292. Hirschbergテストによる斜視検出のためのディープラーニングと画像処理に基づく新手法
A new method based on deep learning and image processing for detection of strabismus with the Hirschberg test
Karaaslan Ş, Kobat SG, Gedikpınar M. Photodiagnosis Photodyn Ther. 2023 Sep 22;44:103805. doi: 10.1016/j.pdpdt.2023.103805. Epub ahead of print. PMID: 37741500.
斜視は、片眼または両眼が平行または調和して働かない状態である。斜視の人は、片眼がまっすぐ前を向いているのに対して、もう片眼は内向き、外向き、上向き、下向きになっている。この状態は、両眼に影響を及ぼす可能性がある。斜視は、世界人口の約4%が罹患している一般的な目の病気である。Hirschberg, Cover and Krimskyなどの検査が斜視の検出に用いられる。Hirschberg検査では、光源を50cmの距離から両眼の中心に当てる。角膜から反射された光の重心と瞳孔の中心との間の水平距離と垂直距離によって、斜視の程度が示される。本研究では、ディープラーニングと画像処理アルゴリズムを用いて、患者の顔画像から眼球、角膜反射、虹彩、瞳孔を検出する。Hirschberg testに基づき、両眼の水平方向と垂直方向のずれを測定し、患者の斜視の程度を判定した。このように、斜視検査で用いられるHirschberg testは、ソフトウェアによって自動的に行われた。アルゴリズムによって瞳孔と角膜からの反射光が正しく検出されたことは、眼球が正しく測定されたことを意味する。このソフトウェアは、性別も年齢も異なる88人の斜視患者の顔画像でテストされた。88人の患者のうち91%、つまり80人の患者の左眼が正しく測定された。88人のうち90%、つまり79人の右眼が正しく測定された。正しい測定で得られた各眼の結果は、最大±2°の誤差があることがわかった。この誤差は、実際の眼球が3次元空間にあるのに対し、デジタルの眼球画像は2次元空間にあることに起因するもので、一部の患者のテスト結果にのみ観察された。このアルゴリズムはあらゆる年齢の患者に対してテストが可能であり、患者の顔の形態的な違いに影響されない。この新しく提案された方法は、斜視スクリーニングに使用できることが実験的に確認されている。
※コメント
この手の研究は、角膜反射像の画像から斜視を検出するというものですが、結局は画像上どの位置に反射があるかで判定しているので、「見た目」で判断をしています。
角膜反射は真ん中に見えてもカバーテストではtropia shiftがあったり、γ角異常や偏心固視で反射が真ん中にないこともあるため、どうしても判定エラーがで出てしまうのではないかと思っています。
「見た目」も大切ですが、そこに騙されないようにする必要があると切に思います。
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