1. 軸性不同視の眼における0.125%アトロピン連日投与は、ALの眼間差を縮小させる有効な治療法の可能性がある

Evaluation of axial length to identify the effects of monocular 0.125% atropine treatment for pediatric anisometropia
November 2021
Scientific Reports 11(1)
DOI:10.1038/s41598-021-96414-4

本研究の目的は、小児不同視の眼軸長(AL)の長い目に対する0.125%アトロピン単眼投与の効果を明らかにすること。本研究は、後方視的コホート研究である。両眼のALに0.2mm以上の差がある不同視小児(6~15歳)のカルテを検討した。ALが長い方の眼に0.125%アトロピンの単眼治療を受けた小児を最終解析に含めた。主なアウトカム指標は、治療後の両眼のAL差とした。両眼の治療時間によるALの変化をモデル化するために、回帰分析が用いられた。最終的に、20人の患者(平均年齢10.2歳)の40眼が解析に含まれた。治療期間中、治療した眼球ではALはコントロールされたが(p = 0.389)、治療していない眼球では有意に伸長した(p < 0.001)。治療眼と未治療眼のAL差は、1年間の治療期間後、0.57mmから0.22mmに減少した(p<0.001)。回帰モデルにおいて、治療眼における治療期間中のAL変化と時間との関係に最も適合したのは、凹関数を持つ2次回帰モデルであった。結論として、これらのデータは、軸性不同視の眼において、0.125%アトロピン連日投与は、ALの眼間差を縮小させる有効な治療法であることを示唆している。このパイロットスタディは、小児軸性不同視の治療に対するアトロピンの今後のプロスペクティブでの大規模な研究のために、有用な情報を提供するものである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?