353. 異常な頭部姿勢における頸動脈血流:斜視における顔面の非対称性を探る前向き観察研究

Carotid blood flow in abnormal head posture: a prospective observational study exploring facial asymmetry in strabismus

Freedman RL, Mielke N, Younes E, Kim C, Bahl A, Bahl RS. J AAPOS. 2023 Oct;27(5):281.e1-281.e4. doi: 10.1016/j.jaapos.2023.07.010. Epub 2023 Sep 17. PMID: 37717618.


目的:異常頭位(abnormal head posture:AHP)が総頸動脈血流(common carotid artery blood flow:CCBF)の変化を誘発し、斜視や眼球斜頸の顔面非対称性の発生につながるかどうかを調べること。

方法:都市部の眼科クリニックにおいて、直立した姿勢と、左右に30~45°首を傾けた状態で、スペクトラルドップラーによる両側頸動脈超音波検査を受けた小児を対象とした前向き観察研究である。主要アウトカムは、頭を傾けた側の頸動脈流量の変化であった。副次的アウトカムは、頭を傾けた反対側の血流量の変化であった。

結果:17名の被験者が登録され、34本の頸動脈が評価された。同側CCBF(7.8±1.8mL/s vs 7.5±2.0mL/s[P=0.4312])または対側CCBF(7.8±1.8mL/s vs 8.1±2.4mL/s[P=0.3401])において、直立頭位と頭部傾斜の間に有意差はみられなかった。

結論:CCBFはAHPによって変動しないため、斜視における顔面非対称性の病因とはならないようである。

※コメント
抜粋-
この研究の目的は、異常な頭部姿勢が頸動脈の血流の変化をもたらし、斜視の顔面の非対称性を説明できるかどうかを判断することでした。この研究コホートでは、頭を傾けた状態と自然な直立姿勢の間でCCBFに有意差はありませんでした。

おもしろい着眼点だなーと思いました。

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