319. 手術で管理された基礎型後天性非調節性内斜視患者:2102例の研究
Basic acquired nonaccommodative esotropia patients managed with surgery; a study of 2102 patients
Akbari MR, Alghurab A, Azizi E, Khorrami-Nejad M. Strabismus. 2023 Nov 20:1-9. doi: 10.1080/09273972.2023.2283109. Epub ahead of print. PMID: 37982308.
はじめに:基礎型-後天性非調節性内斜視(basic-acquired nonaccommodative esotropia:BANAET)患者の術前臨床的特徴について検討した研究はいくつかあるが、サンプル数が少なく、異なる手術時間を要した症例間の臨床的特徴の比較はなされていない。本研究の主な目的は、1回の手術で管理されたBANAET患者の術前臨床的特徴を、10年間に2回以上の斜視手術を受けた患者と比較することである。
方法:この歴史的コホート研究は、2012年から2022年9月までにイランのテヘランにあるファラビ眼科病院で手術を受けたイラン人斜視患者13,252例の病院記録を対象に行われた。そのうち、BANAETを受けた2102例をサンプルサイズとして選択した。収集されたデータには、性別、初回手術時の年齢、矯正遠用視力(corrected distance visual acuity:CDVA)、屈折異常、弱視の有無、偏位角度、手術時期が含まれた。
結果:平均年齢は18.9±15.6歳[男性1200人(57.1%)、女性902人(42.9%)]、中央値は14歳であった。1599例(76.1%)では1回の手術で内斜視が改善されたが、342例(16.3%)では2回の手術が行われ、161例(7.6%)では3回以上の手術が行われた。2回および3回以上の手術で管理された患者の遠見および近見における水平偏位の平均角度は、1回の手術で管理された症例よりも有意に高かった(P < 0.001)。弱視は、1回の手術で管理された患者289例(18.1%)、2回の手術で管理された患者69例(20.2%)、3回以上の手術で管理された患者43例(26.7%)で観察された(P < 0.001)。BANAETが1回の手術で成功した患者は、2回以上の手術を受けた患者よりも若く、CDVAが良好で、乱視が小さく、遠見と近見の水平偏角が小さかった(すべてP < 0.001)。
考察:2回以上の手術を受けたBANAET患者の術前検査では、1回のみの手術を受けた症例と比較して、乱視が大きく、CDVAが低く、水平偏位角が大きく、弱視の頻度が高かった。
※コメント
高齢になると乱視が表に出てくるので、結果的には仕方がないかなと思います。
水平斜視角が大きいのも納得できる理由だと思います。
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