133. 0.005%と0.01%のアトロピンは,小児の近視進行を効果的に抑制したが,0.0025%では効果が認められなかった。すべての濃度のアトロピンは安全であり,忍容性も良好であった。

Atropine Ophthalmic Solution to Reduce Myopia Progression in Pediatric Subjects: The Randomized, Double-Blind Multicenter Phase II APPLE Study

Chia A, Ngo C, Choudry N, Yamakawa Y, Tan D. Asia Pac J Ophthalmol (Phila). 2023 May 10. doi: 10.1097/APO.0000000000000609. Epub ahead of print. PMID: 37204245.


目的:軽度から中等度の近視を有する小児被験者において,低濃度アトロピンの近視進行に対する濃度反応効果および安全性を評価すること。

方法:この第II相無作為化二重盲検プラセボ対照試験は,6~11歳の軽度から中等度の近視小児99名を対象に,アトロピン0.0025%,0.005%,0.01%の有効性と安全性をプラセボと比較検討した。被験者は就寝時に両眼に1滴ずつ点眼した。有効性の主要評価項目は球面等価(SE)の変化で,副次的評価項目は眼軸長(AL),近見logMAR値の変化,副作用だった。

結果:プラセボ群,アトロピン0.0025%群,0.005%群,0.01%群のベースラインから12か月までのSEの平均±SD変化は,それぞれ-0.55±0.47,-0.55±0.34,-0.33±0.47,-0.39±0.52Dだった。アトロピン0.0025%,0.005%,0.01%群の最小二乗平均差(アトロピン-プラセボ)はそれぞれ0.11 D(P=0.246),0.23 D(P=0.009),0.25 D(P=0.006) であった。プラセボと比較して,アトロピン0.005%(-0.09mm,P=0.012)および0.01%(-0.10mm,P=0.003)でALの平均変化量は有意に大きかった。近見視力については,いずれの治療群においても有意な変化は見られなかった。最も一般的な眼の有害事象は,かゆみと目のかすみで,それぞれアトロピン投与児4名(5.5%)に発現した。平均瞳孔径および調節幅の変化はわずかであった。

結論:0.005%と0.01%のアトロピンは,小児の近視進行を効果的に抑制したが,0.0025%では効果が認められなかった。すべての濃度のアトロピンは安全であり,忍容性も良好であった。

※コメント
薄めた状態でも濃度依存性があるということです。0.01%より少し薄まっても効果はあるようですね。

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