社会人クリエイターの為の「状態目標」「結果目標」「行動目標」
目標設定を行う際、目標をどう立てたら良い困ったことは無いでしょうか。
目標設定は、SMARTの法則と「状態目標」「結果目標」「行動目標」の3つを使い分けて評価者とゴール設定を行いその合意形成ができれば、大体なんとかなります。今回は、そのうちの目標設定についてクリエイティブ業界の視点を加味して説明をまとめてみました。
状態目標、結果目標、行動目標の違い
状態目標 (State Goal)
ある特定の状態や状況を達成することを目指す目標です。多少漠然としても良いのですが、他者から押し付けられているようなキレイ事では無く、自分が一番望んでいるものを設定するとやる気が出ますよ。言い換えるとこうありたいという理想像です。
具体例:
A「3DCG業界内でだれにも負けないアウトプットを出せる状態になる」
B「リーダーとしてメンバーが全力で仕事を出来ている状態にする」
C「ゲーム業界内で創造性のあるアウトプットが出来る状態になる」
結果目標 (Outcome Goal)
状態目標と結果目標の違いは、状態目標が広い範囲の理想状態であるのに対し、結果目標のほうがより具体的になります。また社会人クリエイターとしては、その組織の事業目標やプロダクトの目的とシンクロしている必要があります。多くの場合は半年間など評価の区切りもあると思いますので、その区切りに合わせると、より上位のレイヤーとのすり合わせが楽になります。
具体例
A「3Dチーム内で3割以上のモデル数を制作し、品質も良い評価をされる」
B「2人のメンバーを自立させ、次世代のリーダーとして組織に認めさせる」
C「プロジェクト内で新規性のある表現を提案し、3つ採用される」
行動目標 (Action Goal)
状態目標や結果目標に近づくことができる行動を具体化し、実行に移すための指針になります。
具体例
A.1「作業スピードを向上させる為に、毎日1時間は必ず自主学習を行う」
A.2「作業を効率化する為に、業務フローの最適化をする」
A.3「求められる品質を理解するために、プロダクトのアートを理解する」
A.4「自身のスキルを理解するために、チームや競合他社を把握する」
B.1「週1の1ON1を行いメンバーとのコミュニケーション量を増やす」
B.2「メンバーの不足している知識を高める為に、月1で勉強会を行う」
B.3「権限移譲のプランを立案し、適切に引き上げるタイミングを作る」
B.4「事業状態や目標をより理解し、求められる人材像を定義する」
C.1「次の流れを把握するために、毎週イベントやセミナーに参加する」
C.2「新規性を高めるために、月1で異業種交流のイベントに参加する」
C.3「チームへ表現提案を毎日1本必ず行う」
C.4「毎日1時間アイデアを練る時間を設ける」
目標達成のための行動計画
自分が心から望む目標設定ができたら、後は達成させたいし、頑張ったら高く評価されたいですよね。適切に行動計画の立案が出来るようになると、チームメンバーへの業務設計も的確になりますし、評価をする側でもされる側でも、無理なく良い合意形成ができるので結構大事です。
行動計画の立案
行動目標を実行ステップの要素で分解すると、行動計画を立案することが出来ますよ。リソースの把握や、リスクやアクシデントへの対策もセットで計画しておけると達成確率や高まります。
ステップの説明と、
例として以下の行動目標を達成するための計画を立案しています。
A.1「作業スピードを向上させる為に、毎日1時間は必ず自主学習を行う」
1.現状を明確にする
何よりもまず、自分の理想像や目標と今のギャップを正確に知ることがとても大切です。
目標例にあてはめると、
現状の業務をできるだけ詳細に計測し「キャラクターモデリングの工程が65時間かかっている」などと実務工数のみを計って明確にする。
ということが実行すべきタスクになります。
2.現状との差を埋める為に必要なことを理解する
ギャップが分かったら、今度はそのギャップを埋める為に必要なことを理解する必要があります。よほど特殊なものでない限り、多くの物事には必ず先輩がいます。身近に居るなら直接教えを請うても良いですし、居ないのなら、SNSやWeb、セミナーなど手段には事とかかないので理解するためのタスクを計画して実行します。
目標例にあてはめると、
自分よりも作業スピードの早いメンバーがいるなら、どれぐらいの作業スピードなのかを出来るだけ具体的に把握し、自分に何が不足しているのか把握。また人とは別のアプローチで作業スピードを上げることが出来ないかを検討する。
ということが、必要なタスクになります。
3.実行に必要なリソースを準備する
立てた目標が実行出来ない理由があるとすると、多くの場合がリソースの不足です。もしモチベーションが維持できないなら最初に立てた状態目標が間違っているので、改めて自分の価値観に照らし合わせて、ワクワクするような前向きになれる目標を立ててください。もしも、その価値観を捻じ曲げられる目標設定をさせられているなら設定者の知識や力量が不足しているか、合意形成が不足しています。
目標例にあてはめると、
業務時間内であれば割り当てられている業務に支障がでないように、日々の業務時間を厳密にコントロールして、練習や学習の時間にあてる。業務時間外なら自己投資出来るコストを把握し、練習や学習を出来る作業環境や時間を準備をする。
というようになって、ポイントはパソコンやソフトのライセンスなど機材が揃えられるかということや、時間を捻出が出来るかという点になってくると思います。
例えばとても高価な3Dソフトでも実は従業員のホームユースが可能であったり、静止画でも動画でも業務で使うような有名なアプリにUIや機能を似せて作っているものが沢山あるので、練習という意味ではいくらでも手段があります。パソコンについてはリースを上手く使ったり、費用を抑えて自己投資をすることが可能です。
4.進捗管理を行う
実際に訓練や学習の効果が目に見えてくると楽しくなるものですし、目標に対して効果的なことを行えているのかを確認することができます。
目標例にあてはめると、
作業スピードが早くなっているか定点観測をして定量化を行い、差を埋めるための行っている訓練や学習タスクが、計測をしたものと比較してどれぐらい早くなっているか定期的に再計測をする。
という感じになります。
進捗管理はあくまでも手段なので、進捗管理自体が目的にならないようにすすめると良いですね。
5.実行に改善があれば見直す
定量化の出来ない評価は周囲からのフィードバックをもとに見直しを行います。アンケートのようなものでも良いかもしれません。組織に表彰をする文化があるのなら、表彰をされることを1つのフィードバックの指針にしても良いでしょうし目標設定のふり返りを出来る機会があるのなら、面談の相手を上手くつかって改善の必要がないか見直します。
目標例にあてはめると、
作業スピードの向上が結果目標の達成に足らない見込みが明確なら、実行しているタスクを見直し行動計画を調整する。
というようなことが必要です。
もしも達成出来ているのなら、自分の価値観と周囲の価値観の合致するところで成果が出ているので、達成感に浸りまくっても良いので精一杯よろこんでほしいです。部下や仲間が達成できていたら、一緒に祝ってあげてほしいです。
まとめ
今回は目標設定とその達成に向けての行動計画についてとなりました。
例はあくまでも多少は汎用的に感じられるように抽象度を高くしています、本来的にはもっと固有名がや数が入れられるので、より具体的に検討をしてみていただけると、更に良い目標と行動につながると思っています。
次回はそれを周囲と合意形成するために必要なことをまとめる予定です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。この記事が、もしも何かの役に立てたり考えるきっかけになれたら、スキなどリアクションを気軽にいただけると嬉しいです!