も知識も無かったので、とりあえず麻雀用語やその略称なんかをいろいろ書き出してみてはなにも思い浮かばず消して… を繰り返して、1,2日が経過しました。
②麻雀以外の自分の個性の部分
基本はテキトーな性格なのに、たまに謎の固執を見せる癖が仇となり、①の段階で何も思いついていないのに、②の要素も考えなくてはならないという致命的な状況です。そもそも自分らしさが盛り込めるモノってなんなんだというところから始まります。趣味… 旅行とか登山…? どうやって麻雀につなげるんだ… といった調子です。
とはいえ、当時は大学院生だったので研究や勉強もしなくてはならず、ハンドルネームを考えるとかいうある意味しょうもないことで時間は長く浪費できません。普段通り研究室には行き、当時は材料工学をやっていたため、その一環でやっていた固体物理学の勉強を進めることにしました。
※ 固体物理学とは文字通り固体に起こる物理現象についての学問です。砕けた言い方をするなら、なぜ電気が流れやすい物質とそうでない物質があるのか? どうして熱が伝わるのか? 鉄などはなぜ磁石に付くのか? みたいなことを学びます。
というわけで、教科書を開き勉強を進めていると、ふとk-pointという用語が目につきました。内容としては学部生時代にも触れていたので、特筆して見るほどでもないことのはずだったのですが、ここから
k-point → k点 → ケーテン → ケイテン →形聴
という言葉遊びが瞬時に脳内で起き、無事に問題は解決されました。
オチはないですけど、結局①->②のアプローチでなく、②->①でなぜか結局麻雀の要素も取り込んだハンドルネームができたこと自体はけっこう面白いなと感じており、今でもかなり気に入っています。
おまけ: 結局k-pointってなんだよ
以下はk-pointについて、小学生でもわかりやすく解説する試みです (ぴよぴーよ速報風)
結晶の物理学
まず、この世のものは全て原子という玉の集まりで作られています。
そしてこの原子が規則正しく並んでいる固体を結晶と呼びます
原子自体は非常に小さく、また原子と原子の間の距離も非常に短いです (大体0.数nm (1nmは1mの1/1000の1/1000の1/1000))。そのため、人間が扱えるようなサイズの結晶には途方もない数の原子、そして上記のような規則正しい構造が延々と並んでいます。
結晶について説明したところで、原子に話を戻します。原子は原子よりさらに小さい玉で構成されていて、その中に陽子と電子があります。これらはそれぞれ+と-の電気を帯びていて、特に電子の移動は物質の電流や熱の伝播にも関係しています。それゆえに、固体の中で電子がどのような動きをするかを知ることは、その物質の性質を学ぶ上で非常に重要です。
とはいっても前述の通り、現実に扱うレベルの大きさの物体の中には無数の原子などが含まれていることになるため、これらを全てひっくるめて電子の運動を考えるには、途方もない量の計算が必要になります。なんならスーパーコンピュータを使っても処理しきれません。
なので、どうにかして簡単に考える方法を見出さないといけないのですが、ここで結晶では原子が規則正しく並んでいるということを思い出します。このことから、結晶の規則的な構造の最小単位でどのような電子の振る舞いが起きるかを考えることによって、それを全体におおよそ適用できることができるようになります (Blochの定理)
なので、これからは図中の黒い立方体で示される部分のみについて考えれば良いということになります。
結晶と電子を考える
ここまでの説明で、電子は非常に小さな粒子として扱ってきましたが、電子は粒子としての性質と波としての性質を合わせもっていることが分かっています。以降は、電子の波としての性質に注目して、k-pointが何かについてまで話を進めていきます。
波には振幅、周波数、位相、波数といった要素がありますが、今回は特に重要になります。電子の周波数が分かると、そのエネルギーについても知ることができるというのが一つの理由です。そして周波数や波数についてある事象を考える上では、フーリエ変換というものが役立ちます。
これを電子の波について適用すると、なんだかんだあって、電子の波を運動量-位置, エネルギー-時間という二つの関係で表すことができるようになります (フーリエ変換 & ド・ブロイの関係式)。物体中の電子は一点に留まることがないため、その位置の重要性は低く、むしろ運動量やエネルギーといった性質の方が大切になるため、この方が都合が良くなります。
また、原子 (陽子・電子含む)が周期的に規則正しくならんでいる結晶についても、フーリエ変換を適用することができます。これで、位置をベースとしている実空間から、波数をベースとしている逆空間というものへの置換ができるようになります。
そして逆空間内である原子1個が占める領域 (ブリルアンゾーン)を定義し、その内部あるいは表面のsampling point (測定点)のことをk-pointと言います。ただし、固体物理学では対称性 (回転・反転して重なるかどうか的な概念)が重要視されるため、実際によく使われるk-pointの位置は限定されており、それぞれはアルファベットやギリシャ文字で記されることが多いです。
結局
結晶の話まではまあまあ良かったと思いますが、逆格子の考え方がどうやってもかみ砕けずに最後めちゃくちゃ省略しました…
要は
・結晶の中での電子の振る舞いや物理を考えるには、位置ベースの実空間でなく、波数ベースの逆空間で議論をする方が便利
・k-pointはその逆空間内でのある点
ってことです。
しかし2年くらい理論の部分に触れないだけで、忘れていることが多く、勉強になってしまいました… 脳の劣化…
もうちょっと上手い説明が思いついたら随時更新するかもです。
À bientôt