245. 適切な両眼アライメントの構図:立体視と両眼視を維持するために、乳児内斜視の眼球はどの程度まっすぐに保たれなければならないのか?
The oval of adequate binocular alignment: just how straight do the eyes of an infantile esotropia have to be maintained to preserve stereopsis and binocular vision?
Mims JL 3rd. Binocul Vis Strabismus Q. 2002;17(4):281-6. PMID: 12470290.
目的:治療された乳児内斜視において、少なくとも大まかな立体視に適合する最大外斜と上斜偏位を測定すること。
方法:10年間(1992年~2002年)にわたり、現在10歳~23歳の元(つまり手術で矯正された)乳児内斜視患者が、Titmus Stereo Test (Stereo Optical Co., Inc., 3539 N Kenton Ave, Chicago IL 60641)で少なくとも大まかな立体視があるかどうかを検査した。この検査で、近見の正面視または下方視で少なくとも大まかな立体視を示した約40%の患者について、他の視線位置で、最初に立体視が認められた位置よりも2⊿以上の大きい明らかな偏位がある場合には、さらなる立体視検査を行った。これらの他の視線位置での検査は、標準的なポラロイド眼鏡が検査に使用できるように、正面視から20度以上離さないように行った。患者が「フライが平らになった」と報告した偏位を終点とした。
結果:立体視を示した位置から離れた視線位置でXTが増加した22人のうち、5⊿XTで2人が立体視を失い、6⊿XTがで10人が立体視を失い、7⊿XTで8人が立体視を失い、8⊿XTで1人が立体視を失い、1人は9⊿XTになるまで立体視を保っていた。立体視を示した位置から離れた視線位置でより多くのHTを示した8人のうち、2⊿HTで1人、5⊿HTで1人、6⊿HTで4人、7⊿HTで1人、8⊿HTで1人が立体視を失った。平均は6.5⊿XTと6.3⊿HTであった(2⊿HTは異常値として除外)。
結論:立体視が可能な乳児内斜視患者の立体視を維持するためには、6⊿XT以上の外斜視、または6⊿HT以上の上斜視は許容すべきではない。これらの限界は、他の研究による基準と組み合わせることで、適切な両眼視アライメントを構図することができる。
※コメント
今回の報告はFly testでの立体視の限界偏位です。水平上下6⊿とのこと。
異常両眼視;binocular single visionとなるともう少し範囲が広くなるのではないかなと思っている次第です。
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