199. 日本人集団における脈絡膜厚と近視性黄斑症との関連:久山町研究
Association Between Choroidal Thickness and Myopic Maculopathy in a Japanese Population: The Hisayama Study
Ueda E, Yasuda M, Fujiwara K, Hashimoto S, Honda T, Nakamura S, Hata J, Ninomiya T, Sonoda KH. Ophthalmol Sci. 2023 Jun 7;3(4):100350. doi: 10.1016/j.xops.2023.100350. PMID: 37484162; PMCID: PMC10362162.
目的:日本人一般集団における脈絡膜厚と近視性黄斑症との関連を検討すること。
デザイン:集団ベースの横断研究。
参加者:40歳以上の日本人住民で、参加に同意し、脈絡膜厚と眼底写真のデータが入手可能な2841人を本研究に登録した。
方法:脈絡膜厚はswept-source OCTで測定した。参加者は脈絡膜厚の四分位群に分けられた。近視性黄斑症は、Meta-analysis of Pathologic Myopia Study Groupの分類システムに従って定義した。主なアウトカム指標は、近視性黄斑症の有病率に関する脈絡膜厚のオッズ比(OR)であった。ORおよび95%信頼区間(CI)は、ロジスティック回帰モデルを用いて推定した。
結果:81人が近視性黄斑症を有していた(45人がびまん性脈絡膜萎縮、31人が斑状脈絡膜萎縮、5人が黄斑萎縮)。眼軸長を含む交絡因子で調整した後、脈絡膜厚の最低四分位の人は、脈絡膜厚の最高四分位の人よりも近視性黄斑症の有無のORが有意に大きかった(OR:4.78[95%CI:1.78-16.72])。眼軸長24.0mm以上の近視者1176人を対象とした感度分析でも、脈絡膜厚が薄いほど近視性黄斑症の有病率と有意に関連することが示された。
結論:本研究は、脈絡膜の厚さと近視性黄斑症の可能性との間に有意な逆相関があることを示し、眼軸長に加えて脈絡膜の厚さを測定することが、近視性黄斑症のリスク評価とその病態解明に有用であることを示唆した。
※コメント
この手の分野は詳しくないので、メモしておきたいと思います。今後注目しなければならない箇所ですね。